Justice! 社会正義の実現!所得充実政策!ワクチンより検査を積極的に推奨! / 薬剤師・元参議院議員・消防団
ひらがな5文字の「はたともこ」ブログ
新型インフルエンザワクチン:妊婦、基礎疾患を有する人への対応の摩訶不思議
10月19日から、新型インフルエンザワクチンの接種が始まります。まずは医療従事者(100万人)からですが、順次「妊婦100万人」「基礎疾患を有する者900万人」「1歳から小学校3年生に相当する年齢の小児1,000万人」「1歳未満の小児の保護者等200万人」「小学校4~6年生・中学生・高校生に相当する年齢の者1,000万人」「高齢者65歳以上(基礎疾患を有する者を除く)2,100万人」と続き、合計5,400万人の国民が、新型インフルエンザワクチン接種を強く推奨される対象者となります。
実に日本の人口の45%以上が、季節性インフルエンザと比較して重症化しやすいとみなされている(???)新型インフルエンザへの国の対抗措置として、半ば強制的にワクチン接種を押しつけられるのです。
私が特に不思議に思うのは、妊婦や基礎疾患のある人への対応です。
妊婦の優先順位は第2位(米国では優先順位第1位)、国内の対象者は100万人です。「妊婦は重症化しやすく死亡率が高いことが示唆されている」ことが理由として挙げられています。ところが、新型インフルエンザワクチン(H1N1)の添付文書には、次のように記載されています。
(妊婦、産婦、授乳婦等への接種)
妊娠中の接種に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
更に、基礎疾患を有する人への対応もちぐはぐです。発症すると重症化しやすいとして優先順位第3位に位置付けられていますが、ワクチンの添付文書では「心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者や気管支喘息のある者」について次のように記載されています。
(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
妊婦同様、厚労省と製薬メーカー(もともと承認したのは厚労省)とでは、基礎疾患のある人への認識が明らかに異なります。このような状況下、私が特に思うことは、これでは、リスクに対する責任の所在がまったく不明確であるということです。
ただし、添付文書には、次のようにも記載されています。
新型インフルエンザA型(H1N1)としては使用経験がなく、添付文書中の副反応、臨床成績、薬効薬理等の情報については季節性インフルエンザワクチンとしての成績を記載している。新型インフルエンザA型(H1N1)ワクチンとしての成績等に関しては、最新の情報を随時参照すること。
しかし、季節性インフルエンザワクチンで原則禁止されているものが、新型インフルエンザワクチンではあっさり解禁されるなどということは、製造工程からみても常識的に非常に不合理です。
国立成育医療センターは、シーズンごとに約150人程度の妊婦にインフルエンザワクチンを接種しており、副反応・胎児への影響は見られず、ワクチン接種は有用であるとの見解を示しています。また日本産婦人科学会は、「米国では毎年60万人の妊婦がインフルエンザワクチンの接種を受けているが、有害事象は観察されていない」とコメントしています。
であるならば、国が承認した新型インフルエンザワクチンの添付文書には、「妊婦にも(安心して)接種できる」と書くべきです。しかし実際には、添付文書にはわざわざ注意事項として先のような内容が記載されているのです。
私は、この明らかな矛盾をきちんと整理して、国民に分かりやすく説明する責任が、厚労省にはあると思います。場当たり的な、ころころと変わる方針に不信感を抱く国民は、決して私だけではないと思います。
なお、それでも、どうしてもワクチン接種を希望される方は、チメロサールという保存剤が使用されていないタイプのワクチンを選択されたほうが賢明だと思います。
★チメロサール:エチル水銀チオサリチル酸ナトリウム(水銀化合物)。分解し「エチル水銀」。