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「インターステラー」という映画を見て

2014-12-14 15:24:57 | ブログ
 先日、「インターステラー」という米国映画を見ました。この映画では、「ブラックホール」、その「特異点」、「ワームホール」というキーワードがよく出てくるので、これらが今どきの宇宙物語の3点セットになっているのかな、と思いました。実は、8月に書いたブログで、この3点セットについて記したので、ぜひこの映画を見たいと思っていました。

 物語の大筋は、妻に先立たれた40男の元宇宙飛行士が、その10歳の一人娘を非常に可愛がっていましたが、地球が荒廃していくので、地球の住民を移動させられるか否か探るために、遠くワームホールを介してつながっている別の宇宙上の惑星を探るという使命を帯びて宇宙に旅立って行くのでした。

 しかも、父親が宇宙で死ぬかも知れないと心配した娘が、泣いて「行かないで」とせがむのを、地球住民のためだからと振り切って、宇宙に出発して行くのでした。

 宇宙飛行士の男は、ブラックホールのそばを通ったり、重力の強い惑星に滞在したため、宇宙で過ごした1時間は、地球時間の7年間にも相当するのでした。そのため、男が宇宙へ出てから2年程しか経っていないのに、娘はすでに40代に入っていて、その男と同じくらいの年齢になっていました。

 男は、宇宙での任務を終えて、無事地球に帰還することができました。男はまだ40代ですが、娘はすでに100歳位になっていて、ベッドの上で死を待っている状態でした。父親は、娘が死ぬ前に最後の再会を果たし、宇宙から過去の自分と娘に向けて秘かにSTAYという単語を送ったことを語りました。この場面がこの物語のクライマックスでしょうか。聴衆の涙を誘う場面でしょう。

 男が自分の家に送ったSTAYという単語は、「宇宙へは行かず、家に残れ」ということを意味するのでしょう。宇宙へ出て、目ざす惑星が期待はずれであったことや、思いがけず隊員の反逆に会って乱闘の末、九死に一生を得るという経験をしたり、娘が年とったことを知って失望した男は、「宇宙へ出ない方がよかった」という気持ちを込めたメッセージを過去の自分と10歳の娘に伝えたかったのでしょう。

男は、このメッセージを、暗号のような形で過去の自分に送っており、10歳の娘も見ているのですが、その当時は、まだ宇宙での経験がないため、何のことか意味不明で、二人とも幽霊の仕業か、ポルスターガイストか、と思っていたようです。

もし、過去に起こった出来事を未来から修正できるとしたら、明らかに矛盾が生じるはずであり、そもそも男が宇宙へ行くことをとりやめたかも知らず、この物語が成立しないでしょうから。

もし仮に、その当時の男がSTAYの意味を認識したとしても、自然現象は出来事の因果関係に矛盾が生じないように過去の出来事を優先するように働くでしょうから、修正は無効になり、男は、やはり宇宙へ出かけることになるでしょう。

それにしても、米国のお涙ちょうだいの映画となると、その核にはアインシュタインの相対性理論の効果がしっかりと組み込まれているのか、と彼我の違いを認識した次第です。

因みに、「インターステラー : interstellar」とは、「星間:星と星の間」を意味する言葉で、「娘を思う父親の気持ちは、遠く離れた惑星の間にも、その愛情を暗示するメッセージの形で伝わる」ことを示唆しているのでしょうか。