「俺、あいつのために、一所懸命なんだぜ」
宮城が言う。
「うん。見ていて分かるよ、それは」
三鷹が律儀に頷いてみせる。
「予備校の時間割だって、俺が組んでやったんだ」
「そうか、そうか」
「俺がこの世に生まれてきたのは、あいつを幸せにするためだと思うんだよ」
理想を追い続ける19歳の青年の言葉ではある。
キルケゴールを愛読する彼は、心根が優しく、純粋な男なのだ。
しかしそれにしても、三鷹を相手に言う言葉でもない。
三鷹も居心地が悪くなったらしく、
「あ、うん..」
相づちを打つのをやめてしまった。
開け放った窓からは、蛙の大合唱が聞こえてくる。
彼らのいる住宅街は、すぐ背後に水田をひかえていた。
のどかな、郊外にあるベッドタウンである。
再び、電話が鳴った。宮城が受話器を取り上げた。
宮城が言う。
「うん。見ていて分かるよ、それは」
三鷹が律儀に頷いてみせる。
「予備校の時間割だって、俺が組んでやったんだ」
「そうか、そうか」
「俺がこの世に生まれてきたのは、あいつを幸せにするためだと思うんだよ」
理想を追い続ける19歳の青年の言葉ではある。
キルケゴールを愛読する彼は、心根が優しく、純粋な男なのだ。
しかしそれにしても、三鷹を相手に言う言葉でもない。
三鷹も居心地が悪くなったらしく、
「あ、うん..」
相づちを打つのをやめてしまった。
開け放った窓からは、蛙の大合唱が聞こえてくる。
彼らのいる住宅街は、すぐ背後に水田をひかえていた。
のどかな、郊外にあるベッドタウンである。
再び、電話が鳴った。宮城が受話器を取り上げた。
でも振り返ってみれば、21才で結婚したから
あんまり人のことは言えないか・・
しかも失敗したし。。
ましてお話でありますからして・・(笑)
かくいうワタクシも、当時のことを想い出すと、そりゃあもう赤面ものです。くふふ。