一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

第47期女流名人戦五番勝負、終わる

2021-02-13 00:41:44 | 女流棋戦
第47期女流名人戦五番勝負は、里見香奈女流名人が加藤桃子女流三段に3タテし、あっさりと終わった。
今期は加藤女流三段がリーグ戦を9戦全勝で駆け抜け、この勢いならひょっとしたら……の期待を抱かせたが、里見女流名人の壁は厚かった。
加藤女流三段の対里見戦は、2014年に加藤挑戦者が女王を奪取して、そこまでは女流公式戦で4勝5敗と、いい勝負をしていた。付け加えれば、2011年、里見女流三冠が奨励会試験を受けたときも、試験官の加藤奨励会2級が勝っている。
しかし2017年の第7期女流王座戦五番勝負で、里見女流王座に2連勝から3連敗したのが悪夢の始まりになった。以下、今回の女流名人戦まで、そのときの連敗「3」が「12」にまで伸びてしまった。合わせて、対里見のタイトル戦も5連敗になってしまった。
もはや、完全に飲まれている感じである。今回の女流名人戦も、「また里見さんに負けるかもしれない」とよぎったやもしれず、だとすると戦う前からハンデを背負っている。
第1局は、里見女流名人が中飛車(か三間飛車)で来ることは分かっているのに、加藤女流三段が対策を用意しているようには見えなかった。いやもちろん用意はしていたのだが、里見女流名人が自然体で指しているのに対し、加藤女流三段には迷いがあったように見えた。
そして激戦の第2局を加藤女流三段が負けたところで勝負あり。すなわち、残り三番で加藤女流三段が3連勝するイメージがまったくなく、ここに里見女流名人の防衛が決まった。
加藤女流三段もむかしは、強い里見女流四冠と指すことを楽しみにしていたのだと思う。しかし負けが込んでいる現在、いまは顔も見たくない状況なのではあるまいか。私もKun氏相手に似たような状況になったことがあるから、加藤女流三段の気持ちはよく分かるのである。
こういうとき私が推奨するのが、相手の敗局をひたすら並べることである。それで、「里見さんは強くない」と自己暗示をかけるのだ。これなら相手の得意戦法の撃破法も学べるし、一石二鳥である。
加藤女流三段も奨励会では初段まで行ったのだから、里見女流四冠にまったく勝てない、ということがあるわけがない。ま、何かのキッカケで、また勝てるようになるだろう。
とにかく、加藤女流三段が先頭に立ち、女流二強からタイトルの一角を崩さなければ面白くない。
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