米国CDCの週報MMWR 5/29号が、いつ頃から米国内にウイルスがいたのだろう?の検討をしています。
少なくとも1月下旬には国外から米国内に入ってきて、2月の終わりには渡航に関係のない、市中での感染拡大がおきていただろう、ということです。
アウトブレイクを把握するために、救急や集中治療の分野で症候群サーベイランスがおこなわれていますが、概念や検査そのものが確立していない時点では流行そのもののキャッチがおくれ、数のまとまりとして把握が困難です。
ウイルスの遺伝子情報の分析
初期に集団事例が把握されたワシントン州のシアトルのCOVID-19症例でSARS-CoV-2の分析がおこなわれました。
それによると、ほとんどのウイルスは単一のクレード(ワシントン州のクレード)であり、最も最近の共通のルートは1月18日と2月9日。
1月15日に中国武漢からシアトルに到着、4日後に病気になった男性から把握され、国内に持ち込まれたCOVID-19の最初の米国の症例と一致しています。
(ただし、ワシントン州のクレードが、SARS-CoV-2に感染している別の人物と類似または同一のシークエンスのウイルスから発生した可能性もあり)
2月から3月中旬にかけてカリフォルニアと米国北東部でウイルスを分析したところ、複数のヨーロッパからのウイルスが把握され、これがその後米国内で拡大したと考えられています。
Nextstrainによると
1/19の検体は
Snohomish CountyのProvidence Regional Medical Centerのラボで検査されています。
日本は?
国立感染症研究所の4月22日の記事を見てみましょう。
・“中国、湖北省、武漢”から来た人、戻った人からの広がり
・渡航自粛が始まる3月中旬までに海外からの帰国者経由
が広がりを考える上での基点となります。
日本は検査数が少ないので視界が悪いままですが、注意点としては、
調査を進めていくと、大きなクラスターになったりするなかで、1人から全員に広がった、スプレッダーだ!この人のせいというような話にもっていかれないようにすることも必要です。無症状の人が多いのと、明確な「これで感染する」「それ以外の可能性は全否定」ができないからです。
よくわからないときにリスクを避けるために必要なのは、同じ考えや意見の人でかたまらず、自分とは違う意見を複数常にみておくことです。
皆で生き延びましょう。