一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

大山康晴十五世名人と谷川浩司九段の、47歳4ヵ月

2009-08-06 00:12:13 | 将棋雑考
谷川浩司九段は1962(昭和37)年4月6日生まれだから、今日6日で47歳4ヵ月になる。谷川九段は2005(平成17)年、当時保持していた棋王位を羽生善治挑戦者に奪取され無冠となり、現在に至っている。
では大山康晴十五世名人は、47歳4ヵ月の時点で、タイトルは保持していたのだろうか。もちろん保持していた。
五冠王、であった。
名人、十段(後の竜王)、王将、王位、棋聖の5つである。1970(昭和45)年7月17日、時の内藤國雄棋聖から3勝1敗で奪取し、数年振りに五冠王に返り咲いたのだ。大山十五世名人は1923(大正13)年3月13日生まれ。つまりこのときが大山五冠王、ちょうど47歳4ヵ月であった。ちなみに当時「棋王」はなく、「王座」は準タイトル戦だった。つまりタイトル全冠制覇を果たしていたわけだ。
これを河口俊彦七段は、「大山康晴の晩節」(新潮文庫)で、「全盛期の最後の輝きと言うべきだろう」と記している。
その後大山五冠王は、中原誠八段に十段、棋聖とたてつづけにタイトルを奪われ、最後の五冠王時代はわずか5ヵ月で終わりを告げた。とはいえ、「47歳で五冠王」の記録は特筆大書すべきものだ。
それにくらべて…である。谷川九段の42歳から無冠のまま、はいかにもさびしい。
今年私は、「私が勝手に予想する順位戦昇降級者」のA級で、谷川九段を降級候補に挙げた。2006(平成18)年、森内俊之名人に挑戦したものの敗退し、以降の戦績も勝ったり負けたりで、すっかり影が薄くなっているのを感じたからだ。
しかし断っておくが、私は谷川将棋のファンである。谷川将棋には華がある。またその切れ味鋭い光速の寄せは、芸術的ですらある。
米長邦雄永世棋聖は49歳で名人を戴冠した。谷川九段も、老けこむのは早すぎる。まだまだ私は、タイトル戦での谷川九段の活躍を見たい。
今期の順位戦では、私の予想を裏切って挑戦者になり、ぜひとも名人位を奪取してもらいたい。
コメント (4)
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