一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

LPSA芝浦サロン・松尾香織女流初段3・マッカラン勝負ラスト2

2011-06-16 00:08:37 | LPSA芝浦サロン
昨年12月15日(水)は金曜ではなかったが、LPSA芝浦サロンに出向いた。この日の担当は松尾香織女流初段。倉敷藤花戦とは別に、彼女に「マッカラン勝負」を挑んでいたからだ。その経緯は省くが、2010年の残り2戦で2勝しないと、つまり1勝で終わると、松尾女流初段に「マッカラン進呈」という事態になっていた。
昨年の対松尾女流初段の戦績は、この対局まで1勝7敗。「大沢さんには絶対負けない!」宣言をされたということはあるが、それにしたってこれは負けすぎだ。実際、松尾女流初段との平手戦、最初の9局は私の6勝3敗だったのだ。この辺で連勝の目が出ても、ちっとも不思議ではない。ただ、もちろん松尾女流初段は地力があり、残り2戦2勝の確率は五分五分と見ていた。
この日の手合い係は船戸陽子女流二段。ほかに石橋幸緒女流四段や中倉宏美女流二段の姿もあった。ちなみに昨年は、船戸女流二段や宏美女流二段とは、マッカラン勝負をしていなかった。
対局開始。今回は特別に、対局時計を使った。松尾女流初段は持ち時間10分。私は30分のハンデ戦である。松尾女流初段は2面指しだったから、実質持ち時間は5分だ。
松尾女流初段の思いやりであるが、指導対局で対局時計を使用するのは、下手が思う存分考えることができないから味がわるい、ともいえる。ただ私はメリハリをつけて考えるタイプなので、自分の好きなように時間を使えるこのシステムは、私も大歓迎であった。
▲2六歩△3四歩▲7六歩△4四歩から、矢倉模様に進む。矢倉は知る人ぞ知る松尾女流初段の得意戦法で、「松尾矢倉」の異名もある。植山悦行七段も、「松尾さんは、矢倉はうまいよ」と太鼓判を押していたほどだ。私との矢倉戦も4局あり、私の1勝3敗となっていた。
宏美女流二段が来て、
「がんばって」
と熱い声援をくれる。この一言をいただけただけで、マッカラン勝負をした甲斐があったというものだ。
このまま組み合っては負けそうなので、私は矢倉中飛車に変化する。といっても矢倉中飛車はほとんど指したことがない。この直前に、NHK杯トーナメント戦で、島朗九段が矢倉中飛車で快勝したのを観たから自分もマネをしたのだと思うが、記憶違いかもしれない。
私は落ち着いて指し、微妙に形勢が揺れながら、中盤の難所を迎えた。傍らでは、石橋女流四段による、第23期竜王戦第6局の大盤解説が行われていたが、見ている余裕はない。
私は4六の飛車で、▲5六飛と桂を外す。△5六同歩なら▲4四角と後手の角を素抜く狙いだ。
松尾女流初段は△4五銀と私の桂も外したが、私は▲5八飛と落ち着いて引く。これで駒の損得はなしだが、△5六の桂馬が▲6八の銀と交換にならなかったから、私が一本取った形となった。
一進一退の中、終盤に突入する。と、松尾女流初段がシビレを切らし、暴走気味の手を指した。これで私が勝勢になったようだ。▲5二銀に△5四王と逃げた局面が下。

上手・松尾女流初段:1一香、1四歩、2三歩、3五歩、4二金、4四角、4五銀、5三銀、5四王、5五歩、9一香、9四歩 持駒:飛、桂2、香、歩5
下手・一公:1六歩、2六歩、3六歩、4一竜、5二銀、5九銀、6六角、6七歩、7五歩、7八金、7九玉、8七歩、8九桂、9六歩、9九香 持駒:金2、桂、歩

最初は▲6五金△同王▲7七桂に、△5四王▲6五金までの読みで、実戦も▲7七桂まで進んだ。ところがここで△6四王とまっすぐ引かれて、アオくなった。しかし▲7六桂がピッタリで、以下は即詰み。実戦もここで投了となった。
「桂があったのかー」
と松尾女流初段。さすがに悔しそうだったが、まだ余裕が感じられた。
将棋は勝てば嬉しいのは当たり前だが、とくに嬉しいのは、指しなれない戦法で勝ったときだ。本局はしっかりと読みも入っていて、自分としてはまずまずの将棋だったと思う。
ともあれ私はカド番を返し、次のおかわり対局が、マッカランを決める大一番となったのである。
コメント (2)
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