県内からは智辯和歌山が出場する。去年の秋から高嶋監督が退任しプロ経験者の中谷監督が就任した。初めて甲子園の舞台に立った今春の選抜では8強入りした。就任して、ほぼ丸1年、夏の県予選の戦いぶりは、くじ運に恵まれたこともあって危なげのない戦いぶりだった。
投手陣も複数投手を育てていた。春の選抜では不安定な投球をしていた投手も見違えるようになっていた。二軍生活が大半だったにしろ、さすがプロで15年も在籍したキャッチャーだけに投手の育て方が違うと思った。
そんな智辯和歌山だが強豪揃いの甲子園ではどうなのか、注目するポイントがいくつかある。
これまでの智辯和歌山のイメージは、全国強豪校の中では投手陣は上中下の中で、打撃陣は上だった。新監督が育てた豊富な投手陣は県大会では好投したが、全国の強豪に通用するのかどうか。監督のプロ15年間で培ったノウハウを叩き込まれたバッテリーが、どこまで強豪校に通用するのかをみてみたい。
打撃陣では、2年生当時、甲子園で大活躍した主将・黒川選手がトップバッターとして今大会でも期待どおりのバッティングができるかどうか。お隣りの県からわざわざ和歌山に来てくれたんや。大阪桐蔭へ入学してたら甲子園へ行かれへんかったところや。そう思って頑張りーや。
6番の東妻捕手は安心してみていられる。3番の西川遊撃手は我が有田からの唯一の選手で1年生のときからレギュラーだけに守備は超一流。5番の根来外野手はバッティングフォームをみても打つのか打たんのかわからん意外性のある職人肌の選手とみた。4番を任された1年生の徳丸選手は好投手にかかればキリキリ舞いさせられるかもわからんけど、思い切って振ってこいと送り出したい。
気になるのは、優勝候補の一角と評されていること。だが、かつての横浜の松坂選手や駒大苫小牧のマー君のようなずば抜けた投手がいる訳ではない。打撃は水物でわからん。甲子園には奇跡をもたらしてくれる神様もいれば魔物もいる。
監督も選手も優勝を意識しすぎているようだと足元をすくわれる。甲子園で1戦毎に強く逞しくなっていくチームでないと優勝できへん。代表校は激戦を勝ち抜いてきた強豪ばかり。しかも伸び盛りの高校生だけに、前評判以上の実力を発揮してもおかしくない。
智辯和歌山さん、閉幕日までテレビ観戦させてくれー。