宇宙そのものであるモナド

生命または精神ともよびうるモナドは宇宙そのものである

浮世博史『もう一つ上の日本史』百田氏の誤り:(67)①「世界に類を見ない」外食産業の繁栄と言うが無根拠だ!(68)②日本の農民は《農奴》にあたる!③農民は土地の「所有者」でなく「耕作者」だった!

2020-11-22 13:36:57 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、古代~近世篇」(2020年)「江戸時代」の章(213-327頁)

(67)百田氏の誤り①:「世界に類を見ない」外食産業の繁栄と百田氏は言うが、《世界の様々の国、様々の都市・町等についての様々の史料》を示していない!無根拠だ!《いい加減》だ!(245-249頁)
V  百田尚樹『日本国紀』は、「江戸文化で特筆すべきことの一つは、世界に類を見ない外食産業の繁栄である。」(百田195頁)と述べる。
《感想1》「世界に類を見ない」などとなぜ簡単に言えるのか?《世界の様々の国、様々の都市・町等についての様々の史料》を示していないのに「世界に類を見ない」と平気で言う。《無責任》だ。
V-2 また百田氏は「嵐の中を船で紀州から江戸までみかんを運んで大儲けした紀伊国屋文左衛門」(百田189頁)と述べるが、彼が運んで大儲けしたのは、《みかん》でなく《材木》だ。(浮世248頁)

(68)百田氏の誤り:②日本の農民は《農奴》にあたる!③農民は土地の「所有者」でなく「耕作者」だった!(249-253頁)
W 百田氏の誤り②:百田氏は、「日本にはヨーロッパや中国で見られたような《農奴》は存在せず、また世界でも非常に珍しいことだが古くから農民が土地を《所有》していた。諸外国では土地は封建領主のものであった」(百田199頁)と述べる。
W-2 《農奴》とは、「賦役」(領主のために働くこと)と「貢納」(領主に生産物を納める)を課され、「移動の自由」がない者のことだ。(浮世250頁)
W-2-2 日本の農民は、「賦役」(Ex. 江戸時代の助郷役)と「貢納」(Ex. 江戸時代の年貢)を課され、「移動の自由」はない(Ex. 江戸時代は移動には手形が必要)。したがって日本の農民は《農奴》にあたる。(浮世250頁)
W-3  百田氏の誤り③:百田氏は「古くから農民が土地を《所有》していた」(上述、百田199頁)と述べるがこれは誤り。「農民が土地所有者となるのは明治維新後、1873年の『地租改正』からだ。」(浮世251頁)
W-3-2 そもそも百田氏自身が「太閤検地」について「特に課税対象者を、土地の所有者ではなく、耕作者にした点は出色だ」(百田152頁)とほめている。つまり農民は土地の「耕作者」だった。(農民は土地の「所有者」でない!)

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