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浮世博史『もう一つ上の日本史』(55) 秀吉が病死しなければ「慶長の役」は、「明を窮地に追い込んだ可能性は高い」との百田氏の判断は根拠が特にない!

2020-11-13 18:30:23 | Weblog
※浮世博史(ウキヨヒロシ)「もう一つ上の日本史、『日本国紀』読書ノート、古代~近世篇」(2020年)「戦国時代」の章(176-212頁)

(55)亀甲船は「完全なフィクション」というより「誇張」だ!(200-202頁)
I 百田尚樹『日本国紀』は、「朝鮮軍が使ったとされる亀甲船に関しては、完全なフィクションである」(百田157頁)と述べるが、これは「完全なフィクション」でなく、「誇張」と言うべきだと浮世氏が言う。
I-2  日本軍は接舷して敵船に「斬り込み乗船」する白兵戦術で朝鮮軍を圧倒した。そこで朝鮮側は「斬り込み乗船」を阻止するための諸方策をとった。板などで船を囲い、格子・穴・隙間から槍をたくさん突き出し接舷させない工夫を朝鮮軍は行った。その「誇張」が亀甲船だ。

(55)-2 秀吉が病死しなければ「慶長の役」は、「明を窮地に追い込んだ可能性は高い」との百田氏の判断は根拠が特にない!(202-204頁)
J 「文禄の役」は緒戦に勝利するが、日本軍は持続できなかった。冬の寒さへの備えが不足し、また長い補給線を維持できなかった。
J-2 「慶長の役」も日本軍は緒戦で勝利した。ところが秀吉が病死して、日本軍は引き揚げた。ここで百田氏は「もしそのまま攻め込んでいたら、明を窮地に追い込んだ可能性は高い」(156頁)と言う。だがこれは根拠が特にない。「文禄の役」と同じことになった可能性が高いと浮世氏が言う。

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