感染症診療の原則

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妊婦は診療できません(?)

2009-09-13 | 毎日いんふぇくしょん(編集部)
研修医の皆さんは妊婦さんを診療したことがありますか?
指導医から「かかりつけの産婦人科へかえすように」といわれたことがありますか?

先日青木編集長宅でこれからFamily Medicineの勉強に留学するドクターに聞いたお話では、訓練のなかで産婦人科や小児科も強化されるのだということでした。地域で診る、というのはまさに幅広い領域の勉強が必要なのだと思いました。
(産婦人科や小児科の医師が足りないその時期に、ある程度のことは内科系ドクターがカバーできれば助かる地域も多いですね)

産・婦人科医の団体が「インフルエンザとおもったら産婦人科ではなく内科を受診するように」といい、その理由は「他の妊婦等への感染を防ぐため」と説明していますが、
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090912AT3K1200912092009.html

これに対して内科系の医師の一部は「妊婦の診療はできない」という反応なのだ、というニュースがありました。

自分が妊婦だったら、、、お産関係以外のことは詳しくなさそうな婦人科ドクターよりも内科の先生に診て欲しいですね。

噂によると、根回しをせずにこのような発表があったことに対して、他の団体からクレームがついたそうで、そのためかはまったくわかりませんが、産婦人科を受診してもいいという話も流れています。
http://www.asahi.com/national/update/0910/TKY200909100125.html

ところで。

妊婦さんは一般に「薬は嫌」という方が多いです。赤ちゃんにわるいんじゃないかしら?です。それまでかなりアナーキーな生活をしていた友人も、妊婦になったとたん禁煙をし、無農薬野菜にはまり、生活もエコ化したりします。

その人達の意見としては、「妊婦にワクチンを強制するようなニュースにきこえる」優先順位議論はとても怖いのだそうです。
もちろん強制接種ではありません。

有効性や安全性の説明を受けて納得して接種してください、という言い方にも、「誰が説明するの?」とか、「素人が判断できるものなの?」という反応も少なくありません。

(こんな話もあるためワクチンはあまるんじゃないか?という人もいます)

妊婦に季節性インフルエンザも無料にすることを考えるチャンスではあるとおもう
のですが。

11日のニュースでは、日本産科婦人科学会が妊婦や授乳中の人に対するワクチン接種や薬の投与などについての指針を改訂し、指針のなかで妊娠中の女性について、新型インフルエンザワクチンの接種は、「安全かつ有効である」と明記。感染者と濃厚接触した場合は、タミフルなどの抗インフルエンザ薬の予防的投与の検討を求めている、と報じられています。(TBSニュース)
http://news.tbs.co.jp/20090911/newseye/tbs_newseye4232412.html

新型インフルエンザのワクチンが安全かつ有効と明記するいう臨床試験結果はどこからきたのかは指針を読まないとわかりませんが。日本の産婦人科医の団体はこういっている、、という資料として使われるんでしょうか。

(米国では季節性のワクチンは、妊娠のどの時期で接種してもよいといえる数字の蓄積があるそうです)
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