一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

羽生七冠、46勝9敗の内訳

2021-02-27 01:50:57 | 将棋雑記
羽生善治九段が七冠を達成した1995年度の成績が「46勝9敗.836」と以前書いたが、棋戦別勝敗を記してみよう。

第53期名人戦七番勝負 森下卓八段 4勝1敗
第66期棋聖戦五番勝負 三浦弘行五段 3勝0敗
第36期王位戦七番勝負 郷田真隆五段 4勝2敗
第43期王座戦五番勝負 森雞二九段 3勝0敗
第8期竜王戦七番勝負 佐藤康光七段 4勝2敗
第45期王将戦リーグ戦 5勝1敗
同七番勝負 谷川浩司王将 4勝0敗
第21期棋王戦五番勝負 高橋道雄九段 3勝0敗
第17回オールスター勝ち抜き戦 ○●(井上慶太六段に敗れる)
第16回JT杯将棋日本シリーズ ●(2回戦・森内俊之八段)
第26期新人王戦記念対局 丸山忠久六段 ○
第45回NHK杯 5勝0敗(決勝戦の相手は中川大輔六段)
第29期早指し将棋選手権戦 5勝0敗(決勝戦の相手は南芳一九段)
第14回全日本プロ 4勝1敗(準決勝で屋敷伸之七段に敗れる)

七冠達成とNHK杯、早指し戦の優勝で、合計9回優勝。これは年度記録だと思う。
タイトル戦7つのうち、ストレート勝ちが4つ。対局を待っていた旅館(会場)には悪いが、タイトル戦が早く終わって、羽生九段には幸いなことだった。
負け数9を個別に見ていくと、タイトル戦で5局負けている。しかしたった5敗しかしていないとは、考えられない。そして、これと王将戦リーグの1敗を合わせた6敗は、実質的に実害がない。
オールスター勝ち抜き戦で井上六段に負けたときは、「羽生七冠」の3局目だったが、「羽生、負けた」とスポーツ新聞の1面に出た。この程度の出来事(失礼)が1面になるとは前代未聞で、このころは羽生フィーバーの絶頂期だった。
これとJT杯日本シリーズの負けで2敗。タイトル戦に出ずっぱりだから、これらの負けも痛くなかろう。
惜しかったのは3月11日に行われた全日本プロの準決勝・対屋敷七段戦で、終盤は羽生七冠に勝ちがあったのだが、一失で敗れた。
もしこの将棋に勝っていれば「47勝8敗.855」となり、1967年度に中原誠五段が達成した最高勝率の記録に同星で並んでいた。
羽生九段はかつて「どんなに勝つ棋士でも、年間に負ける数は同じですから」と謙遜したが、この年度を見るとそうでない。敗数1ケタは奇跡的で、まさに鬼神のごとき勝ちっぷりだった。
コメント
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