一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第79期順位戦B級1組12回戦

2021-02-08 00:30:29 | 男性棋戦
4日は第79期B級1組順位戦12回戦が行われた。
まずここまでの成績と、12回戦の対戦カードを記す(○数字は順位、左が先手)。

⑥千田翔太七段(5勝5敗)VS①木村一基九段(6勝4敗)
⑪山崎隆之八段(9勝1敗)VS②久保利明九段(4勝6敗)
③行方尚史九段(3勝7敗)VS⑤永瀬拓矢王座(7勝3敗)
④深浦康市九段(2勝8敗)VS⑫丸山忠久九段(4勝7敗)
⑨松尾歩八段(4勝6敗)VS⑦郷田真隆九段(7勝3敗)
⑬近藤誠也七段(6勝4敗)VS⑩阿久津主税八段(4勝6敗)
抜け番 ⑧屋敷伸之九段(5勝6敗)

昇級は9勝の山崎八段が最有力。確率的に見てもほぼ決まりだ。続く地力は7勝の永瀬王座で、同星で郷田九段が追う。ここまで来れば永瀬王座が逃さないと思うが、もし負けると、順位1位の木村九段にも昇級の可能性が出てくる。
昇級争いも大変だが、降級は今期から3名になったから、こちらも熾烈だ。深浦九段の8敗はほとんどアウトに見えるが、まだ首の皮一枚繋がっている。展開によっては、順位2位の久保九段さえ危ない。
私は日本将棋連盟の棋譜中継に契約していないので、ここでもネット掲示板の反応を見るのみだった。というわけで、昼間はほとんど関心なし。深夜になって、経過を確認した。
対局結果を書くと、以下である。

⑥●千田翔太七段(5勝6敗)VS①○木村一基九段(7勝4敗)
⑪●山崎隆之八段(9勝2敗)VS②○久保利明九段(5勝6敗)
③●行方尚史九段(3勝8敗)VS⑤○永瀬拓矢王座(8勝3敗)
④○深浦康市九段(3勝8敗)VS⑫●丸山忠久九段(4勝8敗)
⑨○松尾歩八段(5勝6敗)VS⑦●郷田真隆九段(7勝4敗)
⑬○近藤誠也七段(7勝4敗)VS⑩●阿久津主税八段(4勝7敗)
抜け番 ⑧屋敷伸之九段(5勝6敗)

山崎八段は佐藤康光九段と並ぶ変態将棋の雄で、本局も▲9六歩△9四歩▲6六歩△3四歩▲7八銀、奇怪な出だしだった。この先手の指し手、昨年の3月22日の棋聖戦で、同じ久保九段相手に経験済だった。いわゆる山崎定跡なわけだが、ほかの棋士が将棋ソフト発の戦法を研究しているのに対し、この自由奔放な指し手は賞賛に値する。
結果は山崎八段が敗れ、昇級はおあずけと思われた。しかし深夜に松尾八段が郷田九段を破り、郷田九段が4敗となった。これで3敗以内は山崎八段と永瀬王座の2名になり、2敗の山崎八段は2位以内が確定。すなわち、うれしいA級昇級となった。
山崎八段は第67期にB級1組入りしたが、13期目での昇級は史上最長とか。この間、降級危機もあったが、このクラスにしがみついていたことが、今回の昇級に繋がった。
負けても昇級、はC級1組・増田康宏六段、C級2組・黒田堯之四段に続いての怪挙だが、形はどうあれ、昇級した者勝ちだ。
山崎八段のA級での将棋、とくに佐藤康光九段との一戦が楽しみだ。山崎先生、おめでとうございます。
一方降級争いは、丸山九段が深浦九段に敗れ、降級が決定した。あれっ?という感じだが、これで丸山九段は全対局終了で、一足早く結果が出てしまった。しかし丸山九段はB級2組の将棋ではない。すぐに戻ってくるだろう。
B級1組の最終戦は、3月11日である。
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