プロローグ
月面で、ゴーダを目指す兵士コリエル。赤い服の相棒(チャーリー)が死ぬ。
1&4 メタダイン社のトライマグニスコープ:ハント博士とグレイ部長が開発
A ロンドンのメタダイン社(IDCCの子会社)、L. ハント博士。物質・反物質の粒子の消滅の研究。IDCC社社長、フェリックス・ボーラン。
B 米国のIDCCポートランド本社で、トライマグニスコープ1号機のプロジェクト。ニュートリノ・ビームで固体の内部観察が可能。メタダイン社のロブ・グレイ部長。ハントとグレイのコンビがトライマグニスコープを開発。
C ハント(理論研究部主任)の上司は取締役のフランシス・スコット卿のみ。ハント博士は核内部構造理論の権威。グレイは技術屋。
2 報告書2906:月で発見された約5万年前の合金!
D 宇宙科学省工学資料調査部、女流科学者ヴァレリヤ・ペトロホフ。報告書2906:耐腐食性があるニオウビウムとジルコニウムの合金。月で発見された約5万年前の合金!
3 巨大な均一な地球社会:国連宇宙軍(UNSA)の創設
E 科学技術の進歩で全世界的な豊饒と出生率の低下で、イデオロギーや民族主義の問題は霧消。巨大な均一な地球社会形成。世界の軍備全廃へ。今、国連宇宙軍(UNSA)による国連太陽系探査計画(UNSSEP)あり。
5 5万年以上前に死んだ異星人(?)チャーリー
F 米国、ヒューストン。国連宇宙軍(UNSA)航行通信局(ナヴコム)本部長コールドウェル。秘書リン・ガーラント。
G 月面での不可解な発見。洞窟から死体。深紅の宇宙服。身元不明のチャーリー。死因不明。どこから来たか不明。チャーリーは、地球以外の異星人かもしれない。チャーリーは5万年以上前に死んでいる。
6 チャーリーは異星人か?しかしその身体は全く、人間(地球人)と同一!
A チャーリーは地球以外の異星人か?それなら、なぜ人間と同じ姿なのか?
B 物体の内部を透視する装置、トライマグニスコープでチャーリーを調べる。チャーリーの身体は人間と全く同じ。つまりチャーリーは地球人である。
C チャーリーの宇宙服のヘルメットはガンマ線を遮り、受信装置があり、ヴィデオを組み込む。バックパックは、原子力パワーがソース。
D チャーリーは、いくらか眼が大きい。したがって明るい太陽でなかった。また鼻腔が長いので、寒冷な気候だった。5万年前の地球は、洪積世で氷河期の最期。
E チャーリーは地球人なのか?
E-2 なぜチャーリーは月面で見つかり、地球上にチャーリーの同時代人の遺骨がなく、また、なぜ進歩した科学技術の遺跡も残っていないのか?
7 チャーリーの手帳の分析
A ハント博士が、トライマグニスコープで、チャーリー手帳の内部を、ブラウン管に写す。デジタル化してコンピューターで解析。チャーリーの身体は、人間とほぼ同じ。ルナリアン(チャーリー)は、12進法。ルナリアン語(チャーリーの言語)は、37文字のアルファベット。
B 数字の並んだ列表がある。秘書リン・ガーラントが、カレンダーだと言う。
8 ルナリアン(チャーリー)は、地球人か異星人か?
A チャーリーは、今の人間と変わらない。
B ルナリアンは、火星で進化したのではないかとの議論も出る。
C チャーリーの手帳のおびただしい図表が、意味不明。
D 進化生物学者ダンチェッカー教授は、ルナリアンは地球人だと言う。
D-2 別の世界(異星)で地球人と同じ進化の過程を経ることはない。
E しかし、ルナリアンは異星人で、神が一役買って、同一に進化したのかもしれない。
E-2 別の世界で、理想的な形態に向かって進化の系列が、収斂したのかもしれない。
E-3 ハント博士は、「チャーリーの時代の文明の遺跡が地球にないから、ルナリアンは他の惑星で進化した。異星人だ!」と主張。
F ハント博士の分析結果:ルナリアン(チャーリー)の手帳の数字の表はカレンダー。その惑星の1年は1700日。またその惑星には「月」がある。
9 ハント博士:ナヴコムの『グループL(ルナリアン)』の総指揮官
A チャーリーの惑星は、地球とほぼ同じ表面重力。
B 月で、ルナリアンの14体の遺骸を発見!
C ルナリアン語がほぼ解読される。
D チャーリーの手帳の数字の表は、一種の早見表。
E 手帳の地図は、地球のものではない。
F 国連宇宙軍(UNSA)航行通信局(ナヴコム)本部長コールドウェルが、ハント博士に、「IDCCから、ナヴコムに来てほしい」と依頼。
F-2 ハントは、チャーリーについての各分野の成果を統合する役目。スペシャル・アサインメント・グループ『グループL(ルナリアン)』の総指揮官ハント。
10 チャーリーには2℃から9℃の外気が最適&地球外の魚の発見
A グループLは、数学班、地図班、エレクトロニクス班、言語班、生物学班などからなる。
A-2 チャーリーは恒温、2℃から9℃の外気が最適:生物学班(ダンチェッカー教授)。
B 5年前に発達した科学文明があったとナヴコム(グループL)が発表。「キリストはルナリアン」、「ルナリアンがピラミッドを作った」などの報道。しかし人のうわさも75日。
C 月面下200フィート(約60m)にルナリアンの基地廃墟発見。8体のルナリアンの遺骸。
C-2 食料として、「地球外の魚」が発見される。
11 月の裏側:隕石シャワーに覆われ、裏側のクレーターは約5万年前で新しい
A 月の裏側は、表側と異なる歴史を持つ:月半球不整合問題。
A-2 月の裏側は、表面が新しい。旧月面(700フィート下)の上に新月面がある。隕石シャワーで覆われたのかもしれない。
A-3 裏側のクレーターは、表側のクレーターより数十億年新しく、5万年前にできた。表側のクレーターにも、いくつかは裏側のクレーターと同じ年代のものがある。
A-4 月の裏側が、隕石シャワーで覆われたとして、地球になぜ、その隕石が何もないのか?
B 5万年前、ルナリアンと呼ばれる異星人が、月面へ来たが、月の隕石シャワーでおそらく絶滅しただろう。
B-2 母星(他の惑星)のルナリアンたちは、どうなったか?他の大規模な異変のために、彼らも絶滅したのか?
C 隕石シャワーの年代(約5万年前)の月面表側のクレーターは、隕石集中落下によりできた第1類と、超融合爆弾によりできた第2類がある。
D “月面クレーター不整合”に関する報告書(2028年)
(1)月面裏側の隕石大量落下以前に、旧月面には、広範囲の超融合爆弾の被爆がある。
(2)ルナリアン生存期間中に、月の裏側で戦争があったと思われる。
(3)おそらく宇宙戦争によって、ルナリアンは滅亡した。
(4)チャーリーは、月面派遣隊の一員で裏側に居住。隕石集中落下で、その痕跡は抹消。
12 ルナリアン文明の母惑星について(国連宇宙軍司令部発表):NYタイムス
A 太陽系内に存在した地球型惑星=ミネルヴァ。火星と木星の間の小惑星帯にあった。
B 5万年前、月面で大規模な核戦争。おそらくミネルヴァも核戦争で、5万年前、破壊された。
C ルナリアン人種の起源の問題。地球人と別個の進化の系列だったとは思えない。しかし地球で進化したのではない。ルナリアン文明の痕跡が地球には全くない。
D 異星魚類あり。
E 進化生物学のダンチェッカー教授は、ミネルヴァに5万年以上前、地球人植民者が移住したと考える。
13 巨大な異星人ガニメアン:木星の衛星ガニメデの廃墟宇宙船から発見!
A 国連宇宙軍木星派遣隊:衛星ガニメデの調査。
A-2 ガニメデの氷の底に横倒しになった巨大な廃墟宇宙船を発見。そこに巨大な異星人ガニメアンの骸骨があった。
14 ルナリアンのチャーリーは5万年前&異星人ガニメアンは2500万年前
B ガニメアンは巨人。ルナリアンと地球人はほぼ同一。ルナリアンがミネルヴァン(ミネルヴァ人)かどうかはまだ、不明。
C チャーリーはミネルヴァ生まれとわかる。チャーリーの“軍の支給帳”が解読される。
C-2 しかしチャーリーが属すルナリアンがミネルヴァで進化したかどうかは不明。ルナリアンは地球で進化し、その後、地球からミネルヴァに移住したのかもしれない。
D チャーリーの“軍の支給帳”の記録によれば、ミネルヴァは、当時、滅亡に瀕していた。氷河期で、氷が全表面を覆う可能性。移住先を探す。しかしルナリアンは、惑星間移動の科学技術がない。
E ルナリアンには、地球から移住する技術がない。つまりルナリアンは、ミネルヴァで進化した。
(※ただし後述のように、ルナリアンは、ガニメアンによって、地球から2500万年前に、ミネルヴァに運ばれてきた。ルナリアンは、2500万年から5万年前までミネルヴァで進化した。)
F 滅亡に瀕していたミネルヴァで、各国家間の対立。惑星間移住のための技術開発競争&自衛のための軍備拡大。戦争が続き、2超大国、セリオス(チャーリーの国)とランビアに分かれる。
F-2 両超大国間の核戦争、そして消滅。チャーリーは月面派遣隊員で、敵方と月面で戦争となる。これが5万年前の出来事。
G ところがガニメアンの宇宙船は、2500万年前のものと、年代測定でわかる。
15 ミネルヴァで進化したガニメアン:2500万年前、ガニメアンがミネルヴァに、ルナリアンの祖先を地球から運んだ
A ガニメアンは、①額に赤外線検知器官があり、夜行性。②甲羅のような板状の骨。③かつて3対の運動器官をもっていた(手足&足)。
B ガニメアンと、ルナリアンが食料としていたミネルヴァ産の魚は、同一の進化の系統にある。つまり、ガニメアンはミネルヴァで進化した。しかしガニメアンは2500万年前。ルナリアンは5万年前。
C ガニメアンの2500万年前の宇宙船は、なんと2500万年前の地球のあらゆる動植物の
種を積んでいた。
C-2 そこには2500万年前の類人猿の祖先、つまり人類の祖先もいた。それが進化して5万年前のルナリアンとなった。
16 チャーリーの日誌:地球の月からミネルヴァが肉眼で見える等の矛盾問題
A 5万年前、惑星ミネルヴァのセリオス国とランビア国は核戦争状態。
A-2 ミネルヴァのセリオス国(チャーリーの国)が全軍動員令。チャーリーは月(ルナ)に派遣される。2日で月(ルナ)に到着。
A-3 しかしミネルヴァから、地球の月(ルナ)まで、わずか2日で到着するとは、全くおかしい!(ハント)
B チャーリーが月に到着したときセリオス国基地・軍を、ランヴィア国が核攻撃。チャーリーのセリオス国が月面の超大型破壊兵器アニヒレーターで、ミネルヴァを攻撃。
B-2 しかし地球の月(ルナ)とミネルヴァ間で、相互に核攻撃などできるのか?
B-3 現に、月(ルナ)からミネルヴァへの通信は、往復4分しかかからない。セリオス国アニヒレーターの月面からの攻撃が、ミネルヴァ上のランヴィア国の基地を壊滅させたとの報告。地球の月からミネルヴァへの通信は、本来、往復26分かかるはず。
C さらにチャーリーの日誌によると、月(ルナ)から彼は、ミネルヴァが火に覆われ赤茶色の塊になるのを見る。
C-2 しかし地球の月からミネルヴァが、肉眼で見えるわけがない。
17 地球の月とミネルヴァの矛盾問題に関する4説:A、B、C、D
A説 ミネルヴァとは地球で、ルナリアンは地球人だとの説:地球純粋説。
A-2 反論:①5万年前の核戦争の痕跡も、ルナリアン文明の痕跡も地球にない。②チャーリーはミネルヴァ=地球と太陽の距離は、2億5千万マイル(小惑星帯と太陽の距離)だと記録。③チャーリーのミネルヴァの世界地図は、地球と全く違う。
B説 ガニメアン(2500万年前)によるノアの箱舟説(ダンチェッカー教授):ルナリアンはガニメアンによって地球から運ばれ、ミネルヴァで進化した。
B-2 (1)2日で月(ルナ)に到着、(2)月(ルナ)とミネルヴァの通信が往復4分、この2点は、時間尺度の解釈に問題があるはず。(3)チャーリーは月面からミネルヴァを、肉眼でなくテレビ画像で見たはず。(4) 超大型破壊兵器アニヒレーターは、照準は地球の月(ルナ)から定めるが、兵器本体はミネルヴァの近くにある。
C説 植民地隔絶論:遠い昔、地球人が惑星ミネルヴァを植民地にした。その後、文明が衰退し、連絡が途絶。ミネルヴァが氷河期となり、ミネルヴァからの先遣隊が移住先を探し、地球に到達する。
しかしミネルヴァから来たルナリアンは地球人に移住を拒否される。月面からルナリアンがアニヒレーターで、対地球人攻撃。
C-2 チャーリーの日誌にある攻撃対象のミネルヴァの地名は、実は地球上の地名である。というのは、植民地が母国の地名を引き継ぎ、同じ地名が、たくさんあるから。
C-3 (1)遠い昔から続いた地球人文明の痕跡、(2)ルナリアンとの戦争による5万年前の地球人文明破滅の痕跡は、4万年前の地球の大洪水で消失。
D説 流浪民帰還(※飛来?)説:地球上にルナリアンの痕跡がないのは、ルナリアンがミネルヴァで進化したため。ミネルヴァの氷河時代に、ルナリアン流浪民となる。ランビア人が先に地球に達し居留地を建設。次にセリオス人(チャーリーたち)が月面に進出。セリオス人とランビア人の核戦争があったが、痕跡は5万年の間に消えた。ランビア人とセリオス人は共倒れした。
18 ハント博士とダンチェッカー教授が木星の衛星ガニメデへ行くこととなる!
19 UNSA(国連宇宙軍)の宇宙船ジュピターⅤに月面から乗り込む!
A 5万年前のチャーリーの月の南北は、現在の月の南北と異なる。
B チャーリーとその相棒コリエルが歩いた道を、ハント博士たちが歩いてみる。
B-2 「地球がおかしな位置に見える」と、ハント博士が思う。
20 ミネルヴァ固有の陸棲生物は、残らず、忽然と消え失せた!
A ハント博士とダンチェッカー教授の第5次木星派遣隊宇宙船ジュピターⅤ内での議論:
ガニメアン(2500万年前)によるノアの箱舟説(ダンチェッカー教授)をハント博士が支持する。ガニメアンが地球から2500万年前、地球生物をミネルヴァに運び、そこからルナリアン(5万年前)が進化した。地球にルナリアンの遺跡がないのは当然。
B ミネルヴァで進化したガニメアン文明が、2500万年前、ミネルヴァで最初に栄えた。
C 5万年前に栄えたルナリアンは、当然にも、2500万年前のガニメアン文明を研究。
C-2 ルナリアン語には“古来巨人時代の”という決まり文句がある。卓越した知能を持った巨人の時代の伝説。
D ミネルヴァには二種の生物グループがある。①ミネルヴァ原産の生物。②2500万年前までしか遡れない生物。新しい系列の生物。
D-2 ミネルヴァの陸棲動物、テレストイドはすべて、新しい系列に属す。5万年前、チャーリーの時代、ミネルヴァ原産の生物は陸上に残っていない。海にはミネルヴァ原産の生物がいる。
D-3 ミネルヴァ固有の陸棲生物は、残らず、忽然と消え失せた。
21 2500万年前、大気中のCO2濃度が急激に高まり、ミネルヴァ原産陸棲生物消滅
A ミネルヴァ原産陸棲生物の突然の消滅の原因は何か?①物理的災害ではない。物理的災害なら、新しい系列のテレストイドも消滅するはずだから。②微生物による伝染病でもない。伝染病ですべての種が絶滅はしない。ガニメアンの高度の科学技術なら伝染病を防げるはず。③細菌兵器なら絶滅はありうるが留保。残る原因は、④ミネルヴァの大気の化学組成の変化。ミネルヴァ原産陸棲生物は適応できず。新系列の陸棲生物、テレストイドのみ適応。
21-2 CO2の温室効果で、ミネルヴァの気温は高く、ルナリアン生息可能
B 新系列の陸棲生物テレストイドであるルナリアンは、ミネルヴァで、どうして生存できたのか?
B-2 ルナリアンの起源の純粋地球論派は、ミネルヴァの気温は低く、ルナリアンは生きていけないはずと主張。
B-3 ルナリアンの起源をミネルヴァに求める派は、CO2の温室効果で、ミネルヴァの気温は高く、ルナリアン生息可能とする。
21-3 ガニメアンは、異星生物の地球植物を運んでCO2のバランスを、回復しようとしたが失敗し、滅亡したか、ミネルヴァを捨てどこかへ去った
C ミネルヴァ原産の魚から、ミネルヴァ原産生物のコンピューター・モデルを作る。CO2の濃度増大で死んでしまう。
D 岩石内ガスの放散、またはガニメアンのなんらかの活動により、2500万年前、大気中のCO2濃度が急激に高まり、ミネルヴァ原産陸棲生物消滅の危機。
D-2 ガニメアンは、異星生物の地球植物を運んでCO2のバランスを、回復しようとした。動物はエコロジー均衡の維持のため、運ばれた。
D-3 しかし地球植物によるCO2のバランス回復は失敗。ミネルヴァ起源のガニメアンは、CO2で滅亡したか、新天地を求めてどこかへ去った。
21-4 地球から運ばれたルナリアンは2500万年前からミネルヴァでCO2に適応し、進化した。5万年前には、ルナリアンは高度な科学技術文明を築き上げた。
22 4次元の無限軌道のガニメアン宇宙船&2500万年前の類人猿シリル
A ミネルヴァ起源のガニメアンが作った2500万年前の宇宙船は、星間飛行が可能。空間をゆがめ、つまり重力を変動させ、宇宙船は穴に落ち込むことで前進。四次元の無限軌道。時空の泡のなかに宇宙船は閉じこもり、通常空間を突き進む。新しい「場の理論」が必要。
A-2 ガニメアン宇宙船の原理は、光子宇宙船の原理の100年先を行く。
B ガニメアンの宇宙船から、ルナリアンの2500万年前の祖先、類人猿シリルが、発見される。シリル(2500万年前)から、ミネルヴァではルナリアン(5万年前)が進化し、地球では、ネアンデルタール人(5万年前)が進化。
23 ルナリアンの起源に関する一仮説:ナヴコム司令部ハント博士の報告
A チャーリー(ルナリアン)は、2500万年前の(人間の)祖先、類人猿シリルから進化した点で、人間であって、ミネルヴァ起源の平行進化の産物でない。
B 2500万年前以来、ルナリアンはミネルヴァで進化した(ただし5万年前に戦争で自滅し、惑星ミネルヴァも破壊された)から、地球上にルナリアンの足跡はない。
C チャーリーの惑星はミネルヴァであって、地球と地形も含め何の対応もない。
23-2 残された疑問:「惑星ミネルヴァ」と「地球の月」との距離の問題
D 5万年前、チャーリーは、惑星ミネルヴァから地球の月に、なぜたった2日で、到達できたか?
E どうして地球の月から、ミネルヴァを攻撃できるのか?あるいは、ミネルヴァから、地球の月を攻撃できるのか?
F 地球の月から惑星ミネルヴァへの通信は、本来、往復26分かかるはずなのに、なぜチャーリーの記録では、往復4分なのか?
G チャーリーは、なぜ地球の月から、遠い惑星ミネルヴァの表面を、見れたのか?
H これらの答えは、5万年前、ミネルヴァの周りをまわっていた月が、実は現在の地球の月になったと考えれば、解決する。二つの月は同一である。
23-3 母惑星ミネルヴァの破壊
I ミネルヴァは、砕け散って小惑星帯となった。相当部分が、太陽系の外縁部に投げ出され冥王星となった。
J 重力の激変で、ミネルヴァの月が、太陽系の中心に向って落下。衛星のなかった地球にミネルヴァの月が取り込まれる。5万年前。
23-4 月の裏側の隕石シャワー問題&“月面クレーター不整合”問題
K 月の裏側の全面を覆う隕石層は、5万年前、破滅したミネルヴァの岩石の残骸。
L 裏側のクレーター&表側のクレーターで新しいのは、5万年前のミネルヴァでのルナリアン核戦争の核攻撃跡。
M 月面のルナリアン基地の廃墟は、月の裏側の隕石層の下にある。
N 現在の地球の月の裏側が、ミネルヴァの月の表側だった。現在、母星地球が見える方向と、かつて母星ミネルヴァが見えた方向が異なる。
O 月は、太陽系でも、地球とは別の場所で誕生したと月理学者の説が、昔からある。
P ルナリアンは、5万年前、母星ミネルヴァから、その月までは行けたが、惑星間航法までは知らない。
Q ルナリアンは月面上で死に絶えた。
24 プロジェクト・チャーリーの終了&ガニメアン・プロジェクトへ
A UNSAのプロジェクト・チャーリーは一段落。今や、ガニメアン・プロジェクトへ移行。
A-2 人口ブラックホール発生兵器が、惑星間戦争の最終兵器。相手の惑星を飲み込む。ガニメアンの宇宙船の推力の原理の応用。Ex. ブラックホール爆弾!
24-2 ルナリアンがあまりに人間そのものでありすぎる:ダンチェッカー教授
A (人間の)祖先、類人猿シリルは、2500万年前からミネルヴァで進化し、5万年前、ルナリアン(チャーリー)となった。地球の人間は、同じ類人猿シリルから、地球上で2500万年前から進化した。
A-2 約2500万年間、ミネルヴァと地球で別に進化したのに、ルナリアンと人間が、なぜこんなに同じか?このような長期の隔離があれば、もっと分化する。
A-3 ルナリアンと人間に分化がないのは、両者が同じ場所で進化したことを意味する。
B 戦闘が終わった後、ルナリアンの生存者がいた可能性がある。彼らは、残った宇宙船で地球に飛来。氷河時代の1万年に、彼らは技術・知識をことごとく失った。
C 類人猿シリルから、地球上で2500万年前から5万年前まで進化したのはネアンデルタール人。彼らは、突然現れた新しい人類ホモサピエンス(=ルナリアン)によって、滅ぼされる。
D 現在の地球人類は、ルナリアンの子孫である。
D-2 2500万年前、ガニメアンによって、(人間の)祖先、類人猿シリルが、地球から惑星ミネルヴァへ、運ばれた。
D-3 類人猿シリルは約2500万年間、ミネルヴァで進化し、5万年前、ルナリアン文明を形成し滅亡。そのルナリアンの生き残りが地球に飛来し、現在の地球人類となった。
エピローグ
E スーダン北部で発掘調査が行われていた。5万年前のネアンデルタール人の時代。そこから、超小型ディスプレイ装置を思わせる窓を持つ金属のリスト・ユニットが、出土した。それは、ゴミだとして捨てられた。
E-2 そこには見慣れない文字、つまりルナリアンの文字で、コリエルと書いてあった。5万年前、地球上のルナリアンの存在証明。(出土品のルナリアンの文字は、ロシア文字と間違われ、ゴミとされた。)
月面で、ゴーダを目指す兵士コリエル。赤い服の相棒(チャーリー)が死ぬ。
1&4 メタダイン社のトライマグニスコープ:ハント博士とグレイ部長が開発
A ロンドンのメタダイン社(IDCCの子会社)、L. ハント博士。物質・反物質の粒子の消滅の研究。IDCC社社長、フェリックス・ボーラン。
B 米国のIDCCポートランド本社で、トライマグニスコープ1号機のプロジェクト。ニュートリノ・ビームで固体の内部観察が可能。メタダイン社のロブ・グレイ部長。ハントとグレイのコンビがトライマグニスコープを開発。
C ハント(理論研究部主任)の上司は取締役のフランシス・スコット卿のみ。ハント博士は核内部構造理論の権威。グレイは技術屋。
2 報告書2906:月で発見された約5万年前の合金!
D 宇宙科学省工学資料調査部、女流科学者ヴァレリヤ・ペトロホフ。報告書2906:耐腐食性があるニオウビウムとジルコニウムの合金。月で発見された約5万年前の合金!
3 巨大な均一な地球社会:国連宇宙軍(UNSA)の創設
E 科学技術の進歩で全世界的な豊饒と出生率の低下で、イデオロギーや民族主義の問題は霧消。巨大な均一な地球社会形成。世界の軍備全廃へ。今、国連宇宙軍(UNSA)による国連太陽系探査計画(UNSSEP)あり。
5 5万年以上前に死んだ異星人(?)チャーリー
F 米国、ヒューストン。国連宇宙軍(UNSA)航行通信局(ナヴコム)本部長コールドウェル。秘書リン・ガーラント。
G 月面での不可解な発見。洞窟から死体。深紅の宇宙服。身元不明のチャーリー。死因不明。どこから来たか不明。チャーリーは、地球以外の異星人かもしれない。チャーリーは5万年以上前に死んでいる。
6 チャーリーは異星人か?しかしその身体は全く、人間(地球人)と同一!
A チャーリーは地球以外の異星人か?それなら、なぜ人間と同じ姿なのか?
B 物体の内部を透視する装置、トライマグニスコープでチャーリーを調べる。チャーリーの身体は人間と全く同じ。つまりチャーリーは地球人である。
C チャーリーの宇宙服のヘルメットはガンマ線を遮り、受信装置があり、ヴィデオを組み込む。バックパックは、原子力パワーがソース。
D チャーリーは、いくらか眼が大きい。したがって明るい太陽でなかった。また鼻腔が長いので、寒冷な気候だった。5万年前の地球は、洪積世で氷河期の最期。
E チャーリーは地球人なのか?
E-2 なぜチャーリーは月面で見つかり、地球上にチャーリーの同時代人の遺骨がなく、また、なぜ進歩した科学技術の遺跡も残っていないのか?
7 チャーリーの手帳の分析
A ハント博士が、トライマグニスコープで、チャーリー手帳の内部を、ブラウン管に写す。デジタル化してコンピューターで解析。チャーリーの身体は、人間とほぼ同じ。ルナリアン(チャーリー)は、12進法。ルナリアン語(チャーリーの言語)は、37文字のアルファベット。
B 数字の並んだ列表がある。秘書リン・ガーラントが、カレンダーだと言う。
8 ルナリアン(チャーリー)は、地球人か異星人か?
A チャーリーは、今の人間と変わらない。
B ルナリアンは、火星で進化したのではないかとの議論も出る。
C チャーリーの手帳のおびただしい図表が、意味不明。
D 進化生物学者ダンチェッカー教授は、ルナリアンは地球人だと言う。
D-2 別の世界(異星)で地球人と同じ進化の過程を経ることはない。
E しかし、ルナリアンは異星人で、神が一役買って、同一に進化したのかもしれない。
E-2 別の世界で、理想的な形態に向かって進化の系列が、収斂したのかもしれない。
E-3 ハント博士は、「チャーリーの時代の文明の遺跡が地球にないから、ルナリアンは他の惑星で進化した。異星人だ!」と主張。
F ハント博士の分析結果:ルナリアン(チャーリー)の手帳の数字の表はカレンダー。その惑星の1年は1700日。またその惑星には「月」がある。
9 ハント博士:ナヴコムの『グループL(ルナリアン)』の総指揮官
A チャーリーの惑星は、地球とほぼ同じ表面重力。
B 月で、ルナリアンの14体の遺骸を発見!
C ルナリアン語がほぼ解読される。
D チャーリーの手帳の数字の表は、一種の早見表。
E 手帳の地図は、地球のものではない。
F 国連宇宙軍(UNSA)航行通信局(ナヴコム)本部長コールドウェルが、ハント博士に、「IDCCから、ナヴコムに来てほしい」と依頼。
F-2 ハントは、チャーリーについての各分野の成果を統合する役目。スペシャル・アサインメント・グループ『グループL(ルナリアン)』の総指揮官ハント。
10 チャーリーには2℃から9℃の外気が最適&地球外の魚の発見
A グループLは、数学班、地図班、エレクトロニクス班、言語班、生物学班などからなる。
A-2 チャーリーは恒温、2℃から9℃の外気が最適:生物学班(ダンチェッカー教授)。
B 5年前に発達した科学文明があったとナヴコム(グループL)が発表。「キリストはルナリアン」、「ルナリアンがピラミッドを作った」などの報道。しかし人のうわさも75日。
C 月面下200フィート(約60m)にルナリアンの基地廃墟発見。8体のルナリアンの遺骸。
C-2 食料として、「地球外の魚」が発見される。
11 月の裏側:隕石シャワーに覆われ、裏側のクレーターは約5万年前で新しい
A 月の裏側は、表側と異なる歴史を持つ:月半球不整合問題。
A-2 月の裏側は、表面が新しい。旧月面(700フィート下)の上に新月面がある。隕石シャワーで覆われたのかもしれない。
A-3 裏側のクレーターは、表側のクレーターより数十億年新しく、5万年前にできた。表側のクレーターにも、いくつかは裏側のクレーターと同じ年代のものがある。
A-4 月の裏側が、隕石シャワーで覆われたとして、地球になぜ、その隕石が何もないのか?
B 5万年前、ルナリアンと呼ばれる異星人が、月面へ来たが、月の隕石シャワーでおそらく絶滅しただろう。
B-2 母星(他の惑星)のルナリアンたちは、どうなったか?他の大規模な異変のために、彼らも絶滅したのか?
C 隕石シャワーの年代(約5万年前)の月面表側のクレーターは、隕石集中落下によりできた第1類と、超融合爆弾によりできた第2類がある。
D “月面クレーター不整合”に関する報告書(2028年)
(1)月面裏側の隕石大量落下以前に、旧月面には、広範囲の超融合爆弾の被爆がある。
(2)ルナリアン生存期間中に、月の裏側で戦争があったと思われる。
(3)おそらく宇宙戦争によって、ルナリアンは滅亡した。
(4)チャーリーは、月面派遣隊の一員で裏側に居住。隕石集中落下で、その痕跡は抹消。
12 ルナリアン文明の母惑星について(国連宇宙軍司令部発表):NYタイムス
A 太陽系内に存在した地球型惑星=ミネルヴァ。火星と木星の間の小惑星帯にあった。
B 5万年前、月面で大規模な核戦争。おそらくミネルヴァも核戦争で、5万年前、破壊された。
C ルナリアン人種の起源の問題。地球人と別個の進化の系列だったとは思えない。しかし地球で進化したのではない。ルナリアン文明の痕跡が地球には全くない。
D 異星魚類あり。
E 進化生物学のダンチェッカー教授は、ミネルヴァに5万年以上前、地球人植民者が移住したと考える。
13 巨大な異星人ガニメアン:木星の衛星ガニメデの廃墟宇宙船から発見!
A 国連宇宙軍木星派遣隊:衛星ガニメデの調査。
A-2 ガニメデの氷の底に横倒しになった巨大な廃墟宇宙船を発見。そこに巨大な異星人ガニメアンの骸骨があった。
14 ルナリアンのチャーリーは5万年前&異星人ガニメアンは2500万年前
B ガニメアンは巨人。ルナリアンと地球人はほぼ同一。ルナリアンがミネルヴァン(ミネルヴァ人)かどうかはまだ、不明。
C チャーリーはミネルヴァ生まれとわかる。チャーリーの“軍の支給帳”が解読される。
C-2 しかしチャーリーが属すルナリアンがミネルヴァで進化したかどうかは不明。ルナリアンは地球で進化し、その後、地球からミネルヴァに移住したのかもしれない。
D チャーリーの“軍の支給帳”の記録によれば、ミネルヴァは、当時、滅亡に瀕していた。氷河期で、氷が全表面を覆う可能性。移住先を探す。しかしルナリアンは、惑星間移動の科学技術がない。
E ルナリアンには、地球から移住する技術がない。つまりルナリアンは、ミネルヴァで進化した。
(※ただし後述のように、ルナリアンは、ガニメアンによって、地球から2500万年前に、ミネルヴァに運ばれてきた。ルナリアンは、2500万年から5万年前までミネルヴァで進化した。)
F 滅亡に瀕していたミネルヴァで、各国家間の対立。惑星間移住のための技術開発競争&自衛のための軍備拡大。戦争が続き、2超大国、セリオス(チャーリーの国)とランビアに分かれる。
F-2 両超大国間の核戦争、そして消滅。チャーリーは月面派遣隊員で、敵方と月面で戦争となる。これが5万年前の出来事。
G ところがガニメアンの宇宙船は、2500万年前のものと、年代測定でわかる。
15 ミネルヴァで進化したガニメアン:2500万年前、ガニメアンがミネルヴァに、ルナリアンの祖先を地球から運んだ
A ガニメアンは、①額に赤外線検知器官があり、夜行性。②甲羅のような板状の骨。③かつて3対の運動器官をもっていた(手足&足)。
B ガニメアンと、ルナリアンが食料としていたミネルヴァ産の魚は、同一の進化の系統にある。つまり、ガニメアンはミネルヴァで進化した。しかしガニメアンは2500万年前。ルナリアンは5万年前。
C ガニメアンの2500万年前の宇宙船は、なんと2500万年前の地球のあらゆる動植物の
種を積んでいた。
C-2 そこには2500万年前の類人猿の祖先、つまり人類の祖先もいた。それが進化して5万年前のルナリアンとなった。
16 チャーリーの日誌:地球の月からミネルヴァが肉眼で見える等の矛盾問題
A 5万年前、惑星ミネルヴァのセリオス国とランビア国は核戦争状態。
A-2 ミネルヴァのセリオス国(チャーリーの国)が全軍動員令。チャーリーは月(ルナ)に派遣される。2日で月(ルナ)に到着。
A-3 しかしミネルヴァから、地球の月(ルナ)まで、わずか2日で到着するとは、全くおかしい!(ハント)
B チャーリーが月に到着したときセリオス国基地・軍を、ランヴィア国が核攻撃。チャーリーのセリオス国が月面の超大型破壊兵器アニヒレーターで、ミネルヴァを攻撃。
B-2 しかし地球の月(ルナ)とミネルヴァ間で、相互に核攻撃などできるのか?
B-3 現に、月(ルナ)からミネルヴァへの通信は、往復4分しかかからない。セリオス国アニヒレーターの月面からの攻撃が、ミネルヴァ上のランヴィア国の基地を壊滅させたとの報告。地球の月からミネルヴァへの通信は、本来、往復26分かかるはず。
C さらにチャーリーの日誌によると、月(ルナ)から彼は、ミネルヴァが火に覆われ赤茶色の塊になるのを見る。
C-2 しかし地球の月からミネルヴァが、肉眼で見えるわけがない。
17 地球の月とミネルヴァの矛盾問題に関する4説:A、B、C、D
A説 ミネルヴァとは地球で、ルナリアンは地球人だとの説:地球純粋説。
A-2 反論:①5万年前の核戦争の痕跡も、ルナリアン文明の痕跡も地球にない。②チャーリーはミネルヴァ=地球と太陽の距離は、2億5千万マイル(小惑星帯と太陽の距離)だと記録。③チャーリーのミネルヴァの世界地図は、地球と全く違う。
B説 ガニメアン(2500万年前)によるノアの箱舟説(ダンチェッカー教授):ルナリアンはガニメアンによって地球から運ばれ、ミネルヴァで進化した。
B-2 (1)2日で月(ルナ)に到着、(2)月(ルナ)とミネルヴァの通信が往復4分、この2点は、時間尺度の解釈に問題があるはず。(3)チャーリーは月面からミネルヴァを、肉眼でなくテレビ画像で見たはず。(4) 超大型破壊兵器アニヒレーターは、照準は地球の月(ルナ)から定めるが、兵器本体はミネルヴァの近くにある。
C説 植民地隔絶論:遠い昔、地球人が惑星ミネルヴァを植民地にした。その後、文明が衰退し、連絡が途絶。ミネルヴァが氷河期となり、ミネルヴァからの先遣隊が移住先を探し、地球に到達する。
しかしミネルヴァから来たルナリアンは地球人に移住を拒否される。月面からルナリアンがアニヒレーターで、対地球人攻撃。
C-2 チャーリーの日誌にある攻撃対象のミネルヴァの地名は、実は地球上の地名である。というのは、植民地が母国の地名を引き継ぎ、同じ地名が、たくさんあるから。
C-3 (1)遠い昔から続いた地球人文明の痕跡、(2)ルナリアンとの戦争による5万年前の地球人文明破滅の痕跡は、4万年前の地球の大洪水で消失。
D説 流浪民帰還(※飛来?)説:地球上にルナリアンの痕跡がないのは、ルナリアンがミネルヴァで進化したため。ミネルヴァの氷河時代に、ルナリアン流浪民となる。ランビア人が先に地球に達し居留地を建設。次にセリオス人(チャーリーたち)が月面に進出。セリオス人とランビア人の核戦争があったが、痕跡は5万年の間に消えた。ランビア人とセリオス人は共倒れした。
18 ハント博士とダンチェッカー教授が木星の衛星ガニメデへ行くこととなる!
19 UNSA(国連宇宙軍)の宇宙船ジュピターⅤに月面から乗り込む!
A 5万年前のチャーリーの月の南北は、現在の月の南北と異なる。
B チャーリーとその相棒コリエルが歩いた道を、ハント博士たちが歩いてみる。
B-2 「地球がおかしな位置に見える」と、ハント博士が思う。
20 ミネルヴァ固有の陸棲生物は、残らず、忽然と消え失せた!
A ハント博士とダンチェッカー教授の第5次木星派遣隊宇宙船ジュピターⅤ内での議論:
ガニメアン(2500万年前)によるノアの箱舟説(ダンチェッカー教授)をハント博士が支持する。ガニメアンが地球から2500万年前、地球生物をミネルヴァに運び、そこからルナリアン(5万年前)が進化した。地球にルナリアンの遺跡がないのは当然。
B ミネルヴァで進化したガニメアン文明が、2500万年前、ミネルヴァで最初に栄えた。
C 5万年前に栄えたルナリアンは、当然にも、2500万年前のガニメアン文明を研究。
C-2 ルナリアン語には“古来巨人時代の”という決まり文句がある。卓越した知能を持った巨人の時代の伝説。
D ミネルヴァには二種の生物グループがある。①ミネルヴァ原産の生物。②2500万年前までしか遡れない生物。新しい系列の生物。
D-2 ミネルヴァの陸棲動物、テレストイドはすべて、新しい系列に属す。5万年前、チャーリーの時代、ミネルヴァ原産の生物は陸上に残っていない。海にはミネルヴァ原産の生物がいる。
D-3 ミネルヴァ固有の陸棲生物は、残らず、忽然と消え失せた。
21 2500万年前、大気中のCO2濃度が急激に高まり、ミネルヴァ原産陸棲生物消滅
A ミネルヴァ原産陸棲生物の突然の消滅の原因は何か?①物理的災害ではない。物理的災害なら、新しい系列のテレストイドも消滅するはずだから。②微生物による伝染病でもない。伝染病ですべての種が絶滅はしない。ガニメアンの高度の科学技術なら伝染病を防げるはず。③細菌兵器なら絶滅はありうるが留保。残る原因は、④ミネルヴァの大気の化学組成の変化。ミネルヴァ原産陸棲生物は適応できず。新系列の陸棲生物、テレストイドのみ適応。
21-2 CO2の温室効果で、ミネルヴァの気温は高く、ルナリアン生息可能
B 新系列の陸棲生物テレストイドであるルナリアンは、ミネルヴァで、どうして生存できたのか?
B-2 ルナリアンの起源の純粋地球論派は、ミネルヴァの気温は低く、ルナリアンは生きていけないはずと主張。
B-3 ルナリアンの起源をミネルヴァに求める派は、CO2の温室効果で、ミネルヴァの気温は高く、ルナリアン生息可能とする。
21-3 ガニメアンは、異星生物の地球植物を運んでCO2のバランスを、回復しようとしたが失敗し、滅亡したか、ミネルヴァを捨てどこかへ去った
C ミネルヴァ原産の魚から、ミネルヴァ原産生物のコンピューター・モデルを作る。CO2の濃度増大で死んでしまう。
D 岩石内ガスの放散、またはガニメアンのなんらかの活動により、2500万年前、大気中のCO2濃度が急激に高まり、ミネルヴァ原産陸棲生物消滅の危機。
D-2 ガニメアンは、異星生物の地球植物を運んでCO2のバランスを、回復しようとした。動物はエコロジー均衡の維持のため、運ばれた。
D-3 しかし地球植物によるCO2のバランス回復は失敗。ミネルヴァ起源のガニメアンは、CO2で滅亡したか、新天地を求めてどこかへ去った。
21-4 地球から運ばれたルナリアンは2500万年前からミネルヴァでCO2に適応し、進化した。5万年前には、ルナリアンは高度な科学技術文明を築き上げた。
22 4次元の無限軌道のガニメアン宇宙船&2500万年前の類人猿シリル
A ミネルヴァ起源のガニメアンが作った2500万年前の宇宙船は、星間飛行が可能。空間をゆがめ、つまり重力を変動させ、宇宙船は穴に落ち込むことで前進。四次元の無限軌道。時空の泡のなかに宇宙船は閉じこもり、通常空間を突き進む。新しい「場の理論」が必要。
A-2 ガニメアン宇宙船の原理は、光子宇宙船の原理の100年先を行く。
B ガニメアンの宇宙船から、ルナリアンの2500万年前の祖先、類人猿シリルが、発見される。シリル(2500万年前)から、ミネルヴァではルナリアン(5万年前)が進化し、地球では、ネアンデルタール人(5万年前)が進化。
23 ルナリアンの起源に関する一仮説:ナヴコム司令部ハント博士の報告
A チャーリー(ルナリアン)は、2500万年前の(人間の)祖先、類人猿シリルから進化した点で、人間であって、ミネルヴァ起源の平行進化の産物でない。
B 2500万年前以来、ルナリアンはミネルヴァで進化した(ただし5万年前に戦争で自滅し、惑星ミネルヴァも破壊された)から、地球上にルナリアンの足跡はない。
C チャーリーの惑星はミネルヴァであって、地球と地形も含め何の対応もない。
23-2 残された疑問:「惑星ミネルヴァ」と「地球の月」との距離の問題
D 5万年前、チャーリーは、惑星ミネルヴァから地球の月に、なぜたった2日で、到達できたか?
E どうして地球の月から、ミネルヴァを攻撃できるのか?あるいは、ミネルヴァから、地球の月を攻撃できるのか?
F 地球の月から惑星ミネルヴァへの通信は、本来、往復26分かかるはずなのに、なぜチャーリーの記録では、往復4分なのか?
G チャーリーは、なぜ地球の月から、遠い惑星ミネルヴァの表面を、見れたのか?
H これらの答えは、5万年前、ミネルヴァの周りをまわっていた月が、実は現在の地球の月になったと考えれば、解決する。二つの月は同一である。
23-3 母惑星ミネルヴァの破壊
I ミネルヴァは、砕け散って小惑星帯となった。相当部分が、太陽系の外縁部に投げ出され冥王星となった。
J 重力の激変で、ミネルヴァの月が、太陽系の中心に向って落下。衛星のなかった地球にミネルヴァの月が取り込まれる。5万年前。
23-4 月の裏側の隕石シャワー問題&“月面クレーター不整合”問題
K 月の裏側の全面を覆う隕石層は、5万年前、破滅したミネルヴァの岩石の残骸。
L 裏側のクレーター&表側のクレーターで新しいのは、5万年前のミネルヴァでのルナリアン核戦争の核攻撃跡。
M 月面のルナリアン基地の廃墟は、月の裏側の隕石層の下にある。
N 現在の地球の月の裏側が、ミネルヴァの月の表側だった。現在、母星地球が見える方向と、かつて母星ミネルヴァが見えた方向が異なる。
O 月は、太陽系でも、地球とは別の場所で誕生したと月理学者の説が、昔からある。
P ルナリアンは、5万年前、母星ミネルヴァから、その月までは行けたが、惑星間航法までは知らない。
Q ルナリアンは月面上で死に絶えた。
24 プロジェクト・チャーリーの終了&ガニメアン・プロジェクトへ
A UNSAのプロジェクト・チャーリーは一段落。今や、ガニメアン・プロジェクトへ移行。
A-2 人口ブラックホール発生兵器が、惑星間戦争の最終兵器。相手の惑星を飲み込む。ガニメアンの宇宙船の推力の原理の応用。Ex. ブラックホール爆弾!
24-2 ルナリアンがあまりに人間そのものでありすぎる:ダンチェッカー教授
A (人間の)祖先、類人猿シリルは、2500万年前からミネルヴァで進化し、5万年前、ルナリアン(チャーリー)となった。地球の人間は、同じ類人猿シリルから、地球上で2500万年前から進化した。
A-2 約2500万年間、ミネルヴァと地球で別に進化したのに、ルナリアンと人間が、なぜこんなに同じか?このような長期の隔離があれば、もっと分化する。
A-3 ルナリアンと人間に分化がないのは、両者が同じ場所で進化したことを意味する。
B 戦闘が終わった後、ルナリアンの生存者がいた可能性がある。彼らは、残った宇宙船で地球に飛来。氷河時代の1万年に、彼らは技術・知識をことごとく失った。
C 類人猿シリルから、地球上で2500万年前から5万年前まで進化したのはネアンデルタール人。彼らは、突然現れた新しい人類ホモサピエンス(=ルナリアン)によって、滅ぼされる。
D 現在の地球人類は、ルナリアンの子孫である。
D-2 2500万年前、ガニメアンによって、(人間の)祖先、類人猿シリルが、地球から惑星ミネルヴァへ、運ばれた。
D-3 類人猿シリルは約2500万年間、ミネルヴァで進化し、5万年前、ルナリアン文明を形成し滅亡。そのルナリアンの生き残りが地球に飛来し、現在の地球人類となった。
エピローグ
E スーダン北部で発掘調査が行われていた。5万年前のネアンデルタール人の時代。そこから、超小型ディスプレイ装置を思わせる窓を持つ金属のリスト・ユニットが、出土した。それは、ゴミだとして捨てられた。
E-2 そこには見慣れない文字、つまりルナリアンの文字で、コリエルと書いてあった。5万年前、地球上のルナリアンの存在証明。(出土品のルナリアンの文字は、ロシア文字と間違われ、ゴミとされた。)