人の中にある記憶が
時々人を殺そうとする。
「懐かしい」
ただその一言が、僕を絶え間なく傷つけ続ける
懐かしいという言葉は、
ただ懐かしいだけじゃない。
人を淋しい処へ連れ去る
連れ去って傷つけ続ける。
懐かしい時間の中に僕を閉じ込めて
今の現実と意識を乖離させ、
その隔たりを持って
時の流れは残酷なんだと、
時の残酷さこそが現実なんだと
僕に教え続けて、
僕を傷つけ続ける。
同じ時は二度と来ない。
止まっている時も無い。
永遠は何処にも無い。
今、この瞬間も、僕は僕を失い続ける
僕はそれが怖くなる。
懐かしい
ただそれだけで
僕は生きている事が怖い。
助けて才子。
僕を今に繋ぎ止めて。
才子のいる世界に、僕を繋ぎ止めて。
好きだよ、才子。
僕は才子の居る現実が、好きだよ。
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