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筋書きのないのが人生

2024-01-21 07:57:07 | ブログ
 米国のシンガー・ソングライターであるテイラー・スウィフトが、タイム誌の「2023年の人」に選ばれた。その記事を読み、どうしてもブログに何らかの記録を残さずにはいられないという気持ちになった。

 スウィフトが歌うようなポップ音楽を聴くことはない。引き付けられるのは彼女が舞台の上で披露するパフォーマンスではなく、彼女自身の生き方である。スウィフトは、「物語を作る者であるとともに、その物語の主役を演じる者」と言われる。しかも、単に舞台上で歌い、演技するだけでなく、舞台を離れた実生活でも、自分で物語を作り、それを実践しているようにみえる。

 ドラマとは、フィクションの世界であり、筋書きのある物語を演ずるパフォーマンスというのが一般的な理解である。しかし、フィクションの世界は、人々の実生活から抽出している部分もあるが、実生活からかけ離れている部分も多く、リアリティに欠けるという印象を受ける。そのためか、最近のドラマでは、いくつかの無関係にみえる筋書きが用意されていて、適宜別の筋書きに切り替えるという手法もみられる。ところが、そうなると、一貫した筋書きのある物語を期待する視聴者は、ついて行けず、欲求不満になるのではなかろうか。このような手法が必ずしも成功しているとは思えない。

 翻って人々の実生活は、千差万別であり、それからステレオタイプの生活を抽出するのは困難である。人生とは、まさに筋書きのない物語であり、それこそリアリティであると言わざるをえない。

 スウィフトのコンサートは、一晩で7万人もの入場者を集めると言われる。政治家の催す集会が7万人の人間を集めるのは容易ではないだろう。スウィフトが ’political’ とも呼ばれる理由が分かるような気がする。

 日本の一部政治家の世界には、世襲の議員が多いとか、議論するよりもカネや派閥にものを言わせるとか、前近代的な慣習が色濃く残っている。多くの政治家の人生は、スウィフトの人生と対極にあり、その筋書きがほぼ決まっていると言ってよい。そのような政治家に投票する選挙民には、決まった筋書きの人生を期待している人もいるが、そうでない人々も多いに違いない。

 スウィフトにとっては自分の人生がリアルであるが、筋書きの見えない人生を送りそうな多くの人々にとって、それは自分の境遇とあまりにも違い過ぎるため、幻想あるいはフィクションのように聞こえるかも知れない。しかし、スウィフトの生き方から学ぶものがあるはずと考える。

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