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くらぶアミーゴblog

エッセイを綴るぞっ!

上方紀行 奈良、大阪へ その2

2007-10-08 13:36:11 | 連載もの 上方紀行 奈良、大阪へ

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古い格子戸にシャガール展のポスター
奈良の人は粋だ(奈良駅近くにて)

「奈良って、いいところだなあー」
 小路に迷い込んだとき、いきなり結論づけてしまった。
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 肩を並べるようにして建っている木造家屋は、それぞれに磨き上げられていて、路上にはチリ一つ落ちていない。
『書道教室』と看板が掛けられた古民家の前を、日傘を差した女性が歩いていく。
 低い軒並みと、路上には瓦屋根の影。
 しんとした昼下がり。強烈な太陽。

 その日。
 伊丹空港に降り立った我々は、スカイブルーのバスで奈良市街まで向かったのでありました。
「まずはホテルに荷物を預けて、それから柿の葉ずしで有名な『平宗』でお昼にしましょう」
「いいですな。本物の柿の葉ずしは、食べたことがない」


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 奈良駅前でバスを降り、「おおむね、こっち」と検討をつけて、ホテルの方角に向かって歩き出す。
 そうしたら、上記のような小路に入り込んでしまったのだ。
「これも旅の醍醐味...」と、雰囲気の良さそうな通りを選んで、進む。
 スーツケースの車輪ががらがらと鳴る音が、大きく響くほど、ひっそり閑としている。
「あっ、平宗があった」
「や、本当だ。先に昼を食べてしまうか」



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ピンぼけにて失敬 これが本物の柿の葉ずし

 格子戸を開けると、カウンターに入っていたご主人が、声を掛けてくる。
「テーブルでも、奥の座敷でも、どちらでもどうぞ。ま、カウンターでしたら、私らはお話が出来るんでいいんですけどね」
 否やはないのであります。ご主人の正面席へ、ようやく腰を落ち着ける。
 地元の人との触れあいこそ、旅の面白さ。ずっと心に残る想い出になるのであります。
 そこでは

 ビール中瓶×1 470円(たぶん)
 柿の葉ずし盛り合わせ×1 860円
 鮎ずし(吉野川で捕れた鮎)×1 870円
 赤だし×1 290円(たぶん)

 を発注。
 柿の葉ずしは、鯖と鮭。ほのかに甘さの感じられる寿司飯に、酢でしめたネタの脂、風味が移っている。
 食べる直前まで、重しを掛けて馴染ませている(馴れる)、その手間がすごい。
 たまらない美味さなんであります。
「むらさき(醤油)欲しかったら、おっしゃってくださいね」
 と言われていたのだが、 必要なかった。



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猿沢池と、五重塔

 この、ご主人と思っていた男性は、たまたま、別の店からヘルプに来ていたのだという。
 この人との話が、面白かった。
 押し寿司の話。旅先で食べるものの話。ファストフードと伝統食の話。
 ヘルパーご主人はおっしゃる。
「私は、どこかに行ったら、“それなり”の値段のするものしか食べません。美味しいもんを作ろうと思ったら、まずそれなりの材料がいるし、手間が掛かる。だから、料理が安いということは、そういうもんが抜けた分だけ安いということです」
 そんなお話を聞きつつ、話しつつ。
 鮎ずしも美味い。
 酢でしめた鮎を噛むと、口中にほのかな香草の香りが立ち昇る。
 香魚とも言われる鮎。その香りが味わえる、繊細な押し寿司なのであります。
「奈良って、いいところだなあー」
 ビールの軽い酔いを自覚しながら、我々はホテルへと向かったのでありました。


 つづくぅ
 その1へ

 


上方紀行 奈良、大阪へ その1

2007-10-05 14:03:49 | 連載もの 上方紀行 奈良、大阪へ

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寝ぼけたまま、リムジンバス乗り場へ駆けつける

 先月、9月のこと。
 月末の連休を利用して、ワタクシと細君は、3泊4日の旅に出たのであります。
 行き先は、古代史の舞台・奈良と、食い倒れの街・大阪。

「大化の改新って、奈良で行われたのだよね?」
「えー、そうだと思います」
「西暦、何年のことだろう?」
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「えー、記憶にございません」

 書物を調べてみると、646年とある。その前には、推古天皇の即位が592年とも、書いてある。
 今から1500年以上も昔のこと、なのだ。
 子供の頃は、歴史を習っても、感じ入ることはなかったと思うけれど...。
 オトナになってから歴史を知ると、ただ、感心することばかりなのであります。
 古都・奈良には、当時の仏像や建築が残っているとか。
「うっそー、ホントにぃ!?」
 一昔前の女子大生風に驚きつつ、我々は羽田発JAL111便に乗り込んだのであります。


 

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乗り遅れなくて良かった
機種はボーイング777



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出発地、東京羽田は曇天
離陸の瞬間ほど、心ときめくことはない



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富士山上空を通過っ
dii-chaiさん、見えましたぞ!



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淀川(たぶん)を超えて、いよいよ伊丹空港へ



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 つづく