Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

明日をも知れぬ

2011-08-17 | 想い・雑感
あれよ あれよ 
という間に状況が変化することがあるが
癌の進行でもそのようなことがある

進行癌といわれるものでも
通常は時間的余裕があるものだが
わかった時点からいろいろ治療を始めても
その病勢を弱めることがまったくできなくて
あっと言う間にその人の命を奪い取ってしまうことがある

かなりの進行癌でありながら
明らかな再発を認めず5年以上が経過した方が
体調不良を訴えて来院された

お腹の中には全く再発を認めなかったが
多発性骨転移を認めた
すぐに入院していただき
治療を始めたが
目に見えて日に日に体力は落ちていく
入院後一週間ばかりで
骨髄癌腫症
強度の貧血
血小板減少
DIC
ARDS
と瞬く間に進行した

ご本人は
あまり苦しみを訴えておられず
普通に意志の疎通もできていたのだが
ある朝から呼吸機能が急速に低下
それでも会話をされていたが
その日の午後には力尽きた

癌治療の現場にいると
明日をも知れぬ
という現実をいやというほど見ることになるが
それでも
明日あると思って生きている自分自身に気づく
そう思っていないとおちおち生きてもいられないのだが
一寸先のこともわからないという事実から眼をそらしてばかりもいられない

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