一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

6月20日のLPSAジャンジャンマンデー(後編)・中倉宏美女流二段に負ける

2011-06-25 11:54:48 | LPSAマンデーレッスン
まさに異例の再戦であるが、中倉宏美女流二段は現在6戦全勝のため、「連勝ストッパー」として、私に白羽の矢が立ったらしかった。
宏美女流二段はきょうもミルキーである。凛として気高く、その貌は白亜の彫像のようだった。
またも私の先手で、居飛車対三間飛車の対抗形となった。私は急戦策を採る。▲5七銀左から、▲5五歩~▲4五歩と仕掛けた。△5三銀▲4六銀に、宏美女流二段は△5六歩。ここは△5四銀も有力だが、宏美女流二段はいつも△5六歩である。これが宏美女流二段の「マイシステム」なのだ。
数手後、宏美女流二段は△2四歩と反撃する。その局面が下。

先手・一公:1七歩、1九香、2五歩、2八飛、3六歩、3七桂、4五歩、4六銀、5六銀、5八金、6七歩、6九金、7六歩、7八玉、8七歩、8八角、8九桂、9七歩、9九香 持駒:歩
後手・宏美女流二段:1一香、1三歩、2一飛、2四歩、3三桂、3四歩、4二金、5三銀、6一金、6三歩、7二銀、7三歩、8一桂、8二王、8三歩、9一香、9四歩 持駒:角、歩2

先手の飛車が「2六」ならこの筋があり、昭和53年の名人戦昇降級リーグ1組(現在のA級)・米長邦雄八段×勝浦修八段戦で、勝浦八段がこの手を指したことがある。しかし本局では▲2八飛なので響きが薄い。とはいえ△2四歩を▲同歩では△2七歩▲同飛△3八角なので、私は▲3五歩と攻め合った。
宏美女流二段は△2五歩。ここで私が指した▲2二歩が、ココセ級の大悪手だった。△同飛なら数手後の▲3三歩成が飛車に当たるという読みだが、手順に△5一飛と逃げられ、大損をした。
感想戦では、▲2二歩を利かさずに▲3四歩と攻める手が検討された。以下△3六歩▲3三歩成△3七歩成▲4二と△2八と▲2二歩が進行の一例だが、▲2二歩で飛車を取り返せれば、先手が金得で優勢。ほかの変化もやってみたが、いずれも先手十分だった。
本譜は▲3四歩△3六歩▲3三歩成△3七歩成▲2五飛に、△6四銀が大きな手。5六の銀を取らせるわけにはいかないから▲5七歩の辛抱だが、宏美女流二段は一転して△4一金。私も▲3七銀とと金を払い、新規蒔き直しとなった。
しかし以後は宏美女流二段の軽快な攻めに遭い、私は無念の投了となった。
「大沢さん、負け」
と、船戸陽子女流二段の声が聞こえる。ここで連勝ストッパーになれば、船戸女流二段の私を見る目が少しは変わったかもしれないのに、残念な敗局となってしまった。
これで第2期のジャンジャンマンデーが終了した。私は12局戦い、6勝6敗(●○●○●○●○○○●●)の五分だった。対戦表を見ると、私は「最多対局賞」にすべりこんだようである。しかし同時に、次回(7月4日)のジャンジャンマンデーで行われる表彰式にも参加せねばならなくなった。どうも先方のネライにはまるようでおもしろくないのだが、マンデーレッスンS講師が、私のために賞品を買ってくれると思うと、欠席はできない。やはり来月も、参加してしまうのだろう。

帰りはA氏と神田へ。以前も行ったことのある、A氏馴染みの店に入った。カウンターにいた店長(だと思う)はアジア系の濃い顔をしているが、将棋界の事情に詳しく、鉄道マニアでもあり、A氏と私の趣味にピッタリ合っている。話していて、楽しい人である。
A氏はビール、私はウーロン茶で乾杯。私は下戸だが、ウーロン茶でも十分酔えるので、構わない。
A氏の著した書物が、朝日新聞の某エッセイで取り上げられるという。
「ボクの本まで取り上げるなんて、いよいよネタがなくなってきたかな」
とA氏は謙遜しつつも、うれしそうだ。私は別にうれしくも何ともないが、
「それはよかったですねえ」
と、にこやかに答えておく。
2時間ほど、談笑した。会計はA氏がほとんど持ってくれたが、私のほうも大ネタを提供したので、勘弁してもらおう。
コメント (3)
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