嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

日曜日の午後

2007年05月29日 13時51分49秒 | 駄文(詩とは呼べない)
穏やかさが充満して、爆発しそうな日曜日の午後
日常だけで満たされて、何もできそうになかった日曜日の午後
誰との約束もなく、何も思いつかなかった日曜日の午後
早起きだけを命じられて、何も与えられなかった日曜日の午後
暖かい陽射しが窓の外に降り注ぎ、手を伸ばすことさえ無かった日曜日の午後
景色だけを見つめ、虫と語り合うことさえ出来なかった日曜日の午後
ゆっくりとした砂の風が、カラカラと押し潰すように降った日曜日の午後
何も縛られず、自由を知らなかった日曜日の午後
外へ出ることを嫌い、見つめるだけで過ごした日曜日の午後
張り裂けそうな苦痛も、心地よい太陽も覗くことのなかった日曜日の午後
選ばれることも、選ぶこともなかった日曜日の午後

僕はただ、日曜日の午後が過ぎる事だけを流し見していた。
僕の手は、何かを手に入れようともせず、何かをつかもうとも、何かを創ろうともしなかった。

あれからずいぶんと経ったけど、僕は何か、少しでも変わっただろうか。
あれからたくさんの痛みが側を通り過ぎたけど、
僕の形は、少しでも尖ったり丸くなったりしただろうか。

変わらない。

ずっと変わらない

日曜日の午後は、ずっと変わらない。

永遠なんてないのに、僕だけが、永遠の中にいる。

蝉の声を聞いて、土の声を聞く。
夏の声を聞いて、世界に一人もいない水槽を見つめる。

日曜日の午後、晴れ渡る青空を空想することもなく、僕は家の中にいた。
与えられた胎児の生命を、僕たちが僕として無為に過ごしていた。
何も生み出すことはなく、何も生み出される事を望んでいなかった。

それでも時が流れて

僕たちは、日曜日の午後を生きている

その日常の中で、誰かに出会ったり、誰かを忘れたりする。

嵐のような時間が、乾いた砂を 次の場所 に運んでいく

日曜日の午後

ただ、その中で全てが過ぎてゆく
月曜日、それを数える事も出来なかった
日曜日、僕らはずっと日曜日にいる

誰もいない庭を眺めて、隣の幻聴を聞いていた
アスファルトの海から、都会が流れてくる音を聞いていた。
音楽はなかった それでもそこに、何かが居そうな気がして。

僕はそのほとりに座り込んで、虫眼鏡の時間を過ごした。

目ん玉おおきくして、真ん中をのぞき込んだ
光を集めて、世界が白くなるのを見ていた。

陽射しと会話する限り、僕らは日曜日にいる
ずっと遠い隣の僕らを夢見て
まるで僕が僕であるかのように。

日曜日、僕らは光の砂になる。

数えることすら、情けなく叫んでしまえ。

毒のある風景の方舟

2007年05月13日 21時02分28秒 | 駄文(詩とは呼べない)
毒のある風景の中で
始まりの場所とハードウェアフォーマットについて考える
虚数を0で埋め尽くしていく光景は
ダークマターで埋め尽くした僕の未来と似ていて
物理空間の基底になっている
一つ下の階層が現れる
僕の思考を0で埋め尽くして
僕のミームをバグとみなして
記号は全て、等値価させ、完全な平面展開を行えば
そこに走る湾曲率は、
宇宙を開く口へと変わる

努力した数だけ削りだした日にちを数える行為が
魂を熱に変える行為だったとしても
僕の明日はもう無い

初期化
完全な、初期化。
矛盾をすり削って、時間を平面化していく。
ただいつも、僕をリセットして
何度でも、僕を僕として作り直す。

百万回作り直しても
僕は僕にしかならない
同じ場所で、同じ土で、同じ人形を、造り続ける限りは。

思想だけの時間を針が作っていく
どれだけ刻んでも、何も切ることのできない針が
ただ、ひたすらに、コチコチと同じ位置を刻んでいく
0秒、0秒、0秒、何度でも、0秒を刻む。

始まりを探して、同じ時を繰り返す
永遠に変わらない記号なんてない
どんな記号も、どんな崇高な神の意志も、刻まれる限り
それは変化に汚されて無くなる場所を示す。

神は死んで
死に神が生まれた。

次は何が死ぬんだろう
明日は誰が死ぬんだろう
今日は僕が死ぬだろう
明日は誰か生まれるだろうか

カチカチと同じ場所を刻んで
空間も思想に熔けていく

熱の無い日時計の場所にたたずんで
最後の花火を見ている
蛍の灯りを見て 星の嘆きを聞いている

生まれてからずっと
同じ場所で同じ時間が流れている
僕はどこへも開かない
世界もどこへも移動しない
曲がりくねって混ざり合って
世界は真っ直ぐを探している

まっすぐに、超えた先に世界が再び開けるなら
その世界は、名前の要らない世界。

嘘がいつもよんでいる
刻まれた時計に熱を流して込んで
妄念のような過去を呼び出す
未来を呼び戻して
同じ0秒で夢を語る

現世の嘘
現実の嘘
今、ここにある奇跡の嘘

真実の嘘
形のある嘘
感じる永遠を取り戻す嘘

熱の雨が止んで
氷の時間はどしゃぶりになる
心臓が開いて、宇宙の鼓動は永さと微細さを弱さに映し出していく

色のない視界
音のない耳鳴り
触れることの出来ない出会い
透明な臭い
痛みだけの記号
壊れない風景
闇のよだれかけのような味

エクトプラズム
伝わらない引力
自分の重さがゼロになる

熱は、なにかを、なにかへと、変えるでしょうか?
愛の横で微笑む熱っぽい感情は、罪を許すための時間ですか?

鉄の毒液で浸した風船は、
ゴムのように、破裂していく

―もういいかい?
――もういいよ。

――もういいかい?
―まぁだだよ

―――もーぃーかぃ?

も―い―よ

銀色の太陽と、色のない湖をさがして。

2007年05月06日 11時51分43秒 | 駄文(詩とは呼べない)
痛みと孤独から逃げ出した場所で
息苦しさを求めながら
ずっと深い場所で本物の呼吸を探す――

眼の奥でうずき始めた微生物が、
生きられる場所を探して
僕を、殺そうとする―

雨の音で 街の喧噪が消されて
再び巡る太陽が、僕の中から出てくるのを、ジッと待ってる

痒いところに手が届かないことは
多くの困難の中で努力する事とは程遠くて
ただジッと、誰にも見つからないように
息をひそめる隠れんぼに似ている

現実に、溺れる事が怖くて
流された欲望の中で、水面に顔をあげて
息をした瞬間に、自分の汚れに気付くのが怖くて
僕はずっと、世界の汚れの方ばかりを見て
自分なんか、見ない。

泳げば泳いだ分だけ、
あがけばあがいた分だけ、
汚されて、流されていく、太陽に照らされた海の中で
深い泥の中で
僕の微生物が、ジッと時を貯めて
僕を殺して這い回る日を待ってる。

もうずいぶんと、同じ一日を島の上で暮らした
無人島で昇る、天球の太陽は腐るほど見た
飽きるほど空気を吸って
痛みに耐えながら呼吸した

まだ一日は見つからない
永遠も、一瞬も、朝日も、黄昏も見つからない

こぼれ落ちる海の端を眺めて
あの場所で、水平線が落ちてしまえばいいなって
ただ、そんな終わりの景色だけを願って
重い肺を引きずって
僕の呼吸を探す。

誰かに出会えば、この景色は無くなる
塵で溶けた砂も、
輝きに満ちた海も、
温度のない砂浜も、
鉄で熔けた錆のニオイも

他とは違う、澄み切った空気の中にある真空も
命の水で汚されて
僕の景色が終わる。

怖い。

生まれたくなかった。

ここに居るのは、怖い。
羊水で満たされた宇宙で
あぶくのような恋をしている。

死に神に、恋をしている。

過去を蔑んで笑え。未来に絶望しても笑え。

2007年05月04日 12時54分59秒 | 駄文(詩とは呼べない)
誰かにわかってもらえるものなのかどうかはわからないけど

好きで好きでたまらなかった人が
別の男と結婚して、幸せそうに笑ってる声を聞くと
その穏やかな声が憎たらしいと言うよりは

その想いが、真実に近づけば近づくほど
純化すればするほど、
苦い味に溶けていって

俺は死んだ方がいい、と
思い知らされる。

どんなへたくそな言い訳も
負け犬の論理も
彼女の幸せの前では

ただ、口の中で暴れて
ただただ、暴れ続けて

僕を殺す、毒になるだけ。

死を持って、生をつぐなうだけ。


ただ、現実に負けながら
生に、抗うだけ

抗うだけ 抗うだけ あらがうだけ。

触れることのできなかった想いの前で
後悔は、できない。

黒い糸と、白い糸が、結ばれることは無い。

人間の生きる目的は
「一番遠い星に、触れること」