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夏休みの読書 『知の教室』

2015-08-27 | (ちょっと休憩)ほんとに休憩
文科省が大学の人文社会系学部を縮小させるような話がネットでも話題になっていました。リンク先は7月26日の記事。

8月、NHKでシリーズでやっていた戦争に関する番組で、終戦の後もしばらく戦争モードでいた各地の軍隊の暴走をとめることができたのは、中間管理職についていた一般大学卒の教養がある人がいたからではないか、という話が紹介されていました。

医療系は実学的な内容が多いわけですが、現場で出会う実際のひとりひとり、家族は個別性が高く、教科書的な知識、あるいは自分の少ない社会人としての経験ではどうにもならないことにつきあたります。

周辺の、時に全く畑違いの分野の本を読んだり専門家の話を聞いて、その理解や対応を広げていくことが必要ですし、その中で違う展開をできたり気持ちとして救われるものもあります。

読書はどの解決法の一つですが。
教養が大事だという佐藤 優氏の文庫本が書店に並んでいたので買ってみました。

池上彰氏や他の論客との対談の紹介(会話調)なのでとても読みやすかったのでお勧めします。

以下、この内容がお勧めということではないのですが、感染症屋としてオドロキ〜(@@)な内容も(真面目で固い話ばかりじゃないですよ)ということで紹介しておきます。

政治の裏話はとても面白い。面白いけど気の毒になるようなエピソードも多数。

下記はほんの一部で、あとはカタいお話がほとんど。念のため。


(43ページ)
佐藤氏がある地域に人道支援ででかけたときの食事の話。

「(略)最初に出てきたのがスープです。野菜がたくさん入っているんだけど、生ぬるーい感じで臭い。次が肉の煮込み。毛がついたままの血の固まりを積み上げると蹄だったりする。その辺まではまだオッケーなんですが、その次に出てきたのが血のソーセージ。半凝固状態でブヨブヨしている(以下略)」

このあと、○○を食べる話があります。○○は衝撃的すぎて書けません(- -;)

次はサウナの話。
(45ページ)
「サウナには白樺の枝が置いてあって、それで叩き合うんですが、だんだんふざけて○○○○○を突いたり、「いてー」と叫んだり、子どもじみた遊びをはじめる。雪が降ってくると、裸のまま外へ出て行って転げまわる。騒いでいるうちに男同士で○○したり、首筋を噛んだり、なかには相手の○○○○○をくわえるのもいる。そうやってだんだん友達になっていくんだけど、背広を着た時にはそんなことはなかったような顔をしてつきあう。こういう二重性に入って行くのが○○○人の世界なんですね」

うへー。

その他、神学の話、逮捕された話、時間の使い方等、読書量が多く執筆スピードの早い人の生活は興味深かったです。

短期的に役に立ちそうな本ではないものを意図的に買う/読むことをしていかねばとあらためて思いました。

知の教室 教養は最強の武器である (文春文庫)
文藝春秋
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