８月７日の沖縄本島旅行記（後編）

「かめそば」と書かれた幟をよく見ると、「わかめそば」と書かれてあった。
なんだ。これならわざわざ食すこともない。もう宜野湾はオサラバ。そのまま県道？を歩いていると、バス停があったので待ってみる。
バスは１、２時間に１本の割合だったが、運良く15時48分発の88系統・那覇バスターミナル行きのバスが来たので、乗る。
これは行きに乗ったルートとは別の道を通る。国道58号の牧港交差点を左折し、国道330号に入る。ここから別ルートになった。しばらく走ると浦添市立美術館が左手に見えたが、降車ボタンを押すのがめんどうだったので、そのまま乗り続ける。
その次の次が、ゆいレールの古島駅前だったので、今度はそこで下車してみる。朝、カプセルホテルでいただいた無料のガイドブックを見ると、近くに沖縄博物館・美術館がある。これはおととしの11月に開館したばかりだ。しかしガソリンスタンドのそばに「A&W」があったので、まずはそちらに入る。
A&Wは沖縄限定（と思う）のファーストフードのお店で、ドリンクの「ルートビア」は薬臭いが、一度飲むとクセになる。この店に入ると、ああ、沖縄に来たんだなあ、と思う。
A&Wを出ると午後５時近かったが、沖縄博物館・美術館は、金曜と土曜は夜８時まで開館なので、大丈夫。私は東京に住んでいても、上野の美術館などの施設はまったく入る気がしないのだが、旅行のときはなぜか入りたくなる。「無駄な時間」をなくすことで、これで自分が旅行してるんだ、と言い聞かせているわけだ。
自動券売機には「１日入館券がお得です！」と書いてあったのでそのボタンを押したが、何度もこの美術館に入るわけでなし、普通の入館券を買えばよかった。60円損した。
今回の展示は「琉球絵画展」で、たくさんの絵画や書が展示されていた。別の部屋では、沖縄県出身の画家の絵画が展示されている。これが絵画か？　と首をひねる前衛的作品も多い。「開運！なんでも鑑定団」（テレビ東京系）に出演している永井龍之助氏ならいくらと鑑定するのだろう、どんな感想をもらすのだろう、とつまらぬことを考える。
ここでは沖縄県の美大生も絵画を出展していたが（無料）、これが皆さん素晴らしい出来で、若者の感性がキャンバスにしっかりと表現されていて、大いに感心した。
この日は「金曜ナイト」の企画で、６時半から、学芸員の方が琉球絵画の説明をしてくださるとのことで、私も拝聴する。この方、ひじょうに熱心に説明されるのはありがたいのだが、私の文章と同じで、まわりくどい言い回しが耳障りだった。もっと簡潔に説明できるはずである。残念だが、30分ほどで美術館を出た。
パラパラッと小雨の降るなか、ぶらぶら歩いていくと、ゆいレール牧志駅がある国際通りにぶつかった。私にしては珍しく土産物屋をのぞきつつ、そのまま通りを歩いていく。「松尾」というバス停がある。そういえば、いま松尾香織女流初段は、LPSAの会員相手に指導対局をしているはずだ。松尾女流初段は、元シェイプアップガールズの中島史恵に、声が似ている。もちろん、どちらも美人である。
公設市場へ入って、夕食を摂る。私は食にあまり関心がないので、入るのは大衆食堂である。しかしけっこう若者も多く、しばらくすると満員になった。ここは前も入ったことがあるが、安くて量があり、美味。やはり、どこかのガイドブックで紹介されているのであろう。
腹もくちたが、まだカプセルホテルに戻るには時間が早いので、また国際通りをぶらつく。お店は夜８時で閉店のようだが、実際は９時ぐらいまで開いているようである。
先月も国際通りをぶらついたときに思ったことだが、船戸陽子女流二段に似た女性をよく見かける。彼女は東京都渋谷区出身だが、沖縄県出身、と書かれてもさもありなん、という感じがする。こんなことを書くと「お前、船戸さんのことを考えてるから、そう見えるんだろ」という声が聞こえてきそうだが、それが実感なのだからしょうがない。ちなみに女流棋士会で沖縄出身を思わせる女流棋士は誰かと考えてみるに、伊奈川愛菓女流１級が、沖縄の女子高生の雰囲気がある。また上田初美女流二段は、沖縄アクターズスクールの卒業生の雰囲気がある。
そろそろカプセルホテルに帰る時間である。しかし私にはもうひとつの「儀式」があった。そう、喫茶店でケーキセットを食すことである。この夜はホテルの近くにシャレたドリンクバーがあったので、そこへ入ってみる。
お酒がメインの店だったが、（アイス）コーヒーの味はまずまず。チーズケーキも美味しかった。
石垣島へ行くのは９日の朝一番の飛行機である。８日は、渡嘉敷島へ日帰りする予定だ。ホテルに戻り、明日（８日）こそは風が止んでくれよ、と念じた。

…しかしその願いは叶わなかった。