カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

中国人の「生まれ変わり」観

2015年04月14日 13時06分58秒 | アジア

さまざまな中国人観が巷に溢れていますが、

中国人が自分自身をどう見るかにも興味があります。

ただし韓国人が自分自身をどう見るかは、あり得ないでしょうか。なにしろ鏡で自分自身をうつす習慣を知らないのですから(笑)。


■なぜ「来世には中国人として生まれたくない」のか

あるショッキングな調査結果が公表された。2006年9月4日、中国大学サイトの「網易」傘下の「網易文化」が「もしも来世があるとしたら、あなたはまた中国人になりたいか?」というアンケート調査をした、その結果70%の人が「来世には中国人になりたくない」と答えた。

そして20%の人が「現世でも中国人になりたくない」と答え、「来世も中国人になりたい」と答えた人は、わずか10%にすぎなかった。

「中国人になりたくない」理由は簡単だった。「尊厳なし、希望なし、公正なし」の「3なし」である。

その後がまた面白い。もともとこのネット上の調査は、ある期限を切って締め切る予定だったのが、この結果を見て、1カ月も前倒しして強制的に終了させてしまった。そして政府が内容をすべて削除し、強制終了した翌日に「網易」のニュース主筆と評論主筆が解雇されるという事態に至った。

香港の評論家鍾祖康は、このタイトル『来生不倣中国人(来生には中国人になりたくない)』で、その翌年に中国を批判する書を出版し、ベストセラーになった。
当然この本は中国大陸では禁書であるが、私は台湾の留学生から買ってもらったものを読んだ。中国の現実を批判した快著であった。

:P.202-203 金文学「進化できない中国人」祥伝社平成26年3月20日初版第1刷発行 


ここには、現代中国の深刻な矛盾が潜んでいます。中国共産党が中華人民共和国を建国したことを思い出せば・・・・

  • 中国共産党が中国国民の幸せを考えるはずがなく、あくまでも中国共産党の存続が前提となっている。中国共産党の意向に反すれば容赦なく弾圧・拘束・逮捕・粛正に至ります。こんな中国にうまれたくないというのも、うなづけます。
  • 中国共産党が中国国民の幸せを考えたならば、即座に中国共産党は不要となってしまい、暴力好きな中国人がのびのびとケンカをすることになり、必ず中国は内戦状態になり、いくつかの小国に分裂することは必定でしょう。自由が得られる代わりに、耐えられないほどの混乱が生じるような中国に生まれたくないというのにも一理あります。

どっちが中国人にとって幸せなのでしょうね。

自由を得た中国人は世界に羽ばたき始めるでしょうが、一つにまとめたままの飛躍はありえず、かならず、いくつかに分裂する覚悟が必要です。分割されたいくつかの国の状態が望ましいありようなのか。

それとも、今のままで、分裂を暴力的に押さえつけ、年間10万件もの暴動を繰り返しながら、人権など眼中にないまま、共産党員と非共産党員、都市部と農村部、金持ちと貧乏人、という身分差別をしっかりと温存し、まとまった大国のもとで「二度とこの国に生まれたくない」とボヤキ続けるのが幸せな状態なのか。

(来世があったとして)中国人に生まれたくない理由が 

  • 尊厳なし
  • 希望なし
  • 公正なし 

とされますが、

これは私たち日本人にも重要な視点を与えます。日本人がこの3つのどれにも該当するとも思えますが、日中ではそのレベルの違いが大きすぎる、と私は思います。 

この種の分析結果を掲載したサイトが、

すぐさま中国共産党によって閉鎖され責任者が解雇されたのは、中国としては当然ですが、おもしろいのはこれを書籍にして発売したところ、中国共産党によって発禁処分となり、台湾でベストセラーとなったことです。とにかく中国共産党政府の顔色を見ながら仕事をしなければ処罰・解雇・粛正がまっている中国のマスメディア・出版関係者は、きっとノイローゼに至ることでしょう。いかに言論の自由が大切かを教えています。