感染症診療の原則

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Where Ecology Meets Economy

2014-08-01 | 青木語録
編集部から編集長に興味深い記事だから・・という事で紹介されてきました。西アフリカで歴史上最大規模の集団発生を起こしているエボラ熱の記事です。

350症例以上が報告され、Case fatality ratioは69%と高い。

問題の株はZaire ebolavirus speciesで一番凶暴なやつ・・。

ところで中央アフリカのコンゴとかに居る筈のZaire ebolavirus speciesが、なぜ西アフリカの3国(Guinea、Sierra Leone、Liberia)に・・?


患者が旅をして来た? それにしては通常、人の往来はこの2地域であまりない。
かえって旅をしたのは動物なのでは? 今回はコウモリ、Fruit bat。これなら可能。

それにしても、なぜ今なの?・・
昔から居たの? (多分違う。なぜなら中央アフリカの株と遺伝子的には非常に近いから・・)
今まで一般的にエボラ熱に襲われる地域は経済的にも内戦などで最も弱っている。
そこに安全に診療できない、十分なリソースの無い医療機関が更に状況を悪化させる。
更に経済的にきついと森の奥深く分け入り食料や、たき火の材料を手に入れたり・・とかで動物との接触が増える。
コウモリを食べるんですね・・。レシピもあるらしい。

まあ、いずれにしても戦乱その他で劇的に変化したEcologyとEconomyが合体してエボラ問題を・・

詳細は以下のURLをご覧下さい。

http://www.plosntds.org/article/info:doi/10.1371/journal.pntd.0003056

(タイトル写真はネットで検索したFruit batのレシピから)
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