蹴球放浪記

緩まない、緩ませない。
横着しない、横着を許さない。
慌てない、「だ」を込める。

ん、まあ、何とか落ち着いた。

2008-09-08 22:58:42 | 舞台のこと

というわけで、先週の見学のお話。

今度新しくできたUNIT RE16Xというカンパニーによる
「Quatttro~私の世界にはいつも彼がいます」という演目。
・・・今までの福岡のカンパニーにはない新しい作風だった。
どっか東京のカンパニーの作風にえらく近いところがあるな。
お話の中身だって、ラジオの売れっ子パーソナリティが事故で死んじゃって、
忘れかけてた約束を果たすために肉体借りてなんだかんだする、という
難しくいえば「輪廻転生」、「功徳は隠れて積むものだ」をおしゃれな設定、
おしゃれな台詞回しで何とか表現できてる。

問題は、その世界観、言葉の広がりを各プレイヤーがものにできるくらいの
力量があまりにも足りなさ過ぎだった、ということ。
キャラクターの理解、言葉に対する理解、背景を流れているものに対する理解、
みんなよくなかったので、結果「根性芝居」になって見にくかった。

次は土曜日、九大の演劇部による「スラップスティックス」という演目。
古きよき時代のトーキー映画にまつわる壮絶すぎるほどの
「プロ根性」全開のお話。
「身を捨てて浮かぶ瀬もある」をはるかに超えた「身を削って浮かぶ瀬もある」と
いうぶっ飛び具合が足りなかった。
これもまた技量がたりねぇなぁと。
あとなぁ、開演後、最初の山場でぞろぞろと徒党を組んで入ってきた
某大学の演劇部、それ意図的行為かな?
ついでに自分の列にいた関係者の親族らしき人、ピコピコデジカメ使いすぎ。
思わず「蛍さんはどこよ」と客席を探すから、しんどかった。

せっかくお金とって人様の前で何かできるわけだから、
少しでも技量を上げる手段として、個人的に北芸やらオフィスが主催する
トレーニングキャンプをうまく利用してくれたらいいな。
特に今度の11月に北芸である絹川先生のトレーニングと、来年あたりに
北芸であるかもしれない陰山先生のトレーニングはぜひ受けたほうがいい。
プレイヤーに大事な「体の遣い方、活かし方が」充分に詰まっている。
金と暇なら何とかなるから、大丈夫。


あれはひとつの「企業」だよ。

2008-09-08 14:49:14 | Hiroya's Note

土曜日、九大の演劇部の公演のただ券もらったんで、顔を出してみる。
時間に余裕を持たせてえりこねえさんに挨拶できれば、という感じで
西鉄ホールに顔を出してキャラメルボックス(通称キャラ箱)のスタッフワークを
じっと観察する。

・・・いや、まあ、すごいわ。
あらゆることに一分の隙「が」ないというか「すら」ない。
限りあるテーブルの使い方、いすの使い方、物販の充実さ、
ついでにレジ回り、あらゆることでこの規模のカンパニーを超えている。
人の動き方もきびきびしてるし、「曲目リスト」だってある。

おまけに「お金集め」のシステムもきちんとしてる。

ということはプレイヤーは「商品」たる自分の技能の向上だけ考えればいい。
チケット販売がどうの、とか、いろいろな雑務はそれ専門の人が準備して、
メディア対応とか、表に出るところは表に出て、という「分業」がしっかりできている。

ある種の「理想」といえば理想だな、これは。
福岡でこういうことできるか、といえば、でき難いでしょう。
まず、「自主制作能力がある」メディア、という「プラスα」の要素がない。
あと、「伝える範囲」がまだあいまい。
「東限」と「西限」、「北限」と「南限」の場所をきっちりして、
幅広くそこからの人材を受け入れて広がりを持たせるようにしないと。
最終的には福岡の各カンパニーが協力してそういう企業を作って
勝負できたら面白いのですが。