「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」 損保ジャパン東郷青児美術館

損保ジャパン東郷青児美術館新宿区西新宿1-26-1 損保ジャパン本社ビル42階)
「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」
9/12-11/29



当地の王立美術館のコレクションから、19世紀ベルギーの絵画史を辿ります。損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の「ベルギー王立美術館コレクション ベルギー近代絵画のあゆみ」へ行ってきました。

会期末も明後日に迫っています。今更の感想でもあるので、今回は特に心にとまった作品のみを数点だけ挙げてみました。

フェリシアン・ロップス「浜辺」(1878年頃)
人前に出すことを拒み、自らの楽しみのために描いたという作品。北海へと広がる砂浜を描いている。燦々と降り注ぐ陽の光のもと、海水浴を楽しむ人々などを、澱みない明るいタッチで表した。ここに悪魔主義的なロップスの画風は微塵も感じられない。



ジェームズ・アンソール「バラの花」(1892年)
仮面や骸骨で知られるアンソールの描いた静物画。ガラス瓶を中心にして咲き誇るバラの花を比較的淡いタッチで表している。もちろん仮面は登場しないが、どこかうねるような線描などは、やはりアンソールらしいと言うべきなのか。



テオフィル・ファン・レイセルベルヘ「散歩」(1901年)
ベルギーの新印象派。スーラと見間違う点描表現にて砂浜の景色を象る。モネ風のサーモンピンクは非常に華やか。白いドレスに纏われた貴婦人も美しかった。



フェルナン・クノップフ「フォッセ、モミの木の林」(1894年)
朱色に染まった大地の上をモミの木が整然と並ぶ。その幽玄な様子はまさにクノップフならでは。日本画と思ってしまうかのような画肌も興味深かった。

今回の出品作にもよるのかもしれませんが、ベルギー絵画はフランスの影響を非常に強く受けています。スーラ風、またはゴーギャン風など、半ば本家を連想させる画家が多く登場していました。

なお基本的に印象派、もしくはそれに派生する画家たちを追う展覧会です。ステレオタイプではあるものの、ベルギーと言えば名高い象徴派の作品が少なかったせいか、全体としてはやや物足りなく感じました。

館内には余裕がありました。29日までの開催です。
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