一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

みんなハッピー!LPSA将棋パーク(前編)

2011-06-03 00:33:56 | LPSAイベント
LPSAは設立日である5月30日を「女子将棋の日」と定め、その記念イベントとして、5月29日(日)に、「みんなハッピー!LPSA将棋パーク」を開催することを決めた。
LPSAの社運を賭けた第1回目の会場は、芝浦サロンがあるJR田町駅近くの「交通会館」。イベント内容を見ると女性中心だったが、船戸陽子女流二段や松尾香織女流初段に「男性でも大歓迎だから、来て来て」と熱く囁かれ、当日はふらふらと田町へ出かけてしまった。どうしようもない。
交通会館は田町駅から徒歩3分とのことだったが、建物が分からず、軽い迷子になってしまった。と、会館前で中倉宏美女流二段と島井咲緒里女流初段にバッタリ会い、入口へ向かう。その向こうにはLPSAの面々がズラッと集まっている。
「同伴ですかァ」
と冷やかされたが、否定はしない。
入場は無料。イベントスケジュールはその都度記すことにして、まずは11時から、大会場の外で指導対局が行われた。これには指導料がかかって1,000円からだが、全額が東日本大震災義捐金となる。
指導対局女流棋士は、藤森奈津子女流四段、神田真由美女流二段、鹿野圭生女流二段、船戸女流二段、松尾女流初段、島井女流初段など。
当然私も所望する。私の前には鹿野女流二段が来た。関西の鹿野女流二段には教えていただく機会がなかなかないので、ありがたかった。
駒を並べていると、藤森女流四段が来て、
「大沢さん、元気?」
と言う。
「うわああああ、そ、その口調、私のおばにそっくりですよ」
「おば!? おばなの!?」
「え?…ええ」
「おばって…」
「そうですよ。おば。ウチに来ると、よくオレに言うんですよ。元気? とか、ご飯ちゃんと食べてる? とか。もううるさくて、ハハ」
「……。ちゃんとご飯食べてる!?」
「う、うわあああ!! お、おばそっくり。ふ、藤森先生、たまんねえっす!!」
「……」
というバカバカしい会話のあと、鹿野女流二段との指導対局開始。鹿野女流二段の四間飛車に対し、私は5筋位取り戦法を採った。
美樹女流初段がおカネを徴収に来たので、ミエを張って2,000円を出す。と、私の前をマンガ家・タレントの山咲トオルが通った。ステージイベントのゲストなのである。今回LPSAは女性アナウンサーも起用しており、だいぶおカネをかけているのが分かる。
壁を隔てた大会場では、中倉彰子女流初段、宏美女流二段の超初心者講座「しょうぎってなあに?」が始まっている。相変わらず笑いを取っているようだが、よく聞くと、ふたりのほかに山咲トオルの声も混じっている。彼(彼女)はここに出演したのか。
将棋は一進一退の攻防となったが、わずかに私のほうが優勢だったようだ。
最終盤、鹿野女流二段が私に手を渡したところで、私は▲6三と。これが鹿野女流二段の見落としていた好手で、これを▲6三金と打っては詰まない。▲6三と以下は△同王に▲5三銀成(4二から)で、鹿野女流二段の投了となった。これに△7二王は2五の飛車が2二に成って、簡単な詰み。
感想戦ではお互いの意見を率直にぶつけあい、とても勉強になった。
大会場に入ると、「しょうぎってなあに?」はまだ続いていた。初心者講座に定評のある中倉姉妹、黒板にイラストを描いたりして、分かりやすい講座だった。
会場手前では、女性将棋大会が行われている。けっこうな人数の女性が盤を挟んで熱戦を繰り広げており、この光景を見ただけで、早くも本イベントの成功が予感できた。
昼食休憩を挟み、13時からは、山咲トオルと中井広恵女流六段のトークショーだ。山咲トオルが招ばれたのは、中井女流六段と親交があったかららしい。中井女流六段を目にするのは、4月の信濃わらび山荘将棋合宿以来。相変わらず魅力的だ。
進行役は田井麗花アナ。タカラヅカのような名前の彼女は米倉涼子に似たたいへんな美人で、私はいっぺんにファンになってしまった。さすがはLPSA、アナウンサーのピックアップも、いいところを衝いている。
3人の軽快なトークで、会場内は爆笑の連続だった。
今回のイベントは女性対象なので、誰でも参加できるブースが多く設けられている。
中倉彰子女流初段、宏美女流二段は引き続き「将棋入門」のブース。
「どうぶつしょうぎ」は、大庭美夏女流1級と美樹女流初段が担当している。
「手つきコンテスト」は船戸女流二段と島井女流初段。両名が来場者の手つきを判定して、段位を認定してくれる。
「My駒・My扇子」もおもしろい。駒や扇子に自分なりの文字を書いて、自分だけの品物を作るというものだ。これは鹿野女流二段、松尾女流初段が担当する。
「駒積み競争」は藤森女流四段と神田真由美女流二段の、「永遠のアイドル」が担当。40枚の駒を積んでいく、タイムトライアルだ。成績上位者には扇子などの記念品が当たる。
そのほかに、定番の「ぐるぐる将棋」。これは有料で、参加料は1,000円から。これも東日本大震災の義捐金に充てられる。
その他は販売コーナーに、懸賞詰将棋のコーナーもあった。
これらには「スタンプラリー」が付随しており、各ブースを体験するごとに、カードにスタンプが押され、3つ以上集めると、15時30分からの大抽選会に参加できるという仕組みになっていた。
今回のイベントは女性向けだから、女性客でいっぱいになるのが望ましいのだろうが、家族や彼氏といっしょに来た人も多く、男女の比率は半々ぐらいに思われた。
関西のS氏が来て、私を「ペア将棋」に誘う。午前中に行われた指導対局会場が、ペア将棋と自由対局のコーナーになっているのだ。
S氏との交流もおもしろそうだが、それ以上にLPSAの女流棋士と交流したかったので、S氏の誘いは無視し、私は「手つきコンテスト」のブースに向かう。
船戸女流二段の席が空いたので、着席し、お互いに駒を並べる。40枚並べ終えると、「手つき王座」の称号をいただけた。ちなみに隣のオジサンは「手つき王将」。王将より王座のほうが格上なんだぞ、と自分に言い聞かせる。どうして私は、ヘンなところで負けず嫌いなんだろう。
参加賞として、ネイルアート用のマニキュアをいただいた。
「My駒・My扇子」では、オリジナルの「歩」と「玉将」を作った。「歩」はポップなデザインにしたので、松尾女流初段がとても驚いていた。あまり知られていないが、私は絵が得意である。いつか船戸女流二段の対局姿を描いてみたいと思う。
「どうぶつしょうぎ」のコーナーに、たいへんな美人がいる。女優クラスの美人だが、どこかで見たような、そうでないような感じである。…あれっ? スズマリ? 現在「NHK将棋講座」で、チョイ悪・山崎隆之七段のアシスタントを務めている、鈴木真里さんであった。
鈴木真里さんは、いつぞやの社団戦で見かけたことがあり、その時も私は彼女を絶賛したらしい。「らしい」というのは、私にその記憶がないからだが、W氏によると、そうだったらしい。
正直に言えば、「将棋講座」で彼女を見たときはあまり魅力を感じなかったのだが、こうして生で見ると、発しているオーラが違う。やっぱり彼女は綺麗だ。声を掛けたかったのだが、警戒されてもアレなので、やめておいた。
14時からは、蛸島彰子女流五段と、山下カズ子女流五段の特別席上対局である。「レジェンド(伝説)対決」と銘打っているがまさにその通りで、このふたりがいなかったら、現在の女流将棋界はなかったといっても過言ではない。
多田佳子女流四段、石橋幸緒女流四段の解説で対局が開始されたが、ブースがいろいろありすぎて、レジェンド対局の観戦に専念できない。
女子将棋大会は大詰めを迎えている。AクラスはW・Akiちゃんが決勝戦を戦っている。相手の女性は、LPSAのイベントによく見かける方だ。将棋は終盤に入っているが、どちらも決め手を欠いているように見えた。
振り返ると、かわいらしい女の子が、左手で駒を持って指していた。彼女は…?
中井女流六段・植山悦行七段夫妻の三女だった。
(つづく)
コメント (3)
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