蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

のんびり、まったり。

2008-09-30 21:50:45 | 舞台のこと

さて、見学のお話、今日の演目はF's Companyというところの「ツキコイシ」について。

の前に、佐世保だ佐世保。
いや、この演目を見学する前にヤマナビ杯大分対ときお@九石ドーム
(この会社の名前も今日限り、なんか寂しいな)
に行って、その分の高速バスフリーパスを消化するために、
ついでにまだまだ状態悪かったのが残っていたので熊本渡って、
そこから佐世保に流れ込んだことがあった。
そのときの滞在時間が「水曜どうでしょう」という番組のハウステンボス編とほぼ同じ
10分間、ちょうど雨降ってたし、外に出るのも結局めんどくさいなぁと。
というわけで佐世保を味わう暇もなく福岡行きの高速バスに乗った。

さて、今回はある程度余裕もあるし、佐世保を味わうよ。
・・・なんかがさがさしてるなぁ、おい。
  あの糞女がまた流行を存在だけで作ろうとしているよ。
  そんなことする暇があったら本当の「幸せ」つかむための
  「学び」をちゃんとしろよな、できなきゃお前には本当の「幸せ」は来ないぞ。
  とバスの中でうとうとしながらむかついて、それをなだめているともう佐世保。

おなかすいたからコンビニで食料探そうとするが東スポが
目に付いてそれどころじゃない、アルカスという箱の喫茶店で茶でも飲もうか
とてくてく歩いて、軽く佐賀でのサマーミーティングであった人と挨拶して
お茶するにもなんだかな、ということで商店街までまた歩く。
街の真ん中に歴史のあるキリスト教会があるよ。
なんともいえない風景だ、少し横道にそれると海が見えるのですが
今日は重たいんでそこまで歩けない、商店街で休みながらご飯食べられるところを
目指そう、と考えても佐世保バーガー、レタスやトマト入っているから苦手だし、
讃岐うどん、というおなかの状態でもない、というところに見えたのは
「献血ルーム」、そこならジュースとおせんべいで何とかなるし、
血小板とってもらいながら横になってゆっくりできる、間隔も充分。
・・・はい、今日も社会貢献完了。

満ち足りた気持ちでアルカスに行って並んで、初めて雑談して
箱の中に入る。
・・・うあ、演技面のつくりは結構コンパクトにできているというのに
  客席スペースはこじんまりとしていて、そのうしろの空間がたっぷりある。
  なんともはや、贅沢な作りだなぁと驚いてみる。
が、結局はこの空間のつくりが物語を体にしみこませるには最高だった。
お話の中身は寂れた田舎町の寂れたデパートの屋上、
イベント係、といううまくいかなかった人たちの集まり。
学習障害の子と、なんかもがいている元案内嬢、脚本家の夢破れた人、
代表作はあるけれど最近ぱっとしない俳優さん、それをまとめるゆったりした人。
そんなチームが創立記念のイベントをみんなで協力して作ろうとするけれど、
雨が降ったりしてうまくいかない。
学習障害の子は結局、デパートを首になっちゃった、ちゃんと治療して
障害者枠でちゃんと受け入れるところで働けるようになったらいいなぁ。
そんなこんなあっても何とか生きている、ということをうまく表現できている。

見せ方もそのままじゃ、妙に硬くなりすぎるので隠しテーマの「スーパー戦隊」を
利用して所々笑わせてほっとする見せ方ができている。
・・・デパートの屋上でそういうショーを見ているんじゃないのか、という錯覚を
  なんか、感じてしまったのです。
なるほど、だから不用意に広いスペースを「あえて」使っていたのだな、と。
このお話はこういうスペースでこそ生きるお話かもしれない。
普通のある程度まで段を作って、ちゃんとした椅子のあるホールでは
慎重にやらないとお話の本質が壊れる可能性があるぞと。
そこをチェックするために、7月の長崎公演分にも行くべきだったのですが。

プレイヤーも「ハウスショー」でちゃんとキャラクターの削りこみ、磨きこみが
うまくできているなぁ、というムーブやマイムの出来。
このカンパニーはだんだんすごくなってきてるなぁ、そんな見後感。