※「第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する」「第1編 現存在の準備的な基礎分析」「第5章 内存在そのもの」「【A】現の実存論的構成」「第30節 心境(情状性)の一つの様態としての怖れ」
(1)「怖れ」という現象《その1》:「怖ろしいもの」!(140頁)
A 「心境(情状性)」の一つの様態としての「怖れ」という現象は3つの観点から考察できる。(140頁)
B 「怖れ」という現象《その1》:「ひとがそれに臨んで怖れるもの(das Wovor der Furcht)」つまり「怖ろしいもの」!(140頁)あるいは「おびやかしてくるもの」(141頁)
B-2 「怖ろしいもの」には、(a)「用具的なもの」、(b)「客体的なもの」、(c)「共同現存在」とかのあり方で、世界の内部で出会う。(140頁)
B-3 「怖ろしいもの」には「あぶない」という性格がある。(140頁)
B-4 「あぶない」とはどういうことか?①趣向(適所)連関のうちにおける「有害性」。②特定の範囲が狙われる、つまりあぶなさは一定の「方面」からやってくる。③「安心できないもの」。④「接近」してくるもの、刻々近づいてくるものだ。⑤「おびやかす性格」を持つ。⑥同時に「素通りしていくあらわな可能性」がある。この可能性は怖れを減殺せず、かえって募らせる。(140-141頁)
(2)「怖れ」という現象《その2》:「怖れること自身」!(141頁)
C 「怖れ」という現象《その2》:「怖れること自身」(das Fürchten selbst)。
C-2 「接近するものを確認した上で怖れる」のではなく(※ぼんやりした何かに怖れる!)、「怖れがはじめからそれ(※怖れ)をその怖ろしさにおいて発見する」。(※わからないものに怖れる!)(141頁)
(3)「怖れ」という現象《その3》:「怖れが何を案じて怖れるか」!「怖れを抱く存在者自身、すなわち現存在のことが気にかかる」!(141頁)
D 「怖れ」という現象《その3》:「何を案じて怖れるか(das Worum der Furcht)というと、それは怖れを抱く存在者自身、すなわち現存在のことが気にかかるからだ」。(141頁)
D-2 「怖れは現存在を、主として欠如的な様態で開示する。」つまり「怖れは困惑させ、うろたえさせる。」「怖れは、危険にさらされた内存在を見えるようにすると同時に閉ざしてしまう。」「怖れが退いたあとで現存在がようやく『正気』をとりもどす」。(141頁)
(4)「怖れ」という現象:《まとめ》!
E 「怖れ」は、「《1》なにかに臨んで、なにかを《3》案じて、《2》怖れを抱くという構造をそなえている。」(141頁)
(5)「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合も、実は「やはり自分のことを気にかけて怖れを抱いている」!「心配」なのは「その相手との共同存在」である!
F 「ほかの人びと」にかかわる「怖れ」がある。(Ex. 「彼らのために心配する」。)「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合。彼ら自身は、怖れていないことが多い。Ex.「向こうみずに突進していく」。(141-2頁)
F-2 「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合も、実は「やはり自分のことを気にかけて怖れを抱いている」。「心配」なのは「その相手をなくすかも知れないというその相手との共同存在なのである」。(142頁)
(6)「怖れ」の様々な「変様」:①驚愕、②慄然たる恐怖、③たまげる恐怖、④おじけ、⑤憚り(ハバカリ)、⑥胸騒ぎ、⑨呆れ(アキレ)など!
G 「怖れ」には様々な「変様」がある。①「おびやかすもの」の突然の侵入である驚愕(Erschrecken)。②「おびやかすもの」が「まったく見も知らぬもの」の場合の「慄然たる恐怖(Grauen)」。③「慄然」とさせかつ遭遇的(意外性)な「たまげる恐怖(Entsetzen)」。(142頁)
G-2 そのほかの「怖れの転化」としては④おじけ、⑤憚り(ハバカリ)、⑥胸騒ぎ、⑨呆れ(アキレ)など。(142頁)
(1)「怖れ」という現象《その1》:「怖ろしいもの」!(140頁)
A 「心境(情状性)」の一つの様態としての「怖れ」という現象は3つの観点から考察できる。(140頁)
B 「怖れ」という現象《その1》:「ひとがそれに臨んで怖れるもの(das Wovor der Furcht)」つまり「怖ろしいもの」!(140頁)あるいは「おびやかしてくるもの」(141頁)
B-2 「怖ろしいもの」には、(a)「用具的なもの」、(b)「客体的なもの」、(c)「共同現存在」とかのあり方で、世界の内部で出会う。(140頁)
B-3 「怖ろしいもの」には「あぶない」という性格がある。(140頁)
B-4 「あぶない」とはどういうことか?①趣向(適所)連関のうちにおける「有害性」。②特定の範囲が狙われる、つまりあぶなさは一定の「方面」からやってくる。③「安心できないもの」。④「接近」してくるもの、刻々近づいてくるものだ。⑤「おびやかす性格」を持つ。⑥同時に「素通りしていくあらわな可能性」がある。この可能性は怖れを減殺せず、かえって募らせる。(140-141頁)
(2)「怖れ」という現象《その2》:「怖れること自身」!(141頁)
C 「怖れ」という現象《その2》:「怖れること自身」(das Fürchten selbst)。
C-2 「接近するものを確認した上で怖れる」のではなく(※ぼんやりした何かに怖れる!)、「怖れがはじめからそれ(※怖れ)をその怖ろしさにおいて発見する」。(※わからないものに怖れる!)(141頁)
(3)「怖れ」という現象《その3》:「怖れが何を案じて怖れるか」!「怖れを抱く存在者自身、すなわち現存在のことが気にかかる」!(141頁)
D 「怖れ」という現象《その3》:「何を案じて怖れるか(das Worum der Furcht)というと、それは怖れを抱く存在者自身、すなわち現存在のことが気にかかるからだ」。(141頁)
D-2 「怖れは現存在を、主として欠如的な様態で開示する。」つまり「怖れは困惑させ、うろたえさせる。」「怖れは、危険にさらされた内存在を見えるようにすると同時に閉ざしてしまう。」「怖れが退いたあとで現存在がようやく『正気』をとりもどす」。(141頁)
(4)「怖れ」という現象:《まとめ》!
E 「怖れ」は、「《1》なにかに臨んで、なにかを《3》案じて、《2》怖れを抱くという構造をそなえている。」(141頁)
(5)「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合も、実は「やはり自分のことを気にかけて怖れを抱いている」!「心配」なのは「その相手との共同存在」である!
F 「ほかの人びと」にかかわる「怖れ」がある。(Ex. 「彼らのために心配する」。)「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合。彼ら自身は、怖れていないことが多い。Ex.「向こうみずに突進していく」。(141-2頁)
F-2 「《・・・・・・・(※ほかの人びと)のために心配する》」場合も、実は「やはり自分のことを気にかけて怖れを抱いている」。「心配」なのは「その相手をなくすかも知れないというその相手との共同存在なのである」。(142頁)
(6)「怖れ」の様々な「変様」:①驚愕、②慄然たる恐怖、③たまげる恐怖、④おじけ、⑤憚り(ハバカリ)、⑥胸騒ぎ、⑨呆れ(アキレ)など!
G 「怖れ」には様々な「変様」がある。①「おびやかすもの」の突然の侵入である驚愕(Erschrecken)。②「おびやかすもの」が「まったく見も知らぬもの」の場合の「慄然たる恐怖(Grauen)」。③「慄然」とさせかつ遭遇的(意外性)な「たまげる恐怖(Entsetzen)」。(142頁)
G-2 そのほかの「怖れの転化」としては④おじけ、⑤憚り(ハバカリ)、⑥胸騒ぎ、⑨呆れ(アキレ)など。(142頁)