カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

2014台風08号遥かなる旅路

2014年07月11日 11時10分59秒 | 科学(気象)

2014/07/11 09時頃、台風08号が温帯低気圧になったとのこと。

フィリピン東方から北上して南西諸島へ接近した頃には930hPaまでに成長した台風08号。

今回の気象庁による予報進路は、正しく予報していたようで、まことにおめでたいこと。特に沖縄から北上したあと90度東へ方向転換して真っ直ぐ東へ進むという予報が正しい結果になったのは偉大な成果でした。

なぜか天気予報ではさっぱり当たらないのに、台風ではきっちり進路を予報できていました。

 

まずは、台風8号の全体の経路から。GoogleEarthに気象庁からのデータを書き加えたもので、私が描きました。

 


九州上陸以降の予報

 

日頃は、さっぱり天気予報が当たらないと指摘し続けていたので、台風の進路についてほぼ予報通りに進んだ事実を、指摘もれするわけにはまいりません。

 

たった5日間のはるかな旅でしたが、各地に被害をもたらしたこともまた、補足しておかねばなりません。 

 


 

 


 


安易な「王国」表現

2014年07月11日 09時41分42秒 | スポーツ

2014FIFA_WC(ブラジル)で開催国ブラジルが 

準々決勝まで進んだのですが、有力選手がけがで出場できなかったためか、独に大敗して3位決定戦に回ることとなりました。

地元ブラジル人としてはつらいでしょうが、勝負には運がつきものと考え、負けをわるく取らないようにしたいものです。 

 

ここで見られたブラジル人の反応としては 

「サッカー王国が準々決勝で負けてしまって恥ずかしいというのがありました。

しかし、負けたからと言って

暴動を起こしたり、商店で略奪したり、バスに放火するほうが、もっともっと恥ずかしい

 

更に言えば

ドイツに負けたために政権への不満が爆発したらしいのも困ったこと。巨大な費用をかけて準備をしたことに対し、格差がひどすぎるという不満が出ています。

この分だと2年後2016年のリオ五輪が気になってきます。2年後とはいえ、サッカーW杯と五輪という2大祭典を連続して開催することが果して可能なのか、と不安になってきました。こちらもいまさらながら、恥ずかしいことですね。

 

もうひとつ気になるのは 

マスメディアが「王国」というのを安易に使いたがること。

気にする人は余りいないかもしれませんが、すぐに「帝王」「巨人」「偉人」「長老」「王国」と言いたがる薄っぺらいマスメディアにうんざりする人も、いますよ(笑)。

これは、何も知らない人を相手にするときには有効な表現方法ですが、その世界の事情を知っていると「それはちょっと違うだろう」となります。しょせんはマスメディアの名付け記者の資質に問題あり、というところ。

これから 

~の帝王

~の巨人

~の偉人

~の長老

~の王国

などを目にしたときには、疑ってかかりたいものです。

 

 

 

 


 

 


現世利益

2014年07月11日 09時16分07秒 | 生き方

「現実の世での多幸」と「死後の多幸」をどう扱うか、その度合いの違いが、宗教・宗派によって大いに異なります。 

実存する多くの宗教は、現世よりも死後のしあわせを追求することが多いものですが、宗派によっては微妙に異なるようです。

多神教の日本やヒンドゥー教をもつインドでも、現世と死後との関連を説くことがありますが現世での徳も重要視されます。 

宗教というものは 

その教義や信仰心力だけで理解できるものではなく、形成している広いネットワークが重要な働きをするので、それらグローバル化したつながりを考えるならば、世界のどの宗教もやはり現世の利益に関連していないものはない、と考えられます。

ただ日本の社寺で見られる神仏へのささやかな「賄賂(わいろ)」、つまりみんなが個人的に「お賽銭(おさいせん)」を拠出することで、自分だけが神仏を独占して願い事を叶えてもらえると考える「癒着体質」は、ひょっとしたら珍しいことなのかも知れません。

私としては 

  • 現世利益を追求する宗教〔死後については触れない〕
  • 現世利益を追求しない宗教〔死後の世界のみを扱う〕

の両方が共に危うい、と見ております。 

今回は、現世の利益を大切にする宗教を取り上げてみます。 


それまでの京都の寺院は、東寺と西寺、相国寺などを別にすれば、人里を遠く離れた深山幽谷に建てられていた。平安の新仏教の寺院でも、比叡山延暦寺や高野山金剛峰寺、あるいは高尾の神護寺のように険しく深い山に建てられた。僧の修行が第一で、民衆を相手にするつもりがなかったからだ。

日蓮宗はそうではない。民衆を相手にするから、民衆が生活する市内に本山を建てた。

以前の仏教が金銭や商業を排斥したのに対し、現世の利益を追及することを積極的に肯定した。「いかにして浄土往生するか」ではなくて、「いかにして強く正しく生きるか」をテーマにした。

応仁の乱(1467~1477)の戦火で京都はすっかり焼け野原になり、戦後の復興の先頭に立ったのは貴族ではなくて新興の商人だった。町衆といわれる人々である。その町衆の信仰は天台宗や真言宗ではなくて、新鮮な雰囲気にあふれている日蓮宗だった。:高野澄「京都の謎」祥伝社黄金文庫


形式を重んじる階級

その多くは特権階級でしたが、この人たちの多くは、現世では恵まれた階級に属していたため、どちらかというと死後の世界でのしあわせを追求したようで、主にそういった人たちにすり寄って(つけ込んで)勢力を伸ばした宗派がありました。

一方、応仁の乱で廃墟と化した京都では

復旧の過程で商人農民など特権階級とは言えない庶民の多くが、現世では恵まれた階級に属していたとはいえなかったため、どちらかというと死後の幸せよりも現世での利益を追求したようで、主にそういった人たちにすり寄って(つけ込んで)勢力を伸ばした宗派がありました。

悪質な織田信長は、これに目をつけ、宗教を利用しました。

比叡山の焼き討ちで特権宗派を破壊したかと思えば、新興宗教をおおいに持ち上げて思い上がらせて鉄砲入手の目途が立つや、難癖をつけてその武力・財力を徹底的に奪っています。つまり信長は、室町幕府末期の混乱期に将軍を利用しただけではなく、武力・財力をもった新旧宗教勢力を骨抜きにしたのです。

信長が定宿にしていた本能寺〔法華寺〕の武力・財力も、信長による収奪のため相当落ちていたらしく、いわば「信長自身が牙を奪い取った本能寺を定宿とした」からこそ、側近だけのわずかな防御になってしまいました。

そして骨抜きにされた本能寺に信長が宿泊したときに、部下だった明智光秀軍によるクーデターで討たれました。信長が新興宗教を骨抜きにせず本能寺に武力・財力があればこうはならなかったはずでしょう。

ただしこの本能寺の変についえは、明智単独では無理だろうから、協力者がいたのではないか、と様々な人が説を唱えているようですが、いずれがアヤメかカキツバタ、決定論には至ってないらしい。

      • 室町幕府末期の種々勢力の離合集散
      • 混乱時恒例とも言える朝廷の暗躍
      • キリスト教布教という口実で日本侵略を試みた外国勢力
      • 各地大名の野合
      • 宗教関係者による陰謀

これらが本能寺の変の実行犯である明智光秀との協力があったのではないかとされている勢力ですが、今もなお楽しい推論が飛びかっているようです。

さて韓国のキリスト教ですが、こう主張する人がいます。


韓国キリスト教の現世利益主義

もちろん韓国のキリスト教でも、死んでからの救いということを言います。ただ、神の国、天国に入るということは、韓国人にはあまりピンとこないんですね。死んでから天国に入れる、救われるということには、それほど魅力を感じていません。

それよりも、いま救われたいという現世利益主義が強いといえます。儒教もまさしく現世利益を重視しますが、韓国のキリスト教でもだいたい、そうしたアレンジがほどこされています。

ですから、死んでから天国に行くということを強調するよりも、いま生きている間に、いかに幸せな暮らしができるかということに、より力を入れて布教した結果、今日のように、広く普及したというわけです。

:呉善花 「やっかいな隣人 韓国の正体」祥伝社黄金文庫 平成24年10月20日初版第1刷発行


韓国でキリスト教がかなり普及している(30~50%とも?)との説に驚く私ですが、やはり元のキリスト教が徐々に変質し、現世の利益を重んじるようになったからこそ韓国内で多数の信者を獲得できたようです。どうやら海外のキリスト教派と韓国の統一教会には何の関係もないらしい。

つまり日本の社寺と同様に、現世利益を前面に出しているようなので、妙に安心してしまいました。もちろん韓国人が現世よりも死後を大切にしているとはとうてい思えませんが(笑)。


儒家たちは口では利を言わないが、内心では金と利益に対する屈折した欲望が満ちあふれている。: 柏楊(ポーヤン)「醜い中国人」張良沢・宗像隆幸 共訳 光文社


昔からの儒教には、いろいろな派閥があるとはいえ、民衆に対して

「今の身分制度を維持し、けっして冒険をしてはならない、改善しようとしてもいけない、現在をそのまま受け入れよう。」

と説き、民衆を、複雑な現世のしきたり演じる喜びへ埋没させることに成功しました。いわば民衆を政治から別の方向へ向けさせる国是に似ていますね。現在でも、国家の放漫経営から、サッカーや反日へ目を向けさせる国があります(笑)。

こういう儒教の教義はあらゆる弾圧的な支配者にも受け入れられることとなり、巧みに民衆を支配する有力な道具となりました。

現在でも、あの暴力的な中国共産党が、中国内で逮捕拘束されている劉暁波 (りゅう ぎょうは)にノーベル平和賞が与えられたのに反発して、「孔子平和賞」なるものを作りました。

孔子は、現状を維持しようとする儒教の創始者とされ、今ではなんと、あの弾圧国家である現在の中国共産党にさえ歓迎されているのです。儒教にどれだけひどい面があるかが、分ろうというものです。

つまり社会の指導者たる儒家たちは、現世の利益を軽んじてきたのですが、当然のことながら儒家としての商売が繁盛しなければならず、儒家たちは内心で異常なほど金に執着していたと言えます。

なお中国については、このような意見がみられました。 


中国、2030年には「世界最大のキリスト教国」に?

パデュー大学で社会学を研究するフェンガン・ヤン(楊鳳岡)教授は、中国のキリスト教信者数は将来アメリカを抜き、世界最大のキリスト教人口を抱える国になると推測している。

ヤン教授は、イギリス紙・テレグラフの記事でこう述べている。

「私の推計では、中国は非常に近い将来、世界最大のキリスト教国になると予測されます。そうなるまでに1世代もかからないでしょう」

ピュー研究所の調査報告によると、中国国内には2010年の時点で約6700万人のキリスト教信者がいたという。これは、中国全人口の5%にあたる。

同じ報告によると、同年のアメリカでは人口の79%がキリスト教徒であり、同国内の教徒数は約2億4700万人(世界のキリスト教徒全体の11%)だ(ブラジルは1億7500万人、メキシコは1億人)。一方、アメリカの現在の人口は約3億1800万人。公式に発表されている中国の人口は、2014年現在、台湾・香港・マカオまで含めるとおよそ14億人にのぼる。

『Religion in China:Survival and Revival under Communist Rule』(中国の宗教:共産党支配下における存続と復活)などの著作があるヤン教授は、アメリカのキリスト教人口が減少する傾向にある一方で、中国のキリスト教人口は、2025年までに1億6000万人、2030年までには2億4700万人に拡大し、アメリカを抜いて世界最多のキリスト教徒を抱える国になると予測している。

しかし、中国におけるキリスト教人口の拡大は、中国政府の影響を受けないわけではない(中国では、政府が認可した宗教機関、施設でなければ、宗教活動を行うことは許されない。教会内には監視カメラが設置されるなど、活動は検閲されている。ピュー研究所の2010年の調査によると、共産党が認めない中国国内のキリスト教徒は約3500万人にのぼるという)。

前述のテレグラフの記事によると、中国では現在、非常に多数のプロテスタント教徒たちが、違法な「民家の教会」で、隠れて礼拝を行っているという。キリスト教徒支援組織「Open Doors」が毎年発行している、キリスト教迫害の深刻度の国別ランキング「World Watch List」では、中国の迫害度は37位とされている。

中国浙江省の温州市では、2014年4月はじめ、教会が政府から建物の強制撤去を命じられたために(十字架が目立ち過ぎる違法建築とされた)、信者たちが教会を取り囲み、「人間の盾」をつくって抵抗する事件が起きた(同市は中国最大のキリスト教徒コミュニティを抱えており、700万人の都市人口のうち15%が教会に通っているという)。

[Antonia Blumberg(English) 日本語版:丸山佳伸、合原弘子/ガリレオ]
投稿日: 2014年04月25日 13時46分 JST


まずは、この種の「中国は近い将来、世界最大の●●国になると予想される」という分析に疑惑があります。

つまり中国の人口が今推定されている13億人のまま推移するという前提で10年後や20年後を推しはかっています。上記では中国系の研究者が、この前提で論じていますね。

残念ながらそこでは、中国が分裂の危機に瀕している状況が加味されていません。経済的な破綻がもう直前に迫っているという観測があり、政治的にも異国ではないかと思われるほどの国内格差があります。

これらに不満をもつ無数の少数民族が年間20万件とも言われる暴動を繰り返している現状を無視して、のんきに「中国は世界最大の●●国になる」というのには、私としては相当の違和感をぬぐえません。

世界の自動車会社が定期的に新製品を発表していますが、これは次の何百万台ものリコール車を新しく用意している、ともとらえることができます。

同じように、中国内での無数の暴動が、中国という国の近い将来の崩壊を、間違いなく用意しています。

こういうことを考慮せずに、2030年には中国が

    • 世界一の経済大国になるだろう
    • 世界一のキリスト教国になるだろう
    • 世界一の自動車大国になるだろう
    • 世界一の軍事大国になるだろう

という予想は、みな、あり得ない話なのでした(笑)。