嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

蝉鳴りが聴こえる

2019年08月10日 01時50分03秒 | 
蝉が鳴くのを見た
蝉が鳴くのを聞いた
蝉が鳴く時の音を嗅いだ
蝉が鳴く時の音に触れて
蝉が鳴く時の音を味わって
蝉が鳴く事を思い出した
蝉のおしっこを蝉の涙と名付けた。
蝉が翅を擦り合わせる音を『鳴く』と名付けた時のように、
あの、けたたましい激しい水滴の事を
蝉の涙と呼ぶ事にした

蝉の涙は、あのけたたましい鳴き声と共に
夏の光の中で生まれる。
存在している事を誰かに知らせる為に、
あるいは一瞬の出会いの為に
零れ落ちる小さな水滴である為に。

才子、僕と会ってくれてありがとう
僕と小さな夏を育んでくれてありがとう
僕の為に鳴いてくれてありがとう
僕にけたたましいSOSを伝えてくれてありがとう😊
才子は今も土の中で眠っていますか?
才子は土の中でもぞもぞと動いていますか?
才子は穴から這い出してきましたか?
才子は太い年輪に沿って太陽の方に登っていきましたか?
才子はオシッコを飛ばして羽ばたいていますか?

例えほんの1週間しか生きられない蝉になっても、才子は今を生きているよ
才子の今を大切にして
才子のままであり続けていいんだよ。
才子のままで力尽きて
才子のままで死んでいってもいいんだよ。

僕らの人生は、あの記憶の中で鳴く蝉よりも
はるかに短いのだから。
遠い記憶の中で鳴く、永遠の蝉よりも、
はるかに短い現実の中で鳴くのだから、

だから僕等は、命がけで死んでいってもいいんだよ。

才子、僕は君と出会えて良かった。
僕は、君の存在を知ることが出来て良かった
次は夢の中で逢おう。
その時は、お互いに蝉として逢おう。
僕はジーとしか言わない。
君はミーンミン、と言うだけでいいよ。
それ以上は、もう何も語らなくていいよ。
辛い記憶も、苦い思い出も、傷つけ合う喜びも、何も語らなくていいよ。

僕を愛してくれてありがとう。
僕の為に傷ついてくれてありがとう。
僕の為に怒ってくれてありがとう。
僕に絶望してくれてありがとう。
1人で閉じこもって鳴くことしか出来なかった蝉に、羽化する喜びを教えてくれてありがとう。

僕がボケて何も思い出せなくなっても
君と一緒に鳴くよ。

遠くを見ている

2011年04月24日 02時37分19秒 | 
遠くを見すぎている

うまく、近くを見ることが出来ない。
遠くを見続けることは
無意識にやってしまうのに
無意識に、やり続けてしまうのに。

すぐ近くの、現実を見ることも、
受け止めることも出来ない。
ましてや、受け入れることは、到底出来ない。

遠くを見ている。
ただ、ぼくはずっと

遠くを見ている

親を殺すべきなのか、自分が自殺すべきなのか。

2010年07月02日 01時38分42秒 | 
最近、自分の人生をおおかた諦めてしまっている。
ほんの数ヶ月前までは未来に対して希望を持っていたし、
堅実な努力もしていた。

しかし、自分が退職届を出して仕事を辞めたあたりから、
だいぶおかしくなってきている。

まず、一番におかしくなっているのは自分だと思う。
私は時々私自身の頭がおかしくなってきている事に気付くのだけど
それについて深く考えることを避けている。

心療内科や精神科に行くことも考えたが、
そんなことをしても時間の無駄だし、
そもそも薬やカウンセリングで治るとは到底思えない。
そもそも、医者なんか昔から信用していない。
これは自分の体質によるところもあるのだが、
昔から医者から出される薬を飲むたびに、
様々なアレルギー反応が出て、死にかけたり、発疹が出たり、
白内障になったり、意識障害になったりと、副作用の反応がやたらと酷かった。

僕は体質的に外にあるものを受け入れない。
考え方に関してもそうだ。

外からなんやかやと俺の生き方にケチをつける人が現れると、
向きになって相手を否定したり、
時には喧嘩になったりすることさえある。

そういう時は、ずっと長い間人間関係の痛みを、
後悔としてずるずるぐだぐだ引きずるのが俺流の懺悔なのだ。
罪の意識なんか、感じていないはずなのに。

今日、なんとなくムラムラと、
両親を金属バットで殴り倒している自分のイメージが湧いた。
最近両親に対して苛々していることの現れだろう。
理由は簡単で、事あるごとに働け働けと口うるさいからだ。
僕にもっと自信があれば、断固たる意志で、反対の決意を示したり、
口論したりするんだろうか。
両親と素手でとっくみあいの喧嘩をしたり、
親を殴ったりする姉が羨ましいとさえ感じる。

僕は歪んだ価値観と、自分の殻と、親から受け継いだ遺伝子と、
ガチガチにはめ込まれたへんてこな倫理観と道徳観念のせいで、
自分のやりたいことなんかやれないままに死んでいくのだ。
こうやってすべての問題を親のせいにしながら、
生を呪って死んでいくのが僕の生き方、そして僕の死に方なのだ。

なぜ、こんなにも家族の問題で僕が傷つくのか。
それらはすべて明白で、僕が家族の中で一番弱いからだ。
僕のメンタルが、家族の中で一番弱い。
だけど、こんなこと、人に相談したって何にもならない。
他の人間は、僕の家族と一緒に暮らさないし、同じ問題を共有できない。
僕を宥めることは出来ても、僕に嘘を教えることしか出来ない。
本質的には、僕の問題を解決出来ない。

そんなこと、最初から全部解ってる。
だから嫌なんだ。
それはもちろん、家族に対して持っている理想のイメージが強すぎることの裏返しでもあるし、
その願いが強いほどに、僕にその死神がほほえみながら呪いをかけるだけの
つたない行為だと知ってる。
本物の僕自身は、まだココには生まれてさえいない。

全くの他者と出会って、
全く考えもしなかった人生を新しく歩み出す時にしか、
輝かしい無抵抗で無垢で暴力的で異質な世界(現実)と対峙し、向き合い、克己する時にしか、
僕の未来は生まれないし、
そこに1%の可能性も生まれない。

僕は未来と向き合うことから逃げた。
他者の心と真っ直ぐに向き合うことは出来なかった。
僕の親にしたってそうだ。
心を信じることよりも、
愛を信じることよりも、
金と現実を積み上げることで不幸に突進してるのが親の生き様だ。
この哀れな醜い豚に、金属バットを振り下ろしたい衝動を
ぐっとこらえているのが僕の日常なんだ。

甘えだと知ってる
歪んだ愛だと知ってる
コンプレックスだと思ってる。

こんなちっぽけで矮小な世界、
さっさと壊して未来に踏み出せばいいのに。
僕の道徳観念が、僕をこの狭い箱庭に縛る。

違う家で育ったとしても、僕はきっと醜く育った。
どんなに善意にあふれた両親に育てられたとしても、
きっと僕は醜い魂を持って生まれた。
そう思えてならない。

自分が嫌いだ。
どうしようもないほどに、自分が醜くて嫌いだ。

君の姿を忘れようとしている

2009年04月12日 04時21分49秒 | 
いつも何かを忘れようとしている
忘れているわけじゃない、【痛みに震えて動かないでいること】はもうやめたから。
そうした観念に縛られて、「なにもしないでいること」はもうやめたから。
けれど、忘れることを、やめることはできない。
人は忘れることによって、痛みから逃避するのだとしたら、
間違いなく僕は、逃げている方の部類に入るだろう。
だけどもし、君が戦うことを選ぶなら、僕もきっとそれを応援しながら、
戦う方に少しずつ向いていくんだろう。

だけど僕は忘れている
いつも何かを、大事なことを、本当につらいことを、考えることを、
そしてまた、君と戦うことを忘れている。

こころで向き合うことができなくなったんじゃないかと
気になったり不安になったりする
僕は僕自身と真剣に向き合うことができているだろうか?
おそらく、できていないから、君を忘れる道を選ぼうとする。
それでもまだ、なにかが、僕の糸を引く。
僕を立ち止まらせようとする。

切り捨てる道を選ぼうとする。
それでもまだ、選ぼうとするだけでは、『切り捨てる』ことはできない
同じように、忘れようとすることでしか、
忘れているフリをすることはできない。
結局それは、自分を欺いていることにしかならないからだ。

なにかが僕に語りかける
 「私と心で向き合って!」

痛い言葉だ。
突き刺さる言葉だ。
ずっと僕の中で、忘れられない言葉だ。
この言葉を忘れない限り、きっと君を忘れる事ができない。
そしてまた、僕が心を置き去りにして何もかもを忘れない限り、
あらん限りの力で人であることを忘れない限り、
君のことを忘れることはできないんじゃないかと、嘆きそうになる。
それを振り切って、
ただ、現実の日常の中に埋没していく...

君が心をくれたことには感謝している
そしてそれが痛みを伴うものであることにも感謝している
だけど僕は、矛盾し続けながら、その痛みから逃げている。

もう一度、君と向き合う日がくるとしたら、
そのとき僕は、どんな大人になっているだろう。
そしてまた、どんなこどもでいるだろう。

忘れるだろうか?
ぼくはきみをわすれるだろうか?

憶えているだろうか?
きみはぼくを、大人になった僕を、覚えているだろうか?
僕には見えない。
大人になった君の姿が見えない。
それはとても怖いもので、とても幸せそうな顔をしていそうな破滅だから。
鈍い痛みを思い出しながら僕は去る。

僕は幸せな場所には痛く(居たく)ない。
ただ、幸せでありたいだけなのだ。
僕は人を幸せにしたいんじゃない
僕は自分が幸せになりたいだけの子供なのだ。

もう一度、エゴを呼び戻す。
君と戦った日々を、
君に負け続けている現実を、
滅びの白い世界を。

もし、君の中にかすかな痛みを感じる何かがあるとしたら。
それが、きっと今の僕の姿だ。

かみ砕かれていく約束の前で。

2009年02月21日 22時20分03秒 | 
作られ続けていく約束の中で
僕は君の心を破り捨てようと努力する
そんなものを努力と呼んでいいのかもわからないが
ほかに僕が今できそうなことが見つからない

苦しいと思うことは何度もある
誰にも出会えないし、
何も掴むことはできないから。

それでも、僕がここに居る限りは、
きっと未来で、新しい約束を作り出すんだろう。

約束。
破り捨てられた僕の気持ち。

約束、
打ち捨てられた僕の廃墟。

約束.
死んだ人に向けて送られる、生者からのラブレター。


君はいつも死んだままでここに居る。
決して僕と、話すことはないままに。

罰を受けるように明日を待つ幸せの中で。

2008年11月15日 21時33分36秒 | 
もし、苦しむ事で、人が何かの罪をあがなえるのだとしたら
僕は何をあがなうのだろう。
僕はここで、どんな贖罪とともにあるのだろう。

多くの人を傷つけてきた事は知っているけれど
それが直接僕を苦しめ、死に至らせるとは思えない
だけど、ただ漠然とそこにあり続けることを、
許せてしまうほど、僕は広い心を持ってはいない。

罪深い人間であることは知っている
人が生まれながらに持っている、野心的で、業の深いありようを、
好きになることも、嫌いになることもできないでいる
できないでいることが、やっと僕を僕として認めていられる。

もし、僕が自分の全ての欠点を許してしまい、
何もかもを認める事ができるなら、
むしろ僕はそれを堕落と感じるだろう。

だけどもし、このままずっと僕が僕のままで居る事を許されないのなら
ならばどうして、僕は他者をゆるせることに繋がるというのか、
あるいはまた、僕は他者を、許した事など、一度でもあったのだろうか?

めざとく面白いものを見つけて走る。
興味深い今だけを見つめていたいから、
僕は他人の意見なんかよりも、僕の感情を大事にしたいと思う。

未来というあやしげな他者がすり寄ってきても、
まだ何も知りたくないし、溶け合いたいとも思えない。
むしろただ、嫌悪感と共に、離れたいという気持ちの方が、今はずっと大きいだろう。

それでも僕は、明日を求めずには居られないのか。
明日を待つことでしか、僕は今を過ごす事に耐えられないのか。

昨日をずっと大事にしてきた。
昨日、ずっと遠い昔にした約束だけを、ずっと大事に抱える事が、
誠実さに繋がると信じていた。

約束は破られた。
他者の弱さと、わからない僕の心と、あまりにも巨大な現実に勝てないでいる、
ただそこにあるだけの呆然とした僕の無能さと、
白日の下に晒された、僕の卑怯さとともに。

嘘を愛する事はできない。
認める事も、許すことも、あがなうこともままならない。
それでも僕は現実の中で、中に浮いたままぽつんと今を見ている。
あり得ないような夢の続きも、現実の判断もおぼつかないまま、
灯籠のような現実と、過ぎ去るだけの夢を見ている。

「ずっと僕は 【 目 覚 め な い。】」

その深刻さだけが、僕を死んだような生の中で焦らせてゆく。
ジッと鈍い息を吐きながら、誰にも見つからないようにやり過ごす。
現実に見つからないように、ひたすら夢の中に隠れ続ける。
その暗闇に潜むありようこそが、

きっと僕の罪なのだと思う。

願いがわかった

2008年10月04日 22時34分56秒 | 
僕がずっと何を望んでいたのか。
なぜ、僕は自分の呼吸を大事にしていたのか。

なぜ、がむしゃらに、嘘のない言葉を求めたのか。
なぜ、プライドの高い感情的な女性を求めたのか。

それらが結びついて答えがでた。

僕は、自分の心臓で、僕の鼓動で相手を鼓動させたいんだ。
僕の胸の高鳴りで
僕の心の迷いの振動で
相手に同じ周波数を伝えたいんだ。

僕だけの胸の周波数で
僕だけの鼓動を伝えて
相手に心を伝えたいんだ。

愛とか恋とか、そんな言葉じゃなくて
赤ん坊が母胎を求めるように
僕だけの鼓動で宇宙を満たして一体になりたいんだ。
だから僕は、孤独の宇宙を求める。
他者を求めながら、自分と同じであることを求めるこの矛盾。

ずっと安心したかった。
誰かと同じ呼吸をしたかった。
すべてが僕とひとつになりたかった。

ぜんぶぜんぶ終わっていく。
なにもかもが儚く終わっていく。
はじまりのあの穴に向けて。
生まれた世界への亀裂の穴に向けて。
外と出会った初めての瞬間に向けて。
すべてが終わっていく。

だからこんなにも、書いている僕が、
読んでいる僕とひとつになりたいんだ。
だから僕と君が、同じ一つの嘘であることを証明したいんだ。

自意識と他意識が、おなじ一つの嘘を源泉にしていると、
解き明かしたかったんだ。

鏡が割られていく。
今日という時代が終わり、
明日が来る

そのことを感じるために、
ぼくは今を感じている。

明日君と出会えるかもしれないから
今日は僕でありたいとおもう。

静かに、そっとしずかに。

やさしさを、浮かび上がるように求めて。

2008年08月30日 01時43分28秒 | 
やさしさは僕が求めるものじゃなくて
君が発見するものだから
だから僕は出来る限り
いつも自分に正直でありたいと思うよ。

君がつらいとき、僕から感じ取るもの、
あの曖昧でつつましやかな
緑の音。
それが僕のやさしさなら
僕はただ、そこに溶け込んで緑でありたいと思うよ。

すがすがしい青空から、
僕が孤独に感じる心がやさしさなら
僕は君に、それを発見しないで欲しいよ。

誰もが立ち止まり
誰もが無言で僕を見つめる白い目線がやさしさなら
僕はそれを、やさしさとはよびたくないよ。

でも、きみはやさしいね。
僕が話しかけるとき、静かに僕の方を見る君は
いつも僕にやさしい。

それは、僕の個性なんだろうか
きみの、個性なんだろうか。

君は白くて優しい人。

僕はそれを想って、ひとりで自分にやさしいだけのひと。

切り取られた、フィルムのような囁きの中で。

2008年08月24日 12時52分03秒 | 
からからに乾いた土曜日の午後、ただ僕は日曜日を感じてる
二つの蝶番がめくれてひょっこりと空気をこの世界に送り出す。
本当に不思議だけれど食欲を増進しようと暴れ回るよりは
ただずっと君の側で水になって佇んでいたいと思う
ただ、媒介となって誰かから誰かへ手紙を受け渡すようにそこに孤独はあるから。
伝えたい想いから、伝えたい想いへと、かかれているとき、
言葉は、必死なほどに荒れ狂うほど孤独だ。

手紙を、君に届けたいと思ったんだ。
真っ白なノートを 一枚だけやぶって世界のほんの一握りの印にしかならないような、奇跡の味を、
ここに記すことで、誰かが誰かとして、許されるんじゃないかと
そんな気配さえ、淀んだ夢の中で囁けたから。

動的な世界の表象をすくいとって、
ただやぶからぼうにぬぐぅと静止した一面性を取り出す嘘ばかりを言葉に固めて。
握られた紙屑みたいな十円玉の決意を心に秘めて。
ただ、僕は、手紙に白い奇跡の味を託した。

落ちていく雫の中に、まるでつややかな世界のすべてが映り込んでいるような、
そんな真剣のような鋭い真実を求めて。

ただ僕は、君を殺して、僕を僕でない何かに変えたかった。

それが冷たい囁きだったなら、ただ僕は、響きとして、この世界に残存する魂だ。
エクレアのような甘い時間が、蜘蛛の巣のように白い意味にからめとられていったなら、
僕は君のために、誰も知らない孤独を囁くだろう。

透明な世界の王者に君臨して、ただ宇宙と溶け合うだけだ。

感動が世界をそよがせてゆく風になるたびに
ただ僕は私から切り離され、俺から切り離され、僕としてそこに残存していく
置いていかれた魂になる
短いアンテナを土の中に張って
何年も何万年も奇跡の羽化を待つセミのように静かな素数になる。

たとえば回転する花びらのように
たとえば末広がる葉っぱのうずまきのような
真剣なゆったりとした一部始終のために。

生命の形を、君の居る場所に映し込むひいらげた予定調和のように。

木星の、あじさいを探しにゆこう。

そこで僕達は、勇気と友達になろう。

悪夢

2008年08月14日 22時40分25秒 | 
時々、誰かに追い立てられる夢や、
ものすごくギリギリまで追い詰められる
おそろしい夢を見て
汗の量と共に起きる過去があった。

そのたびに僕は、現実の中で
やらなくちゃいけないこと、
忘れていたこと、
のしかかる義務のようなものをこの世界の頭で探し求めたが、
そんなもの、いつもありはしなかった。

ただ無性に腹が立つような、
どうしようもないぼんやりした使命感を抱えたまま、
ぼくはいつもうずくまったり立ち尽くしたりしていた。

この世界でなにもすることが無いという絶望。
やらなくちゃならないことは何も無いという
地の底に落ちたような豊かさ、
自分に何もできないという
焦りや不安、無力感と焦燥感に苛まれていた。

それに比べると、今の僕は
学生という身分があるだけで、
山のようにやることがあり、
社会からも居場所を許されている。
ゆっくりと囲いの中で老いていくことも、
努力の途中で擦り切れたボロ雑巾くらいの価値は、

きっとつまらない三流社説のような文面力が、
見せかけの客観性として語ってくれるはずだ。

そんなもの、僕が亡くなったときの空白を、
埋める力も輪郭を掘り返す力も無いのだけれど。

今朝、久しぶりに嫌な汗をすこしかいて目覚めた。
そこには夏休みの自分という立ち位置、
特別な宿題は何も無いという現実、
抱えている人間関係を何一つ改善できないでいる自分の姿があった。

ぼんやりと空をみあげて雲に心境を相談しても、
写し込まれる独自の写像は、
僕のクソみたいな淀んだ心の裏返しでしかなかった。

守るべきものは何もない
美しい未来も、
期待すべき出来事も、
特別やりたいこともなにもなかった。

ただちっぽけな自分の居場所と形を維持するための、
言い訳のような将来の目標があっただけで
そんなもの、ちょっと鏡を見つめるだけで、
少し誰かが触れれば、バラバラに砕けていきそうだった。

後悔で満たされている時間は強い呪いを帯びる。
自分への言い訳と、社会への反発心が、
尖った世界と、ゆがんだ鏡を作っていく。

もうなにもないと知りながらも
まだここに居る僕を見つめて
ふたたび僕はからっぽの冷静さを得る。

君に会えば、なにか変わるだろうか。
より深い、もっと深い絶望を知るんだろうか。
きっと君は僕を傷つける現実を手の中に持つだろうけれど
僕は君の手のひらを見て、
なにもない純真さを得る。

それは恐怖のはじまりで、
それが痛みの始まりなんだと思う。

でも、僕は君に会いたいよ。
君とあって、僕の知らない僕を知りたい。

本物の、君を知りたい。

それが、悪夢と似た希望なんだと思う。

君とふたりで僕に会おう。

2008年08月12日 04時22分55秒 | 
君に会いたい。
誰にも見せていない、本当の君に会いたい。
話がしたい。君に触れたい。
過去、未来、はるかとおくに広がる世界の中で、
一瞬しか触れる事のできない、君のほんものに触れたい。

いつも君をみれていない気がする
いつも影を、虚像を、見せかけだけの君を見ている気がする。
本当の君を見せて。
弱い君を、強い君を、泣きそうな君を、笑い合う君を、
どんな笑顔も砕けてしまう涙を、
どんなつらさも吹っ飛ばしてしまう強い笑顔を

君の、その本物の肌に触れさせて。
僕が居ることを確かめさせて。
君の中に、ずっと僕が居ることを、
ずっと前から僕がいたことを、確かめさせて。

会いたいよ。
すごくすごく、会いたいよ。

でも、我慢するね。
今は我慢するね。

きっと、この気持ちは、今の君と比べて、強すぎる僕のわがままだから。
だから今は我慢するね

でも、いつでも君に迷惑をかけたい。
君を振り回したい。
君を困らせたい。
君を不幸にしたい。
君をつらい気持ちにしたい。
君を僕に焼き付けたい。
ぶつかり続けて、君の心の形を確かめたい。
弱さをぶつけあって、その弱さを乗り越えて、一緒に強くなりたい。

いこう
だれもしらないとおくへ。
誰も見たことのない景色を、二人で見よう。
僕らだけの、秘密を作ろう。

僕たちだけの、世界を作ろう。

世界中の一番遠い心を、一番近くまで寄せて、
ぶつかる時の音を聴こう。

それはきっと僕らの唄だから
二人で、生きていこう。