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現代でも瞑想は有効な処方か?

2024-04-14 09:55:21 | ブログ
 タイム誌に載っていたジャーナリストで脚本家の女性が10日間の合宿瞑想コースを体験し、3日間で諦めて帰ったという記事を読み、2500年前にインドで始まった瞑想実践が現代でも有効な処方なのか、考えることにした。

 この瞑想コースでは、財布とケイタイを預けた上、私語は禁止、メモをとることさえ禁止のルールを守らねばならなかった。また、コースの先生は、瞑想中にものを考えないように注意し、心に何かが浮かんだら雑念として振り払うようアドバイスした。女性は、食事中も他の参加者と雑談できない苦しさに耐えていたが、トイレの故障に遭遇したとき、急に好きな歌手の歌のメロディーが頭に浮かび、ついに堪忍袋の緒が切れたようだ。悪いことに、その歌の歌詞が「やめ時」を示唆するものであったのである。

 現代は、情報過多の時代であり、仕事中にスマホやメールを介して様々な情報が飛び込んできたり、それらに対して応答を返したりしていると、しばしば仕事が中断されることがある。雑音となるような情報の受け答えをできるだけ断ち切れば、より本来の仕事に集中でき、よりクリエイティブな仕事が可能になるのではないかと考える人は少なくないだろう。そのような人々にとって、瞑想体験コースは、検討に値するプログラムかも知れない。しかし、日常生活の中で数十分程度の瞑想ならば一時的な休息となり、意味があるが、10日間の合宿瞑想コースとなると、意味があるのかどうか疑問に思う人もいるだろう。

 仕事からリタイアした老人にとっては、外部からの情報の受け答えを制限したり断ち切ったりすることが可能であり、ボランティア、家庭内の仕事、趣味活動などに集中できるはずである。しかし、老化に伴う身体の不具合や病気のために、日常的活動が思うようにいかないことが少なくない。そのようなとき、今の活動に集中できないのは、頭脳活動の低下と考えて、頭脳活動の復活を目的とする別の活動を試みたらどうだろうか。たとえば、ウォーキングやストレッチなどの運動でもよく、料理やDIY、別の趣味活動でもよい。

 現代は、感覚や情緒だけで生きられる時代ではなく、変化の激しい世の中に適応するためには、常に前頭葉を刺激して、新しい脳細胞を増やす必要があると考える。2500年前はともかく、世の中の変化が比較的緩やかな一昔前なら頭に浮かぶ雑念を払って無の境地になる瞑想にそれなりの意味があったのかも知れない。しかし、時代は、受動的な瞑想よりも能動的な前頭葉の活動を勧めているように思える。個人が置かれている環境は、現役の仕事人であっても隠居老人でも、人それぞれであるから、各自の生き方にしたがって、前頭葉の縮小を防ぐ処方から前頭葉の活性化を促す処方までそのスペクトル帯域は広がることになるだろう。

 なお、前頭葉の縮小に抵抗するためには、よく言われているように、適度な運動と充分な睡眠が欠かせない。