一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

2月6日の4時から男(前編)

2021-02-19 00:06:02 | 新・大野教室
この6日は埼玉県川口市にある大野教室に行った。午後3時45分ごろ入室し和室に入ると、Ok氏とShin氏が対局中で、それをTaga氏が見物していた。ほかにアマ棋客はいなかった。この緊急事態宣言下では外出も億劫で、その影響がモロに出た形である。おまけに、W氏も休みだった。
Ok-Shin戦は終盤戦だったが、私はTaga氏と対局を始めてしまう。Taga氏の先手で、角道開けの四間飛車。これは角を換わって向かい飛車にする狙いで、Taga氏の十八番でもある。でも私は迎え撃つことにした。
Ok-Shin戦はすぐに終わってしまい、もうほかの組み合わせはないから、中途半端になった。これなら少し待って、私-Shin戦を始めるべきだった。
私は△4四角から△6五銀(第1図)とゆさぶる。しかし狙いが単純で、あまりよくなかった。


それでも数手後に私が香得して十分に思えたのだが、Taga氏も飛車を捌いて悪くない。しかし第2図でTaga氏が▲7三銀と打ったのがどうだったか。△7三同桂▲同馬△8六飛は、この右桂と銀が交換になって、私がずいぶん得をした。
戻って第2図では、露骨に▲8三銀もあったかもしれない。私も△6三香と打ち飛車の取り合いになるのだが、これは先手の銀も遊びそうなので、まあいい勝負だと思っていた。
ともあれこれで私が優勢になったはずだが、数手後Taga氏の▲6四桂△5一金引▲5二香が俗手ながら厳しい攻めで、これで逆転し、Taga氏が良くなった。
だがその直後、Taga氏の▲6二歩成が重大な一手パスだった。こんなに力を溜めなくとも、すぐに▲5一香成~▲5二桂成と迫ってTaga氏の勝勢だった。
本譜は私が△2二玉まで逃げ越せたことが大きく、再び逆転である。私は反撃に転じ、第3図は後手勝勢。

以下、△2七桂成▲同銀△同香成▲同玉△3五桂まで、私の勝ちとなった。
感想戦は第2図のあたりを中心にやったが、後手十分の変化も多かった。
お次はShin氏との対局である。隣では、Ok-Taga戦が始まった。Shin戦は私の後手で、▲7六歩に△3四歩。一瞬△8四歩も考えたが、矢倉はやる気がなかった。
以下、Shin氏の居飛車明示に私の四間飛車になった。Shin氏は飛車を浮き、左銀を動かさず▲6八金直。Shin氏は最新戦法を取り入れるのがうまく、以前横歩取り青野流の速攻を喰らってひどい目に遭ったことがある。今回の布陣も研究済みで、私も警戒せねばならない。成算はないが、私は△6三銀~△7二金と変化してみた。
右の将棋は、Ok氏がお神酒指しのような形から、△1七角成と歩をちぎっての突貫攻めに出た。Ok氏は以前もお神酒指しだったからマイブームなのだろうが、この攻めに関しては明らかに無謀だ。Ok氏、簡単に大駒を切る癖は克服したと思ったが、またぶり返してしまったようだ。
Shin氏は▲3五歩と仕掛け、私は△3二飛と寄る。

第1図以下の指し手。▲3六飛△2二角▲3四歩△同銀▲3三歩△同飛▲4四角△3五歩▲2六飛△4三金▲8八角△3二飛▲2二角成△同飛▲1一角△3二飛▲6六角成△3三角▲5五歩△4四金▲5六馬(第2図)

▲3六飛と力をためた手に、私は△2二角。さらに▲3四歩以下部分的な定跡手順になった。
▲2六飛に△4三金は手堅いが、金銀がバラバラになるのでマイナスの部分のほうが大きい。
▲8八角△3二飛に角を換わり、▲1一角が好点。角筋を避けた角上がりが、ここでは居飛車に有利に働いている。
ここで△3三角も考えたが、▲2二角成△同角▲8八銀のあと▲4一飛が厳しく残り、後手いけない。よって△3二飛だが、▲6六角成の形は先手が手厚く、十分になった。
△3三角には冷静に▲5五歩とされ、私は△4四金と上がったが、次に△4五歩と打てるわけでもない。▲同桂△同銀▲同銀△同金に▲3四銀があるからだ。

第2図以下の指し手。△4二角▲2四歩△同歩▲4五銀△同銀▲同桂△3六銀▲3三歩△2二飛▲4六歩△2五歩▲2九飛(第3図)

Ok-Taga戦は、Ok氏の角損の攻めが通って、Ok氏が勝勢だ。あの攻めでも勝ってしまうから、また無理攻めがやめられない。ここは難しいところである。
そのOk氏がいう。
「大沢さんもなあ、オレと駒落ちをやったときは、自分の勝ち筋しか言わねえんだもんなあ。もっと下手の勝ち筋を教えてくださいよ」
それはもっともだが、下手は指し始めの時点で優勢なのだから、意外に教えるところもない。それより、上手が逆転したのに勝ち切れなかったことのほうが問題だ。私はその勝ち筋を探しているのである。
第2図で先手は▲3四馬△同金▲4三銀の狙いがある。それを避けて私は△4二角と引いたが、これも覇気のない手だった。
Shin氏は▲2四歩と突き捨て、▲4五銀と待望の進撃である。△同銀▲同桂の局面は先手の駒がすべて捌けて、優勢は疑いない。
ただここで後手の番なので、反撃するなら唯一のチャンスだ。私は△3六銀ともたれたが、▲3三歩△2二飛に▲4六歩と穏やかに指され、△3六銀がボケてしまった。△2五歩と突いたが▲2九飛と引かれ、とても2筋攻めは間に合わない。
もう後手敗勢だが、次の手は負けを早めた。

(つづく)
コメント (4)
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