朝、六時半起床。
ポットをヒーターにかけてから、ステレオの電源を入れる。目覚める少し前から、ジャズが聴きたかった。昨日からの殺伐としていた気分をリセットしたかった。だからパット・マルティーノを大きめの音量で流す。朝からジャズを聴くのを朝ジャズと言うのだ。
バスルームに入って小用を足す。顔を洗い、歯を磨く。ポットの湯は沸騰している。歯ブラシをくわえたまま、コーヒーを作る。一応は気を遣いながら~いったん蒸らしてから、湯をそっと回し入れたりして~、出来るだけていねいに淹れる。忙しい朝だからといって、まずいコーヒーを作ることもない。
コーヒーが落ちるあいだに、グラスに水を一杯飲む。ついでにビタミン剤も摂取。僕の胃腸は単純なので、冷たい水を流し込んでやると、数分後には大きいほうの呼び声が高まった。
ふたたびバスルームへ。ささやかな開放感と充足感。たかがダップンなのだが。
気分は殆ど回復した。やはり音楽の力は偉大だ。ブラインドを巻き上げてみると、外は快晴である。音楽をロックに切り替えて、程良く冷めたコーヒーをすする。さて、あと十分で出勤だ。