嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

不思議の街へ

2004年08月07日 15時13分39秒 | 駄文(詩とは呼べない)
街へ出ようよ
僕は彼女の手を取り
街へ駈けだした

それが僕らにとって初めての街で
いつも見ている街とは全然違って
同じ色をして同じように流れて
同じように佇んでいる僕らだけど

僕らだけが街から切り離されて
僕らだけの時間を作り出していた

東京のビル街で
歪な形のワープゾーンにくっついた
絵の中にあるエスカレーターを
僕は彼女に案内されて進んだ

初めて会う彼女の笑顔は
とても新鮮で僕の乾きをほんの少しの間だったけど
すごく潤してくれた

知らない人ばかりの喫茶店に
初めて会う顔達が並んでいて
口々に僕の知っている声で
僕の知らない何かを話し合っていた

そんな不思議なオフ会が
去年の夏に行われた

彼らが何者だったのかは
いまでもよくわからない

今の僕に言える事は
最初から友達だった人は友達のままで
最初から友達じゃなかった人は
やっぱり友達じゃなかったような
そんな静かな人間関係だったということだ

海の向こうの街では
海の向こうの人達が
海の向こうで何かを話し合ってざわついている

僕が海の向こうに行った時
海は青々と輝いていて
幻想にはほど遠かったけれど
それでも僕には眩しい青い海だった

僕がぎこちないアクションを起こすたびに
異世界の隣人は親しげに不思議な言葉で僕に話しかける
僕は必死で耳を傾けて聞いた事もない言葉から
僕だけの意味を取りだして
僕一人で納得する

握手を交わして別れる

意思疎通の基本は
きっと言葉なんかにはなくて
相手を真っ直ぐみることなんだと思いながら
僕は一人堂々と異世界を歩く

不思議が不思議を不思議して
不思議の中で不思議が不思議を不思議するような
僕だけの不思議空間だったけど
僕はそれなりに何かを学んだ気がする

僕の旅は
まだまだ続く