新型インフルエンザ:意義のあるプレス発表を!

新型インフルエンザ感染の子どもが、相次いで亡くなっています。その都度発表される厚労省の症例報告の内容は、極めて限定的で、診療やセルフメディケーションに殆ど役立ちません。公表された内容だけでは、十分な判断ができないのが実態だと思います。

“このまま寝ていれば治るだろう”あるいは“このままではまずい、病院へ行ったほうが良い”などの判断が自分では出来ない子どもである、亡くなった西宮の8歳女児は、微熱だったものが39℃近くの高熱になり、意識がなくなるまでの間、何故2日間も医療機関を受診しなかったのでしょうか。この女児は、いったいどんな環境に置かれていたのだろうか・・・自然にわいてくる疑問です。

更に、基礎疾患がないという発表だけで、患者の健康状態を推し量ることは困難です。置かれていた環境や患者の詳細な人となりにつても発表しなければ、殆ど参考にはならず今後の診療あるいはセルフメディケーションには役立ちません。公表の意味は、その症例を教示として、今後の診療やセルフメディケーションに役立たせるためであるはずです。そうでないのならば、公表の意義がありません。

当然ながら、タミフルやリレンザをいつ投与したかまたは投与しなかったかだけではなく、すべての投薬内容が明示されることも必要です。

もっと言うならば、医療機関の対応が患者の生死に無関係であるはずがなく、特に死亡例については、治療内容についての情報公開を徹底し、場合によっては第三者の判断を仰ぐ必要もあるのではないかと思います。患者さんの個人情報については、当然、常識ある配慮をしなければなりません。

概算要求も対外的には一段落したわけですから、厚労大臣には、新型インフルエンザ対策の現段階での一定程度の評価をとりまとめ、大人の力を借りなければ命を守ることのできない子どもたちに、これ以上犠牲者がでないよう、積極的な情報公開に取り組んでいただくよう切望します。
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