Dr. WAKASAGI at HEI-RIVER(閉伊川ワカサギ博士)

森川海をつなぐ学び合いの活動を紹介します

日仏海洋教育情報交換会が開催されました。

2010-10-18 | 水圏環境リテラシープログラム
地中海大学の代表団をお招きして「日仏海洋教育情報交換会」が開催された。
まじまる前に,学長室において本シンポジウムでは両者がお互いに協調しながら,海洋教育を推進することが再確認された。

10年ほど前からICM(総合的な沿岸域管理)をマルセイユ市が実施しているが,地域住民の科学的認識を高めることがとても重要であるという。
マルセイユ市では定期的にステークホルダーに対して講習会を実施しているが,実施するたびに成果が出ている。ICMにとって教育は大切なものである。とりわけ,ボトムアップから発せられる管理になるように円卓会議を幾度となく開催しているが,この方式は住民の自主性を高める上でうまくいっているという。

ティボボタ博士は地中海大学の海洋研究センターに所属しているが,科学的な認識を高めることがとても必要であり,そのために努力している。これまでは,総合科学もが多かったが,専門性の高いカリキュラムを作っている。科学をコミュニケーションツールとして取り入れようととしている。

一方,日本からは我が国の海洋教育の特徴,本学の新しい取り組みである水圏環境リテラシー教育推進プログラムを紹介した。前半は,サイエンティフィックな取り組みの具体例を説明し,後半に海苔養殖と開発のコンフリクトについて説明したが,サイエンティフィックな教育内容よりも,海苔養殖など伝統的な産業や文化に興味深く聞き入っていた。

また,会場の海洋科学を専攻するPHDコースの学生らは,海洋管理に於ける科学者の役割に関するトークで特に興味を持ち聞き入っていた.

今回は,アウトリーチとしての海洋教育のあり方を情報交換したが,我々の取り組みの方が,学習者中心のプログラムに近いものであるようだ。

しかし,すでに総合的な沿岸域管理がマルセイユ市の部局においてスタートしている点は先方が先行している。

また,その時に大切なのは大学の役割であると語った。市町村がICMを推進する上で,大学との密接な関わりが重要のようだ。