喜多院法興寺

住職のひとりごと

生涯現役の大女優淡島千景さんを悼む

2012-02-18 06:45:32 | Weblog
2月17日付 よみうり寸評
 {「たよりにしてまっせ、おばはん」と森繁久弥扮(ふん)する柳吉。「へえ、おおきに」と淡島千景の蝶子。映画〈夫婦(めおと)善哉(ぜんざい)〉の名ラストシーンだ。
◆柳吉は化粧品問屋のドラ息子、そのぐうたらを百も承知で支え続けるしっかりものの蝶子。二人の絶妙なかけあいが笑いとペーソスで味のある夫婦の腐れ縁を描く。バックは戦前の大阪。
◆織田作之助の原作、大阪情緒の文芸映画の代表作だ。淡島千景はこの演技で、1955年(昭和30年)のブルーリボン主演女優賞を受賞した。その蝶子、いや淡島千景さんが16日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。87歳◆〈男はつらいよ〉のおばちゃん、三崎千恵子さんを追悼したばかりなのに、昭和がまた遠くなった。寂しさも一層募る。
◆淡島さんは東京出身、宝塚を経て1950年に松竹入り。「てんやわんや」「自由学校」など軽妙な演技は戦後の抜けるような青空の思い出と重なる。
◆森繁とのコンビは喜劇「駅前シリーズ」へと続いた。宝塚出身の秀才とも評された。蝶子の旅立ちに合掌。おおきに。}

 女優の淡島千景さんが16日、 膵臓 がんのため、87歳で亡くなった。晩年まで現役を続けていただけに、ゆかりの人からはその死を悲しみ、惜しむ声が上がった。
 美人女優であり本当の映画スターとして映画界にされ、生涯現役でいつまでも若さを失うことなく活躍された昭和のスターがまた一人亡くなわれた。昭和生まれの私にとって寂しい限りである。