一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

堀女流1級、初優勝

2021-02-17 00:32:23 | LPSAイベント
14日(日)は港区の施設で、LPSA第75回1dayトーナメント「Minervaカップ」があった。私は入場を考えたが、サイトを見ると8日(月)で事前申し込みが終わっていた。
そういえば申し込み制だった気もする。私もここ何年かは覇気のない生活を続けているので、事前に申し込みをする気力すら沸かなかった。
本戦は準決勝から公開で行われるようで、カードは「渡部愛女流三段VS中倉宏美女流二段」「船戸陽子女流三段VS堀彩乃女流1級」だった。サイトには「1/11本戦」と書いてあるが、たぶん「2/14」の誤りで、この2局と決勝戦が、ライブで指されるのであろう。
ファン向けの企画としては、決勝戦で「次の一手名人戦」があった。優勝者予想クイズはあったのだろうか。だけど渡部女流三段に優勝予想が集中しちゃうので、やらなかったのかもしれない。
ただ、現状で私の一推しは堀女流1級である。今年度の公式戦は3勝10敗とまさかの惨状だが、彼女はいつもストイックに将棋の勉強をしており、たまたま勝ち星に見放されているに過ぎない。よって優勝に推すのに何の躊躇もない。もっとも、私が現地に行ってないので、ここで叫んでもまったく意味はないのだが。
夕方になって、サイトで将棋を見てみる。
船戸女流三段VS堀女流1級戦は相居飛車の出だしだったが、堀女流1級の左銀が動いたので、船戸女流三段が四間飛車に振った。実はこの動き、私も船戸女流三段相手に指したことがある。もちろん、イビアナ封じだ。
ただ船戸女流三段は基本居飛車党だし、また振るにしても、中飛車が多かった。船戸女流三段に若干、迷いがあると思われた。
ところで船戸女流三段は1月21日に女流三段に昇段した。昇段においての免状授与式はイベントで行われるのが通例で、今回もファンの前で行われた可能性が高い。ファンは感動的な場面に立ち会えたはずだ。
将棋は船戸女流三段が優勢に見えたが、堀女流1級の反撃も鋭く、最後は船戸玉をうまく仕留めた。堀女流1級、うれしい決勝進出である。
渡部女流三段VS宏美女流二段戦は、相居飛車から宏美女流二段が右玉に構えた。作戦家の宏美女流二段、まさかの戦法で決勝進出を狙う。
これも一進一退の見応えある攻防だったが、最後は渡部女流三段が宏美女流二段の猛攻を振り切り、宏美玉を即詰みに討ち取った。
これで決勝戦は渡部女流三段VS堀女流1級となった。渡部女流三段が1dayで何度も優勝しているのに対し、堀女流1級はゼロ。ただし決勝進出は5回目で、このカードは2016年のMinervaカップ以来となる。堀女流1級に絶好の雪辱の機会が訪れたわけだ。
将棋は堀女流1級の先手で、相掛かりになった。中盤以降も難解な手順が続き、私には何がなんだかサッパリ分からない。ただ、この五里霧中のような局面からふたりが本筋の手を続けていることはまさにプロである証で、私はひとり唸ってしまうのである。
局面が進み、堀女流1級が優勢に見えてきた。上で渡部女流三段の優勝が多いと書いたが、決勝戦で負けていることも何度かあり、堀女流1級が勝っても不思議でない。
……と、ここで現局面に合流した。私は渡部女流三段の大ファンではあるが、今回は堀女流1級を応援している。
局面は堀女流1級が勝勢で、渡部玉を受けなしにしたようだ。だが渡部女流三段は飛車を9筋に転回し、王手。その後△7八飛成と金を取り、堀玉を受け なしにした。
一手以上の余裕があると思ったので、私は慌てた。渡部女流三段の飛車が動いたことで、玉の逃げ場も出来ている。私だったら冷静さを欠いて暴発するところだが、堀女流1級は冷静に王手。

ここで更新が滞ったので不審に思ったが、渡部女流三段が投了したようだ。堀女流1級優勝!? そう、優勝したのだ! これは堀女流1級、うれしかっただろう。
この日、同じ東京の立川では、王将戦第4局があった。それに比して本棋戦は、参加女流棋士数人のミニ棋戦である。注目度は100分の一もなかっただろうが、勝者の喜びは、王将戦に勝るとも劣らなかった。
堀女流1級は渡部女流三段に勝ったのだから、もっと自信を持っていい。最後は自分が勝つ、というくらいにデーンと構えていれば、自然に勝ち星も転がり込んでくる。
ひとつ予想をしておこう。来年4月には、堀女流1級が女流初段に昇段しているだろう。
堀先生、初優勝おめでとうございます。
コメント
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