蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

日常生活の中に潜む「狂気」。

2008-09-29 16:38:01 | 舞台のこと

今日も見学のお話。

今回は二番目の庭というカンパニーによる「病気」という演目について。

の前にだな、時間が空いていて、仕事がのしかかってた分ひどく疲れていたから
バスのフリーパス使って長崎でゆっくりしました。
午前中の高速バスでごろごろして、路面電車をスマカ使える車両が来るまで
駅前の電停で待って、乗って、思案橋、丸山をぶらぶらして、こてんゆうという
ちゃんぽん屋を探しては見るが、見つからず、
近くにあったそこそこうまいちゃんぽん屋でちゃんぽんを食う。
こないだの四海楼に比べてとんこつがきついけど、まあ食べられるレベル。
しかしだな、店の空気がちょっとね、変なお香のにおいと本物のぷーある茶の
味に自分が負けました、ゆえに食べた気がしなかったです。
その後、さてお金おろすべ、と銀行行って、暗証番号忘れて、
途方にくれながらバスに乗り、途中で自分の銀行の支店を見つけて
暗証番号の解除を待つ間に番号思い出して、下ろして、一便早いバスで
小倉に向かい、北芸で用事を片付けて三萩野へ初めてバスで行く。

三萩野の交差点行けば、小倉の競輪場を行く道をずんずん行けば
まあ、何とかなるわけで、演目かかる箱もその途中にあった。
下が小さい酒屋の賃貸マンション、古かったのでエレベーターはなし。
えっちらえっちらと階段を上り、あるよ、というところの玄関までたどり着くと
芝居の音が漏れてる、うそ、時間間違えてたかと少しびっくりする。

ん、まあ三萩野うろうろして、ぼおっと考え事して定期便打って、
「もしかして日にち間違えてないよね」と心配になって、無事出来ていたことに
ほっとして、お金払って箱に「おじゃまします」をする。

・・・いや、まあ生活空間そのままじゃないですか。
無理に照明や音響を建て込むことなく、普通の生活空間にある
ちゃぶ台にリクライニングの座椅子、少し古めの洋服たんす。
冷蔵庫だって、流し台だって、ここで生活しているよ、という雰囲気。
で、テレビつけて普通のダラ感あふれる生活を一通り見せたあと
客入れが終わると普通の蛍光灯をぱちりぱちりと消してゆく。

この一連の導入で充分びびりました。
で、真っ暗な中でストーカー君がむちゃくちゃやって洋服たんすの中に隠れる。
そして日常生活が再開。
日常生活でやるように扉を開け、扇風機を回し、着替えて手を洗い、
コップを洗って冷蔵庫からお茶を入れ、飲みながらテレビを付け、一息つく。
そこから恐怖の始まり、別人格が現れてスーツケースにぶち込んだ
死体を風呂場でばらばらにして、(その肉を食べて)手首だけを冷凍庫にぶち込んで
だんだんと狂気に満ち満ちた表情になり、最初は平静を保とうとするが、
部屋をぐちゃぐちゃにして、食べては吐き、食べては吐きを繰り返す。
そう、これはまっとうな人間が間違いを犯して畜生になる瞬間じゃないのか。

で、またストーカー君が「悪魔祓い」という形で聖水巻き散らかして
お札ちぎって破いて火をつけるわ、畜生になった女の子の首を絞めて殺しちゃった。

女の子の関係は同性愛とか双子の姉妹とか見手によってどうとでも判断できる。
三角関係のもつれなのか、抜け駆けがあって殺してしまったのか、ということも
見手によってどうとでも判断できる。
12人しかいない濃厚な空間だからこそ出来る体験だった。