喜多院法興寺

住職のひとりごと

沖縄防衛局長、またもや週内にも更迭

2012-02-02 06:27:11 | Weblog
2月2日付 編集手帳 読売新聞
 {森鴎外は『青年』に書いている。〈夜の思想から見ると昼の思想から見るとで同一の事相が別様の面目を呈して来る〉と。「知恵」が昼の産物ならば、「策謀」は夜の産物だろう。
◆歴史上の人物では明智光秀が夜の思考を好んだと伝えられるが、夜は妄想に駆られやすい時間である。解決の糸口を見つける代わりに問題をかえってこじらせてしまう場合が少なくない。
◆これも夜の思考から生まれたか、何やら“はかりごと”の臭気が漂う。「普天間」を抱える沖縄県の 宜野湾 ( ぎのわん ) 市長選をめぐって、防衛省の沖縄防衛局長が宜野湾市内に住む同局職員と親族に関するリストを作り、投票を呼びかけていたという。選挙への干渉と疑われても仕方がない。
◆策を巡らすのがお役人の本能とはいえ、汚らわしい失言で更迭された前任の局長といい、この局長といい、沖縄県民を怒らせて普天間移転を困難にするべく職務に励んでいるように映る。
◆“はかりごと”の本能が暴走しないよう、政務三役が理性のブレーキを働かせてこそ本来の政治主導だろう。知謀の武将は名言を残していなかったか。敵は本能にあり…ちょっと違う。}


 沖縄県宜野湾市長選に絡み、防衛省の真部朗沖縄防衛局長が市内在住の職員らに投票を求める講話をした問題について、田中直紀防衛相は1日、真部氏を更迭する方向で調整に入った。この沖縄防衛局長は公職選挙法や自衛隊法に違反を承知で、職員と親族のリストを作り、選挙に干渉した。沖縄県民を怒らせて、普天間移転をより困難にしたに過ぎない。このようなことが以前から行われていたとしたら、非常に問題である。