くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

憧れはグラハム・カー 国分寺編

2006-02-07 10:56:48 | 連載もの 憧れはグラハム・カー

「この曲が好き」と、ユミは言った。
「波が打ち寄せてくるみたい」
 僕たちはシャーデーのLPを聴いていた。そいつは友人の家からかっぱらってきたもので、だいぶ歪んでいた。ターンテーブルの上で回っていると、レコード針が上がったり下がったりした。それに合わせて、シャーデーの音程も上下した。
 かっぱらった時から歪んでいたのである。そのためか、友人も「返せ」と文句を言ってこなかった。
「そろそろ、学校に行くかな」
「一緒に行くわ」
「授業終わるまで待っててくれるの?」
「パン教(一般教養)だったら、教室に潜り込んじゃう」
「わははは! あれ、絶対バレないんだよな」
「あとは喫茶店で待ってるね」

 こうして僕は、誰も彼もがそうするように、それをきちんとなぞらえるように、キャンパスライフを怠惰なものにしていったのである。
 86年頃の話しだ。


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7 コメント

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社会生活へのモラトリアムとして (yumeguri)
2006-02-07 14:55:56
どこか退廃的で、アンニュイな時が流れ
紫煙と安アルコールに身をまかせる
反社会とは決して異なる
場末の醸し出す趣こそ
斬新な思考を紡ぎだすに違いない

などと勝手なことを吼えていた・・・
ヴァーボン片手に尾崎を聞きながら
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yumeguriさん (ハヤト)
2006-02-07 15:38:55
モラトリアムと反社会とは、まったく違うものですよね。
どんな時期も、必ず必要なものだったのだろうなと思うようになりました。

あの頃はバーボンが高かったですな!
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ハヤトさん (yumeguri)
2006-02-07 18:34:06
専らアーリーしか飲めませんでした(^^ゞ
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バーボン、安くなりましたね~。 (papa)
2006-02-07 20:54:06
最近はフォアロゼ、昔と違って、少し美味しくなった。日曜日に酒屋にいったら、オールドクローが一番安かった。キャンプの時はちょっと奢ってターキーの8年物。
バーボンはストレートで飲めるから好きなんです。
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僕の場合、75年のことになります (恵一)
2006-02-08 12:12:44
もっぱらジンを飲んでましたね
そして悲しいかな、ヤロウばかりだった(笑)
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yumeguriさん (ハヤト)
2006-02-08 15:18:46
アーリーと、あとナンだっけ? 
ああ、ジム・ビームだ! あの二つは何とか買える値段でした。
一番好きだったのはフォアロゼのブラック。しかし当時の雑誌を見ると、なんと定価が6800円
であります。


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papaさん (ハヤト)
2006-02-08 15:23:33
へぇ~、フォアロゼ美味くなったのですか。ホワイトのほうですよね。

>バーボンはストレートで飲めるから好きなんです。
同感です。薄めると苦くなるんですよね( 'o')b


恵一さん
ジンとは硬派ですね。その当時は安かったのか知らん?
一緒に酒を飲んで楽しいのは、やはり気の置けないヤロウ同士ですよね。これは間違いない。
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