くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

伝え方

2004-06-24 12:48:37 | エッセイ
『No Blog,No Life!』“取り上げられてしまった写真機。”~にトラックバック。こうやって記事の一部にインスパイアされて違った話題を展開していくのもトラックバックの愉しさですね~♪
 ちょっと空梅雨気味ですが、今年もキチンと夏がやってきました。そして八月十五日がやってきます。
 僕は東京新聞が一番好きなのですが、読み始めたキッカケは不埒な理由でした。学生のときにどの新聞を購読するか考え、一番安いものにしたのですね。東京新聞は薄くて(全面広告などまず入らなかった)折り込みチラシなども殆どありませんでした。流通の原則から考えると、企業の広告が多いほど新聞本体の単価が安くなるはずですが、どうも違うようです。
 しかし肝心の記事が少ないわけではないのです。そしてこの新聞の基本姿勢は中道派。ここが僕には一番大事なところでした。大学の図書館で朝日と読売の違いを読んでおけば充分です(他の新聞の個性については割愛します)。
 そしてこの新聞の面白いのが『筆洗』。これは『天声人語』みたいなトップページの読み物です。特に僕が学生の頃に読んでいたものは面白かった。昭和の終わり頃です。
 毎年終戦記念日が近づくと、各誌ともこのコーナーで戦争をテーマにした話しを展開していきます。八月十二日あたりからは担当の作家の腕の見せどころです。どの新聞でも連日戦争の話しを書いているから、少しでも新鮮味のあるものを毎日もってこないといけない。浅く深く、軽く重く。これは大変な苦労だなあと思います。ブログで毎日記事を書いているみなさんもうんうんと頷くのではないでしょうか。
『筆洗』の作者(当時)は、これが実に巧かったのです。人間はどんなにいい話しでも毎日続くと飽きてしまうものです。そこをうまく揺さぶって、いろんな話題から戦争の話しに持っていくんですね。
 そして肝心の八月十五日、終戦記念日当日。各誌とも最後の最後、一番気合いを入れた記事を載せてきます。「これでどうだ!」ととどめを刺すのです。しかし『筆洗』はこの日、戦争の話しを書かないのです。「奥多摩は氷川という町に・・・」なんて全然違う話にしてしまう。温泉とか、ローカルな話題とか、爽やかな涼風に吹かれたような記事を持ってくる。これにすっかり僕はまいったわけです。
 今日soroさんの戦争体験の記事を読んで、そんなことを想い出しました。soroさんはいつも柔らかい口調(文章)で楽しい記事を配信してくれますが、あの悲惨な戦争の体験談も、soroさんの語り口だと響いてくるものが違ってくるようです。


最新の画像もっと見る

17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
>『筆洗』はこの日、戦争の話しを書かないので... (soro^^ ~)
2004-06-24 16:37:52
>は氷川という町に・・・」なんて全然違う話にしてしまう。
>温泉とか、ローカルな話題とか、爽やかな涼風に吹かれたよ
>うな記事を持ってくる。これにすっかり僕はまいったわけで
>す。
ハヤトさんが「すっかりまいった」ことが、なんとなくわかり
ます。

ところで、話は少し変わるのですが、「おでかけ」という
ブログ http://noriro.blogzine.jp/
のサブタイトルに「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活
を美しくして、それに執着することである。」という吉田健一
の言葉が、引用されています。soroは、この言葉にすっかり
まいっています。
返信する
>soroさん (ハヤト)
2004-06-24 16:53:44
うっわ~! 素晴らしい言葉です。
一寸お待ちを
今、紙に書いて机上のボードに貼りました♪
言葉ってすごいな~。これに惹かれたsoroさんのお気持ち、よ~く分かりますよう♪
返信する
私もsoroさんと同じくハヤトさんが「すっかりまい... (Micchan*)
2004-06-24 17:20:27
おなじく、soroさんが、
>「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それ>に執着することである。」という吉田健一の言葉が、引用されて>います。
soroさんは、この言葉にすっかりまいってしまってハヤトさんが
>今、紙に書いて机上のボードに貼りました♪
そのコメントを見た私は、仕事中にもかかわらずこの記事とコメントと、ブログに感動して、あこがれ~に追加してしまいました。
ぐるぐるコメントでした。
返信する
>Micchan (ハヤト)
2004-06-24 17:56:22
ほんとだ~、ぐるぐるコメント♪ 面白い!
Micchanまで共感してしまうなんて、この三人はきっと価値観が近いのだと思う。それにしても
>戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着することである
いい言葉だよね! 黄色い紙に書いて、目の前にぶら下がってますよ~♪ ぐるぐる仲間求む!
返信する
「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美し... (soro^^ ~)
2004-06-25 00:24:49
それに執着することである。」という吉田健一の言葉は、ピチカート・ファイブのCD(RMCA-1002)のタイトルにもなってます。
返信する
ピチカート・ファイブ好きです。 (Micchan*)
2004-06-25 01:29:52
あっ今思い出しました。
そんなCDのタイトルあたし見たことあります。
そのときはそんなに惹かれなかったのにふっしぎ~です。
返信する
ハヤトさん、話はまた変わりますが、今は昔、デン... (soro^^ ~)
2004-06-25 07:59:00
陸軍大将フリッツ・ホルムさんが起草し制定を促すべく各国へ配布した「戦争を絶滅させること受合ひの法律案」(「戦争絶滅受合法案」)をごぞんじですか?
http://www.h2.dion.ne.jp/~kasawo/nitijyou.html
返信する
これは長谷川如是閑が、1929年に紹介したもので、... (soro^^ ~)
2004-06-25 08:28:16
これは長谷川如是閑が、1929年に紹介したもので、「受合い」が旧仮名遣いの「受合ひ」となっているところも含めて、soroは気に入っているのですが、この法律案を採用させるには、「採用させること受合ひの法律案」もフリッツ・ホルム大将に「起草してもらわなければならぬ」と、長谷川如是閑は書き添えたそうです。(笑)
返信する
>soroさん (ハヤト)
2004-06-25 09:30:00
>ピチカート・ファイブのCD(RMCA-1002)のタイトルにもなってます。
そうでしたか。音楽家が平和をのぞむのは当然のことなのですよね。

>「戦争を絶滅させること受合ひの法律案」
知りませんでした。訳がいいですね。長谷川如是閑の書き添えも大変に味わい深い♪ おかげさまで勉強したいことが増えました~♪


>Micchan
言葉って不思議だよね。何度も聞いていたはずのことでも、キッカケがあると新鮮に感じる。でもそれを感じるには感受性が必要なのだよ~。Micchanは感受性が豊かだという証でっす♪
返信する
>soroさん (ハヤト)
2004-06-25 10:48:46
『戦争絶滅受合法案』実に面白かった! これじゃあ絶対戦争は起こせないでしょうね~。順番としてはこれを先に制定しておかないと効力が半減するから、やっぱり『採用させること受合ひの法律案』が必要ですね!
返信する

コメントを投稿