新型インフルエンザワクチン:「妊婦への安全性は確立していない」とあらためて表明した厚労省

新型インフルエンザワクチンの添付文書に関する矛盾を10月17日指摘しましたが、厚労省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会は、添付文書の妊婦に関する部分を訂正すると10月18日発表しました。

「(妊婦には)接種しないことを原則とし」という文言を削除し、「接種により先天異常の発生率を上昇させることはない、との調査報告がある。」と変更するそうです。しかし、調査の範囲が小規模だとして「妊娠中の接種の安全性は確立していない」との表現は残すとも発表しました。

はてさて、このように添付文書を改訂し、厚労省はいったい何を言いたいのでしょう?優先順位第2位として妊婦に対してワクチン接種を猛烈に推奨しつつ、ワクチンそのものの添付文書には「妊婦への安全性は確立していない」旨をあらためて明記する。厚労省は、いったい何をやっているのでしょう。さっぱりわかりません。

更に、国産ワクチンの一部(10mlバイアル製剤の一部)に使用されている保存剤「チメロサール」についても、「使用に問題ない」と表明しました。しかし厚労省は、妊婦が希望すれば、チメロサールを添加していない、あらかじめ注射器に注射液が充填されているタイプのワクチン(プレフィルドシリンジ製剤)を接種できるとしています。このことはすなわち、「使用に問題ない」と言いながらも、厚労省が心からチメロサールを安全だとは思っていない証拠です。チメロサールは水銀化合物で、過去に発達障害などの副作用が報告されています。 →厚労省発表資料(9月)

10月19日の産経ニュースの記事の一部を紹介します。

国立公衆衛生医院(現国立保険医療科学院)感染症室長をつとめた母里啓子さんは「インフルエンザは自然に治る病気だから、どんな副作用が出るか分からないワクチンは基本的に必要ない。普段から栄養のあるものを食べ、ゆっくり休んで免疫力を高めることだ」と生活習慣の改善こそ大事だと訴える。

母里啓子=“もりひろこ”さんとお読みします。私もまったくの同感です。自分の健康は自分で責任を持つ「セルフメディケーション」の考え方がないと、このさき日本の医療は立ち行きません。

同記事は、次のように続きます。

国立感染症研究所感染症情報センターの岡部信彦センター長は「インフルエンザのワクチンは万能ではないし、わずかだが副作用もある。当然、打ちたくない人も出てくるだろう。専門家としてはチャンスがあるなら打った方がよいと勧めるが、強制するものでもない。リスクと効果を知った上で判断してほしい」と話している。

国立感染症研究所・感染症情報センター長としての立場上、まさに苦渋の表現です。「どっちなんだ???」と突っ込みたくなりますが、しかし、一呼吸おいて落ち着いて考えれば、答えは明快です。

母里啓子先生もおっしゃるように、日常の食生活の改善が第一義であることは勿論ですが、健康を害し、どうしても薬に頼らざるを得ない場合には、副作用の強い西洋薬ばかりでなく、有効な漢方薬が幾つも存在することを見逃してはなりません。それらの漢方薬は、街かど薬局で購入できますし、何より厚労省が認めた保険適用薬でもあるのです。ワクチンやタミフル・リレンザは、新型インフルエンザ対策の一部ではあっても、絶対ではありません。亡くなった方の大半は、タミフル投与が遅かったから亡くなったのでしょうか?

今急がれるのは、厚労省が示す新型インフルエンザの治療指針の中に、初期の段階では非常に有効である可能性の高い麻黄湯などの漢方薬を、選択肢の一つとして、他の薬剤同様に盛り込むことだと私は思います。栃木県佐野市医師会では既に、タミフル・リレンザと同様に麻黄湯を処方の考慮にいれるよう、新型インフルエンザ治療指針に明示しています。この期に及んでもなお厚労省が麻黄湯の効果について期待できないと言うのなら、ウイルス増殖抑制作用を示している麻黄湯の添付文書の一部も見直すべきです。

そして、このままいくと、優先順位の枠からはずされた大半の国民は、仮にワクチン接種を希望した場合、輸入ワクチンを接種されます。輸入ワクチンは、湾岸戦争症候群や不妊が心配される石油由来のアジュバント(免疫増強剤)・スクアレンが添加され、これまで日本では未承認だったイヌ(犬)腎臓由来細胞を用いて製造しています。

新型インフルエンザの致死率は、現段階では季節性インフルエンザ並みと言われています。とにかく私たちは、アジュバントやイヌ(犬)の腎臓あるいはチメロサール(水銀化合物)などを使用した新型インフルエンザワクチンを接種するということは、まさに未知との遭遇であるということを、肝に銘じなければなりません。

産経ニュースはこちら

麻黄湯の作用機序

北里大学東洋医学総合研究所所長・花輪壽彦先生も麻黄湯を推奨

栃木県佐野市医師会「新型インフルエンザ・パンデミック治療指針」

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )