一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

みんなハッピー!LPSA将棋パーク(後編)

2011-06-04 14:51:22 | LPSAイベント
中井広恵女流六段・植山悦行七段の三女・Minamiちゃんは母親似。駒を持つ手つきもサマになっている。ただし将棋のほうは端を破られ芳しくない。
しかし植山七段の遺伝子を引き継いでいるからか、Minamiちゃんは、そこから丁寧な受けに回る。いままで快調に攻めていた相手の女の子は「こんなはずじゃないのに…」と、指し手もとまどい気味だ。ここから女の子が乱れる。
▲女の子:4六香、5一銀 持駒:銀
△Minamiちゃん:3二飛、5三玉
の局面から、▲4四銀△5二玉▲4三銀成△6一玉▲5二成銀△同玉▲4二香成△同飛▲同銀成△同玉。何とも摩訶不思議な手順を経て、Minamiちゃんが逆転に成功した。
蛸島彰子女流五段-山下カズ子女流五段の伝説の一戦は、後手番・蛸島女流五段のゴキゲン中飛車から激しい攻め合い。解説は多田佳子女流四段から中井女流六段にバトンタッチ。相方の石橋幸緒女流四段の解説は軽快で、時折笑いが起こる。対局者はやりにくいかもしれない。
終盤、自玉が受けなしになった山下女流五段が、蛸島玉に王手ラッシュをかける。客席では鈴木真理さんが、真剣なまなざしでゆくえを見守っている。まったく、なんという美しさだろう。
▲7二銀△9二玉の局面で、山下女流五段の持ち駒は飛、銀。山下女流五段は▲8三銀と打ち、△9三玉に▲8二銀不成と突っ込んだが、これが上手の手から水が漏れた失着。△8四玉と逃げられて打ち歩詰めの形となり、山下女流五段、無念の投了となった。
感想戦では出なかったが、▲8二銀不成では▲9四銀成が習いある手筋で、△同玉の一手に▲9五歩で、以下はどう応じても後手玉が詰みだった。
しかしさすがに伝説の一局だけあって、見ごたえのある熱戦だった。
「販売コーナー」には、きょう発売となったLPSA女流棋士扇子がある。松尾香織女流初段の発案で、名前の上に任意の漢字1文字が揮毫されており、なかなかオシャレだ。ちなみに松尾女流初段の文字だけが、達筆すぎて分からない。購入した人は、これが何の字なのか、考えてみるのもおもしろいと思う。
ちなみに私は、船戸陽子女流二段手作りの巾着袋を購入した。
「どうぶつしょうぎ」にチャレンジしてみる。相手は大庭美夏女流1級。大庭女流1級はどうぶつしょうぎの強豪で、将棋より強い。私だって勝つ気まんまんだったが、私の序盤の悪手を的確に咎められ、早々と敗退した。
某氏が見える。前日の将棋ペンクラブ関東交流会の練習将棋で、私が完敗した相手だ。「じゃあ指しましょうか」ときょうも2局指したが、2局とも負けた。2局目は勝ったと思ったのだが、終盤でうっちゃられた。某氏、「自分は弱い」と謙遜しているが、かなりの手練である。
会場外のペア将棋対局コーナーでは、関西のS氏がまだ対局を続けている。相手はU氏。ペアの相手はそれぞれ女性だが、ともに奥さまだろうか。先ほど見たときは本格的な矢倉だったが、いまはごちゃごちゃした戦いになっている。いかにも将棋、という感じがする。4人とも楽しそうで、これがペア将棋の醍醐味と感じた。
私の理想は、船戸女流二段とペアを組み、中倉宏美女流二段・島井咲緒里女流初段ペアと指すことである。山口恵梨子女流初段・室谷由紀女流初段ペアとの1局もいい。妄想はいくらしても自由だ。
三遊亭とん楽さんが見える。とん楽さんは将棋ペンクラブの会員だが、きのうは関東交流会に見えなかった。きょうは、自身が関係している会社が協賛しているため、遊びに来たのだという。将棋界は多くの将棋ファンによって支えられているのだと、改めて思う。
中倉彰子女流初段、宏美女流二段の「将棋入門」を受けてみたいが、さすがに私は受講不可だろう。
「駒積み競争」をしてみる。玉将、飛車、角、金、と順番に重ねていき、最後に王将を立てて完成というシステムだ。
駒積みの妙技といえば廣津久雄九段が有名である。1枚目の歩を逆さに立て、その上に39枚の駒を詰む。そんな光景が「近代将棋」に載ったことがある。それに比べれば、今回の駒積みはやさしい。
とはいえ気を抜けば、すぐに駒柱が崩れる。慎重に駒を積んでいき、クリア。タイム1分30秒は上出来だった。
また鈴木真里さんが目に入る。
「あのう…鈴木真里さんですよね」
我慢できなくなって、つい話しかけてしまった。彼女は「はい」と答える。
「NHKの将棋講座、いつも拝見してます。頑張ってください」
私は一方的に言って、その場を離れる。鈴木真里さんはまだ話す用意はあったふうだが、私のような将棋オタクと鈴木さんのような美人は、あまり接触しないほうがいいのだ。
女性将棋大会がすべて終わり、表彰式に入る。Aクラスの優勝は、年配の女性。W・Akiちゃんの優勝はならなかった。昨年秋の信濃わらび山荘将棋合宿で、私はAkiちゃんに2連敗している。とすると、年配の女性は私より強いことになってしまう。これをどう捉えたらいいのか。
「ぐるぐる将棋」は、多数の対局者がいるが、指導女流棋士の数が足りず、やや停滞している。これは企画に無理があったかもしれない。
15時30分からは、美しい田井麗花アナウンサーの進行による、大抽選会である。今回のイベントでは各企業が後援・協賛・協力しており、その数は30近くに上る。そのほとんどが商品を提供していて、それはそれは大規模な抽選会になった。入場者は150人はいたと思われるが、かなりの人が当たりそうである。抽選箱から番号を引くのは、藤森奈津子女流四段と神田真由美女流二段のアイドルペアだった。
さてLPSAのイベントでは、何かしら賞品を持って帰る私だが、私の番号「18」がなかなか呼ばれない。
東京ドームの巨人戦チケットは目玉賞品だったが、呼ばれた番号は惜しくも「19」。あと2、3分入場が遅ければ、このチケットは私のものだったかもしれない。
ついにすべての賞品が紹介されたが、ついに「18」は引かれなかった。ただし、当選したにもかかわらず、すでに帰ってしまった人もおり、それらの賞品は敗者復活の「ダブルチャンス」に回された。ここでようやく「18」が引かれたのだが、当たった賞品はニンテンドーDSの「激指」。当たったはいいが、私は肝心の本体を持っておらず、喜びも半分となった。
16時20分、大抽選会は滞りなく終了した。このあとは閉会式である。まず鹿野圭生女流二段の「女流二段昇段表彰式」。LPSAの昇段者は、こうしたイベントで表彰されることが多い。ファンも同時に祝福でき、いい試みだと思う。
最後はLPSA女流棋士15名が勢揃いし、大団円となった。LPSA設立のコンセプトの中に「女性への将棋の普及」があった。今回多くの女性客を目の当たりにして、LPSAの活動が実を結んでいると確信した。このイベントが定期的に続くことを願って、本レポートの結びとする。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする