Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

一般財団法人日本政策学校代表理事金野索一さん講演会無事終了しました

2012-07-20 | 水圏環境教育
7月18日,楽水会館2階にて一般財団法人日本政策学校代表理事金野索一さん講演会が行われました。
参加者は水産について考える会の会員の方々ならびに現役学生である。

1国会議員の職業偏重の実態
国会議員の6割以上は議員秘書,県会議員,国家公務員そして2世議員であり世間との接点が限られている。もっと多様性のある人材を国会に送り込む必要がある。

2法案の8割が行政府が立案したものであり,国会議員の多くは省庁が作成した法案に賛成か反対かを投じるだけ。議員立法が2割にとどまっている。

3現在の行政の制度は,あくまでも生産や専門家を擁護するためにあるものである。制明治時代に大久保利通が作ったものである。その仕組みを今でも周到している。
例)農林水産省は消費者ではなく生産者の側にたった法案を作る
厚生労働省は医療制度はあくまでも医者の側にたった法案を作っている
かろうじて消費者庁は消費者の側にたっているが,力は弱い

4吸収法から増加法への転換の必要性と司法の役割の向上
現在の法律は吸収法といってこれまでの法律に照らし合わせて作られるものであり,簡単に新しいことができない仕組みになっている。
増加法に転換して,国会議員が新しい法律を作れるようにすべきである。
そして,その増加法を憲法に照らして正しいかどうかを司法が管理すべきである。
日本の司法が法律に関して動いたケースは戦後8件だけであり,それも一票の格差の問題だけである。

5公共セクター,企業セクター,民間セクターのネットワークの必要性
今回の震災でも,これら3つのうち後者2つはよく機能したといえる。しかし,公共セクターの動きはこれら2つに比較して弱かった。これからは,公共セクターの役割をいかに高めていくかが大きな課題

6国会議員が活躍するためにはシンクタンクが必要であるが残念ながら日本には民間のシンクタンクは発達していない。

学生からの「大学もシンクタンクの機能を果たしていくべきではないか」という質問に対して,講師の今野さんからそれはいいアイデアであるというコメントをいただいた。

現在,国立大学法人として初めて岩手大学が沿岸部にエクステンションセンターを設置した。全国の市町村に大学のエクステンションセンターを設置し,エクステンションセンターをシンクタンクの機能を持たせ地域の意見と政策に反映できる様な仕組みを構築することは,災害の多い日本にとって必要ではないだろうか。もちろん災害だけでなく,まちづくり地域づくり,地域振興にも大きな力を発揮する。それらを大学の全国のネットワークを構築することでより発展性と均衡のとれた国土をつくることができるのではないだろうか。