「おわりに」(384-398頁)
A ヒルビリーの親は、その子のクリスマス・プレゼントの購入資金欲しさに、犯罪に手を染めることがある。彼らは、「親の愛情はクリスマスツリーの下に置かれるプレゼントで評価される」と思っている。彼らは、「こどもひとりにつき200-300ドルの出費を覚悟すべきだ」といった強迫観念に取りつかれている。
A-2 だが裕福な人たちの家では、そうした強迫観念はない。Ex. ウシャ(著者の妻)はよくクリスマスに本を貰っていたそうだ。
B 人々は「富める者と貧しき者」、「教育を受けた者と受けていない者」、「上流階層と労働者階層」というように大きく2つのグループに分かれる。
C 「社会政策は役に立つかもしれないが、私たち(ヒルビリー)が抱える問題を、政府が解決してくれるわけではない。」
C-2 「それを解決できるのは、自分たち以外にない。」
「解説」(渡辺由佳里):トランプは白人労働者層に「悪いのは君たちではない。イスラム教徒、移民、黒人、不正なシステムを作ったプロの政治家やメディアが悪い」と言う!(406-415頁)
D 白人労働者層は、プロ政治家を「胡散臭く」思っている。彼らは、自分たちを「煙に巻こうとしている」だけだと思う。ニューヨーク生まれの富豪トランプは、「繁栄に取り残された白人労働者の不満と怒り」、そして「政治家への不信感」の大きさをかぎつけた。
D-2 「悲観的なヒルビリー」らは、「高等教育を得たエリート」たちに「敵意と懐疑心」を持っている。
D-3 ヒルビリーにとっては、リベラルの民主党は「ディバーシティ(多様性)」という言葉で「黒人や移民」だけを優遇している。そして知識人は、自分たちを「白いゴミ」として馬鹿にする鼻持ちならない気取り屋だ。
D-4 トランプは白人労働者層に「悪いのは君たちではない。イスラム教徒、移民、黒人、不正なシステムを作ったプロの政治家やメディアが悪い」と言う。
D-5 「トランプの支持者は暴力的」と言われるが、それは外部の人間に対する攻撃性であって、支持者同士は仲間であり「とてもフレンドリー」だ。
D-6 ヴァンス(著者)が生まれ育った「アメリカ中西部」だけでなく、「古い産業が廃れ、失業率が高くなり、ヘロイン中毒が蔓延するアメリカの田舎町」ではみな「トランプ現象」が起きている。
「解説」(渡辺由佳里)(続):「職を与えられても努力しない白人労働者」がいる!
E ヴァンス(著者)は「職さえあれば、ほかの状況も向上する、仕事がないのが悪い」というヒルビリーたちの言い訳に批判的だ。「社会や政府の責任にする」ムーブメントに批判的だ。
E-2 「職を与えられても努力しない白人労働者」がいる。「遅刻と欠勤を繰り返し、解雇されたら、会社に怒鳴り込む」同僚がいる。「政府の援助を受けずには自立できないのに、それを与える者たち牙をむく隣人たち」もいる。そして「ドラッグのためのカネを得るためなら、家族や隣人から盗み、平気で利用する人たち」がいる。
E-3 困難に直面した時のヒルビリーの典型的な対応は、「怒る、大声で怒鳴る、他人のせいにする、困難から逃避する」というものだ。
E-4 「将来に希望を抱くことができない。」それが人のエネルギーを殺す。周囲の大人が「努力しても無駄」と思い込んでいる時、「子どもが、希望を抱けるはずはないし、努力の仕方を学ぶこともできない。」
E-5 ヴァンス(著者)は言う。「オバマやブッシュや企業を非難することをやめ、事態を改善するために自分たちに何ができるのか、自問自答することからすべてが始まる。」
F その後、「白人労働者が情熱的に応援したトランプ大統領」は「オバマケア」(医療保険改革制度)を廃止し、多くの国民(その大部分は低所得のヒリビリーたち)が健康保険を失った。
A ヒルビリーの親は、その子のクリスマス・プレゼントの購入資金欲しさに、犯罪に手を染めることがある。彼らは、「親の愛情はクリスマスツリーの下に置かれるプレゼントで評価される」と思っている。彼らは、「こどもひとりにつき200-300ドルの出費を覚悟すべきだ」といった強迫観念に取りつかれている。
A-2 だが裕福な人たちの家では、そうした強迫観念はない。Ex. ウシャ(著者の妻)はよくクリスマスに本を貰っていたそうだ。
B 人々は「富める者と貧しき者」、「教育を受けた者と受けていない者」、「上流階層と労働者階層」というように大きく2つのグループに分かれる。
C 「社会政策は役に立つかもしれないが、私たち(ヒルビリー)が抱える問題を、政府が解決してくれるわけではない。」
C-2 「それを解決できるのは、自分たち以外にない。」
「解説」(渡辺由佳里):トランプは白人労働者層に「悪いのは君たちではない。イスラム教徒、移民、黒人、不正なシステムを作ったプロの政治家やメディアが悪い」と言う!(406-415頁)
D 白人労働者層は、プロ政治家を「胡散臭く」思っている。彼らは、自分たちを「煙に巻こうとしている」だけだと思う。ニューヨーク生まれの富豪トランプは、「繁栄に取り残された白人労働者の不満と怒り」、そして「政治家への不信感」の大きさをかぎつけた。
D-2 「悲観的なヒルビリー」らは、「高等教育を得たエリート」たちに「敵意と懐疑心」を持っている。
D-3 ヒルビリーにとっては、リベラルの民主党は「ディバーシティ(多様性)」という言葉で「黒人や移民」だけを優遇している。そして知識人は、自分たちを「白いゴミ」として馬鹿にする鼻持ちならない気取り屋だ。
D-4 トランプは白人労働者層に「悪いのは君たちではない。イスラム教徒、移民、黒人、不正なシステムを作ったプロの政治家やメディアが悪い」と言う。
D-5 「トランプの支持者は暴力的」と言われるが、それは外部の人間に対する攻撃性であって、支持者同士は仲間であり「とてもフレンドリー」だ。
D-6 ヴァンス(著者)が生まれ育った「アメリカ中西部」だけでなく、「古い産業が廃れ、失業率が高くなり、ヘロイン中毒が蔓延するアメリカの田舎町」ではみな「トランプ現象」が起きている。
「解説」(渡辺由佳里)(続):「職を与えられても努力しない白人労働者」がいる!
E ヴァンス(著者)は「職さえあれば、ほかの状況も向上する、仕事がないのが悪い」というヒルビリーたちの言い訳に批判的だ。「社会や政府の責任にする」ムーブメントに批判的だ。
E-2 「職を与えられても努力しない白人労働者」がいる。「遅刻と欠勤を繰り返し、解雇されたら、会社に怒鳴り込む」同僚がいる。「政府の援助を受けずには自立できないのに、それを与える者たち牙をむく隣人たち」もいる。そして「ドラッグのためのカネを得るためなら、家族や隣人から盗み、平気で利用する人たち」がいる。
E-3 困難に直面した時のヒルビリーの典型的な対応は、「怒る、大声で怒鳴る、他人のせいにする、困難から逃避する」というものだ。
E-4 「将来に希望を抱くことができない。」それが人のエネルギーを殺す。周囲の大人が「努力しても無駄」と思い込んでいる時、「子どもが、希望を抱けるはずはないし、努力の仕方を学ぶこともできない。」
E-5 ヴァンス(著者)は言う。「オバマやブッシュや企業を非難することをやめ、事態を改善するために自分たちに何ができるのか、自問自答することからすべてが始まる。」
F その後、「白人労働者が情熱的に応援したトランプ大統領」は「オバマケア」(医療保険改革制度)を廃止し、多くの国民(その大部分は低所得のヒリビリーたち)が健康保険を失った。