タイム誌に、筆者が高校生であった頃、銃による父親の自殺という衝撃的な出来事に遭遇した人のエッセーが載っていたので興味をもって読んだ。
その父親は、脳腫瘍の手術を受けたが、外科医による手術の失敗のためか、外部の物が二重に見えるという視覚の異状と足の神経損傷による歩行障害という後遺症に苦しみ、前途に絶望して自殺したとみられる。彼は、銃の保持者であったが、謙虚な人のようで、筆者も父親が銃を保持していることを知らなかったという。
米国人のおよそ3分の1は銃の保持者であると言われる。銃を保持する表向きの理由は、護身用ということになっている。しかし、2023年の統計によると、銃が係わる死亡の58%は自殺なのである。この数字は、政治的な闘争や警官の暴力、犯罪に巻き込まれたことによる銃死亡数より多い。よく報道される学校や教会など公共施設の襲撃による銃死亡者は、数としては少ないのであろう。
銃の保持が護身用としてどの程度役立っているのか、統計がないため分からないが、役立っているとしても銃の濫用による自殺数の多さを考慮すると、社会全体としては、それは両刃の剣である。米国がかかえる病根の深刻さを物語っている。
その父親は、脳腫瘍の手術を受けたが、外科医による手術の失敗のためか、外部の物が二重に見えるという視覚の異状と足の神経損傷による歩行障害という後遺症に苦しみ、前途に絶望して自殺したとみられる。彼は、銃の保持者であったが、謙虚な人のようで、筆者も父親が銃を保持していることを知らなかったという。
米国人のおよそ3分の1は銃の保持者であると言われる。銃を保持する表向きの理由は、護身用ということになっている。しかし、2023年の統計によると、銃が係わる死亡の58%は自殺なのである。この数字は、政治的な闘争や警官の暴力、犯罪に巻き込まれたことによる銃死亡数より多い。よく報道される学校や教会など公共施設の襲撃による銃死亡者は、数としては少ないのであろう。
銃の保持が護身用としてどの程度役立っているのか、統計がないため分からないが、役立っているとしても銃の濫用による自殺数の多さを考慮すると、社会全体としては、それは両刃の剣である。米国がかかえる病根の深刻さを物語っている。