1年生フレッシュマンセミナーの一環として
全国的にも番屋の経営で有名な保田漁協を訪問した。
現在の番屋の利益率は30%であるという。
なぜ,番屋を始めたか。組合長から直接お話を伺った。
まず,アワビ,伊勢エビを4年禁漁すれば資源が回復するのではと,管理型の漁業を提案。
そして,マリーナを提案。漁港にはマリーナは設置できないことになっているが,何とか作った。現在は年間収入が2000万円を超える。
また,海を使う事業はだめと総代会では否決であったが,6m四方のヒラメの養殖場の施設を設置。最初は順調であったが,韓国からかなりのヒラメが1kg1800円でくるようになり,採算ベースが1kg2000円前半。がんばったが,2億の赤字。毎年2千万の赤字となった。協賛事業も減っていって,ヒラメを養殖すると仲買の業者に手数料を取られる,では,食堂をやって末端の人々に提供したらということで,800万円で食堂を作り,4年目で1億の売り上げであった。
利益率が当時出せなかったが,20%は超えていた。
当時行列が夕方の4時まで続くと2000人で会った。次々番屋を作るようになった。
この資金が組合のためになった。
おいしい,キンメダイをいただきました。東京湾口は水産資源が豊富です。キンアジも脂がのっておいしかったですね。
8万坪の山を買った。富士山がきれいである。散策道を作った。これからはここを宿泊型の滞在場所にしたいと考えている。
参事さんによると漁協は本来的に漁民の生活向上のためにあるものである。従って,漁協職員はその目的を果たすために努力をしなければいけないという言葉が印象的であった。
確かに,地方水産業の発展のためそして漁民の生活向上のため村田保や松原新之助をはじめとした明治時代の先達によって提案されたものである。水産経済の専門家によるとこうしたシステムは世界でもまれであるという。
特製のお寿司は学生たちも完食していました。
今回の視察でわかることは,漁協自身の考え方がとても重要であること。漁港をアリーナとして解放し,一般の船舶を受け入れていること。直接消費者とつながること。こうした取り組みは新しいことでありリスクも大きいと思われる。経営のつぼをしっかりととらえ取り組みへのアドバイスを与えること大切であり,大学の重要な役割の一つであると,水産経済の専門家は話していた。