三無主義

 ~ディスパレートな日々~   耶馬英彦

映画「Fast & Furious 8」(邦題「 ワイルドスピード Ice Break」)

2017年05月07日 | 映画・舞台・コンサート

 映画「Fast & Furious 8」(邦題「 ワイルドスピード Ice Break」)を観た。
http://wildspeed-official.jp/

 登場人物のそれぞれに見せ場があり、運転技術、パワー、格闘術を華麗に発揮する。特にステイサムはジャッキー・チェンのアクションを彷彿とさせる、コミカルで見事な身のこなしを見せていた。
 ファミリーのメンバーは皆、頭の回転が速く、運動神経も抜群で、何よりも強運の持主だ。こういう連中が活躍するためには敵役が強大でなければならない。
 その点で、シャーリーズ・セロンの役柄の設定はなるほどと納得させるものがある。現代はコンピュータと電子ネットワークの時代で、サイバー技術の天才はハッキングによって世界のインフラを自由に利用できる可能性がある。クレジットカードにもマイクロチップが搭載される時代だ。自動車も航空機も船舶もコンピュータ制御なしでは動かない。武器も然りである。それらがすべて頭のおかしいハッカーに乗っ取られたらと思うと空恐ろしい。現実にはそう簡単ではないだろうが、もしかしたらと思わせるところに意味がある。
 シャーリーズ・セロンはその狂気の役を存在感たっぷりに演じていた。この女優は去年の「ダーク・プレイス」では心に闇を抱える女性を情緒豊かに演じていたかと思えば、「マッドマックス 怒りのデスロード」では隻碗の怪女の役がハマっていた。いかにも21世紀らしい女優である。

 このシリーズは最初の作品から比べると、随分進化している。本作品には、テクノロジーの進歩が人間による制御とのバランスを失ったときに何が起こるのかという現代的な世界観があり、ハリウッドのお気軽SF映画のラインナップとは一線を画している。ストーリーは若干強引な部分があるが、派手なアクション映像の作りこみは流石で、娯楽として楽しむのには充分だ。


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